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宝塚歌劇と女性のチカラ

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2022年4月23日(土)24日(日)星組『めぐり会いは再び next generation』『Gran Cantante』を観て参りました。

 

観劇した公演のプログラム。

私はほぼ購入します。

 

まず、ジェンヌさんの写真や出番などに目が吸い寄せられます。

つくづく、しみじみ、美は正義。

 

次いで、スタッフ一覧にも注目。

舞台上には登場しないけれど、この方々がいるから成立しているんだな…と。

 

分けても注目している「演出助手」

新人公演の演出担当(候補)の可能性も高い。※

 

※稀に本公演の演出家が、新公も担当するケースも有。

☆近年の事例

2019月組『夢現無双』齋藤吉正

2021星組『柳生忍法帖』大野拓史

 

宝塚歌劇は基本、座付き演出家が脚本・演出を担当します。

スターの魅力を引き出す脚本・演出は重要。

 

稀に外部の方も参加されます。

☆外部作家の参加例

2015花組『カリスタの海に抱かれて』大石静※

2020星組『眩耀の谷』謝珠栄

 

※『カリスタの海に抱かれて』の演出は、石田昌也

 

謝珠栄氏は演出・潤色なら、更に様々な作品を手掛けておいでです。

『激情』『凱旋門』『黒豹の如く』『ヴェネチアの紋章』等

 

…と、スタッフのお名前にもときめきます。

綺羅星の如きタカラジェンヌの写真に次いで。

 

中でも、演出助手は注目せずにいられない。

 

タカラジェンヌと演出家は宝塚歌劇の看板であり、両輪。

ジェンヌさん同様、演出家の卵も大切に育てて頂きたいと願っています。

 

上田久美子氏の退団(退職)は宝塚ファンにとって激震でした。

 

上田先生は全盛期のイチローみたいな高打率作家。

その作品のファンが多い演出家ですしね。

 

若手作家が育ちつつあります。

樫畑亜依子、指田珠子、町田菜々、栗田優香など。

 

彼女たちに「第二の上田久美子」を求めるつもりはありません。


ですが、上田久美子という演出家は、一つのモデルケースになった存在だろうと思います。


宝塚歌劇団は出演者こそ女性ばかりですが、その内実は長らく、男社会でしたから。


女性演出家が片手の指では足りない程いて。

(演出助手も含めれば、両手でも足りないかも)


育児休業を取得中の方もいらして。

(町田菜花先生、復帰を心待ちにしています♡)


時代は変わりました…!

嬉しい変化です。

 

上田久美子先生が大ヒットメーカーになった事は、女性演出家の地位や待遇に何らかの影響を与えたのでは…と想像しています。


もちろん先駆者の植田景子先生、小柳奈穂子先生が耕した地盤も大きかったかと。



上田先生といえば、読売新聞のネット記事(インタビュー)で興味深いお話をされてましたね。

 

上田久美子ブランドを打ち立てた(と思われる)上田先生ですが。


「商業作品を戦略的に製作」していらした、と。

 

その製作姿勢はアーティストより、サラリーマン的だったんですね。

市場調査を行い、その結果を反映し、より多数の人々に訴求する作品創りの姿勢。

 

製作者個人の好き嫌いより、観客のニーズを重視する姿勢。

 

その結果、多くの人々に求められ、宝塚の看板作家となられました。

 

どこにこだわるか?

その照準に迷いがなく、的確だった。

 

…と、改めて上田先生の戦略という名の愛情を感じました。

仕事として演出家を選んだ上田先生は、自己実現の前に「顧客サービス」を重視されたんですね。

 

そろそろ自己実現というか、自分が「してみたい事」に照準を移されたのかな。

 

くーみん先生のこれからが楽しみです。

 

 

宝塚の演出助手に再び話を戻しますと…

 

『めぐり会いは再び next generation』

演出助手:菅谷元

 

『Gran Cantante』

演出助手:竹田悠一郎、西川日向子

 

上記のうち、竹田悠一郎氏はバウホール公演・2021花『Prince of Roses』にて演出家デビュー済。

 

菅谷元氏は北海道大学公認演劇サークル「劇団しろちゃん」で活躍して来られた脚本・演出家。

 

学生時代から腕を磨いてきた人は多そう。

バウデビューを控えた熊倉飛鳥氏もそうですね。


西川日向子氏は検索してもヒットせず。

予備知識なしの演出助手さん。

ますます新公演出担当が楽しみ。


若手演出家(男性含む)に期待は高まるばかりです。

 

「宝塚歌劇は制約が多い」


…と感じるクリエイターは少なくないでしょう。

 

その制約をゆるめる工夫を凝らす作家もいます。

 

小柳奈穂子氏はその一人。

それについて、プログラムで触れていらっしゃいます。

 

ファンタジーという設定。

それは小柳先生が編み出した「制約を緩和する手法」の一つなんですね。

 

ファンタジーといえば、タカラジェンヌ自体が一種のファンタジーですが。


舞台上のみならず、私生活でもファンタジーを体現し続けるタカラジェンヌ。

 

男役はマニッシュな服装で過ごし、娘役も私服も愛らしく。

在団中は未婚が必須条件。

SNS等も制限されている事でしょう。

 

骨太プロフェッショナル。

それがタカラジェンヌ。

 

そんなジェンヌと並走し、支えてくれる演出助手さん。

これからも、ジェンヌさんをよろしくお願いします。

(立ち位置どこやねん?)

 

∇これが母ごころ…?(←いつ母に?)

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