雪組『ODYSSEY』の感想をあまり書けてなかったので、振り返っての感想です。
当初予定は、2022年1月、東京国際フォーラムで上演予定だった『ODYSSEY』
関係者のコロナ感染により、全日程中止に。
そのリベンジ公演として、梅田芸術劇場メインホールにて
2022/7/21(木)~8/7(日)
コロナ禍の中、18日間21公演をみごと完走しました。
★彩風咲奈(93期・研16)
咲ちゃんはスタイルが良いので、どんな衣装も大抵似合う。
『ODYSSEY』ではマーメイドの美女として、純白のダルマ姿を披露。
スレンダーで脚が長く、綺麗。
トップ男役のガチで似合いすぎるダルマ姿といえば、あの御方。
元宙組トップ・凰稀かなめ(86期・退団済)のパイナップルの女王を思い出しました。
(2013年宙組『Amour de 99!!-99年の愛-』)
★朝月希和(96期・研13)
…で、そのパイナップルの女王の衣裳は、ひらめちゃんが着用。
朝月さんはセレネ(月の女神)役。
今回、ティティス(海の女神)が音彩唯(7/21~26)と美穂圭子(7/29~8/7)のWキャスト。
ティティスによって、朝月さんの印象が大きく変わりました。
音彩ティティスの時は、お姉さん的なイメージ。
タイプの違う姉妹がそろって目立つポジションにいる的な。
美穂ティティスの時は、可憐なヒロインのイメージ。
★二人のティティス
…という訳で、海の女神ティティス様。
幕開きから美声を響かせ、全編にわたって重要なお役。
美穂圭子(専科)
音彩唯(105期・研4)
美穂さんが星組公演(めぐり会いは再び next generation)出演の為、前半日程は音彩さんがティティス役に大抜擢。
有栖妃華(102期・研7)、花束ゆめ(103期・研6)など、歌が得意な上級生を抜いての抜擢。
音彩さんは抜擢に充分応えたと思います。
愛らしいソプラノを梅芸メインホールに響かせていました。
舞台に立った時の華もあって、朝月さんと並ぶとWヒロイン?との錯覚に見舞われました。
美穂さんは幕が開き、歌い出した瞬間から場を制圧。
まさしくディーバ。
威厳と包容力を兼ね備え、まさに海の女神。
朝月さんと並ぶと、役割分担がくっきり。
ディーバ美穂とヒロイン朝月。
女神の存在感と説得力ある歌声は、美穂さんだからこそだと納得。
ただ、勉強のためにも、何曲か下級生に歌を振り分けるのもアリかなと思いました。
(お祭りマンボとか)
★朝美絢(95期・研14)
太陽神アポロン。
ですが、いろいろコスプレ(え?)もしてましたね。
長髪ポニテ×中国の衣裳がめっちゃ似合ってました。
麗しい~~!
次回大劇場公演『蒼穹の昴』は中国物。
…ですが、時代が異なるので、髪型も衣装もかなり異なります。
ちと残念。
★縣千(101期・研8)
三番手役。
1月国際フォーラム版で、和希そらが担う役だったのかと。
異次元ソラカズキ担当分だけあって、歌の配分が多い。
縣くんにとっては修業の公演でしたね。
本作は男役の女装まつり。
彩風咲奈、久城あす、眞ノ宮るい、縣千、華世京。
縣くん以外は、違和感なく綺麗だったり、可愛かったり。
縣くんだけ、とてつもない女装感がありました。
男役濃度が高くて。
でも、カルメンの色は出てたと思います。
(ちょっとキトリも思い出しました)
いずれ藤井大介先生のミューズになるんじゃなかろうか。
縣くんはなで肩なので、ふだん補整してると思ってたんですが、肩幅がしっかりしててビックリ。
鍛えたんだなぁ。
いつも本当に舞台が楽しそう。
宝塚の舞台に立てる事が嬉しくてたまらない感が溢れてます。
ダンスのように、思い通りに発声できるようになれば、更に舞台を自由自在に駆け回りそうです。
研2で歌った『僕は怖い』からすると、本人比ですが、上達してます。
優美せりな(101期・退団済)とのデュエット『恋の笹舟』は素敵でした。
(雪組2016年『Bow Singing Workshop』)
いずれトップになれた場合、補完し合える相手役に恵まれれば、素敵コンビとして人気になりそうな予感がします。
娘役に向ける笑顔やエスコートも様になってきたしね。
(上から目線ですまん)
★眞ノ宮るい(100期・研9)
ダンサー眞ノ宮くん。
娘役をはべらせて、セクシーに歌い踊ったり。
…かと思えば、可憐な娘役として朝美絢と中華風デュエットダンスを披露。
ちゃんとあーさより小さく見せてて、そんな処も注目しました。
膝折だけでなく、全体的に華奢に見えましたものね。
★華世京(106期・研3)
何でもできる子・かせきょー君。
『韃靼人の踊り』に乗せて、彩風咲奈と踊るデュエットダンスの王妃様。
たおやかで優美な動きは、まさしく王妃。
咲ちゃんと惹かれ合う、でも切迫した空気感も伝わってきました。
華世くんの王妃様、何度でも観たい。
いっそ、彩風咲奈の相手役(次期トップ娘役)になってほしい。
そう願うほど素敵で、お似合いでした。
なんとなくですが、もし華世くんが娘役に転向し、トップ娘役になったら、咲妃みゆ的なトップ娘役になりそうな予感がします。
トップスターを引き立てつつ、才能と魅力を発揮しそう。
私は基本的に「トップ娘役は、ずっと娘役で頑張ってきた人」になってほしい気持ちがあります。
…が、華世くんの王妃様は本当に素敵で。
咲ちゃんとのデュエダンをまた観たいと思っています。
雪組御曹司の道を邁進中なので、あり得ないと判っていますが。
★久城あす(94期・研15)
めっちゃ声が綺麗で歌うまな娘役がいる、と思ったら、女装した久城さんでした。
女性としての声も綺麗。
そして伸びやかな歌唱。
あす君には出来るだけ長く宝塚にいてほしい。
…けれど、いつか退団するかもしれませんね。
退団後は藤咲えり(91期・退団済)とコンサート開いてほしい。
歌うま姉弟ですよね、ホント。
★花束ゆめ(103期・研6)
ニューヨークの場で、聖海由侑とデュエットで大人びた美声を披露。
雪組にも歌える娘役、いるんですね。
なんで隠すねんな??
歌が苦手な娘役しか新公ヒロインさせない協定でも結んでるのかと訝しんでました、最近まで。
音彩唯、佳純沙那と歌える娘役も抜擢されてますが、2021年後半から、ようやく。
★聖海由侑(103期・研6)
エキゾティックな美形の聖海くん。
歌も上手いですね。
ニューヨークの場では、階段上でぶーけちゃん(花束)とデュエット。
大人のしっとりした雰囲気を醸し出してました。
歌い終わり、階段を降りる際、自分が先に2,3段おりてから振り返り、ぶーけちゃんに手を差し伸べ、エスコート。
平場に戻ってからも、ぶーけちゃんを抱き寄せたり、キスしかけたり、目が離せませんでした。
103期はどの組でも、さりげに実力派が多いよね。
★有栖妃華(102期・研7)
雪組の若き歌姫・ありすちゃん。
娘役3人で歌い踊る場も可愛かったのです…が。
やはり、『韃靼人の踊り』の影ソロが圧巻。
(プログラムでは Stranger in Paradise になってたかな?)
透き通る美しい歌声は、彩風咲奈と華世京のダンスが織りなす世界をより美しく哀しい彩りました。
単なる美声でなく、ドラマを生み出せる歌声でした。
美穂圭子さん不在時のティティスは、音彩唯と分け合ってみても良かったのでは?…と思います。
音彩さんは充分に歌いこなしていましたが、有栖妃華はどんなドラマを歌で紡ぎ出してくれたろうか…と想像してしまいます。
同じ役・同じ楽曲でも、受ける印象が大幅に違った美穂ティティスと音彩ティティス。
もし有栖さんがティティスだったら、また違う世界を魅せてくれたのでしょう。
なんだか欲ばりになっちゃいますね。
こんなに歌える娘役がいてくれて、しかも成長した歌唱を聴かせてくれて(有栖さんも音彩さんも※)嬉しいし、楽しみです。
※花束さんは今まで歌を披露する機会が、ほぼなかったと思います。
やっと機会をありがとう。
これからバンバンよろしく頼んまっせ、劇団さん。
∇どっせい、オデッセイ!