2022年3月25日（金）27日（日）花組『冬霞の巴里』を観劇。
身も心も震えてきました。
永久輝せあ、星空美咲に続き、キャスト別感想。
ネタバレも含まれますので、まだ知りたくない方は読まれない方がいいかも。
★聖乃あすか（100期・研８）
謎めいた男・ヴァランタン。
オクターヴ（永久輝）とアンブル（星空）が住む下宿の店子の一人。
初対面から、オクターヴにちょっかいかけまくり。
「姉さんと似てないね」とか。
それに対し、アンブル美咲が
星空「背中の同じところにホクロがあるのよ。お見せしましょうか？」
聖乃「あんたのはいいや」
永久輝さんの背中なら見るんかい！
…いやぁ、萌えるなぁ…♡
他にも、テロ行為で逮捕されたシルヴァン（侑輝大弥）の事を
「俺と違って真面目だから、学生でいればよかったのに」
やたら思わせぶりっ子な影が見え隠れするヴァランタン。
アナーキスト（無政府主義者）との設定ですが、彼自身の生い立ちやプライベートは謎のまま。
台詞や歌唱は本人比、めっちゃ努力の成果を感じました。
「鼻にかかった声が惜しい」と思っていましたが、本人比かなりのクリア発声に。
声量も増強。
１幕の最初の方で、下宿人たちを歌って踊りながら一人ずつ紹介。
短いながら、一人一人歌いますが、ヴァランタンがリード。
踊りだしとか、さりげなくカッコイイですぜ。
発声も本人比、聴き取りやすくなりました。
ダンスがビッシバシにワイルド。
フィナーレで男役と組んで踊ります。
男女コンビの中で、飛龍つかさと男同士のデュエットダンス。
永久輝せあとも絡みます。
二人とも上級生ですが、聖乃さんが男役な風情。
永久輝さんに対しては、膝まづいて足元から胸元まで撫で上げてました。
艶っぽさにグラリ。
芝居でも、フィナーレでも、野性的なオスの匂いを放っていました。
はんなりほんわか聖乃あすかよ、何処へ…？
淋しさ半分、頼もしさ十倍でございます。
ほのかちゃん、新境地を切り拓きましたね。
荒削りなところが、今後さらなる変化を予感させてくれます。
★飛龍つかさ（98期・研10）
オクターヴの叔父であり、継父・ギョーム。
兄嫁クロエ（紫門ゆりや）の苦悩を知り、救いの手を差し伸べます。
また、孤独に苛まれる少年オクターヴ（初音夢）を少女アンブル（湖春ひめ花）と共に支えてくれました。
物語が進むにつれ、ギョーム像がどんどん変化していきます。
何が本当で、何が正しいのか。
オクターヴ（永久輝せあ）は混乱します。
混乱を鎮めるため、敢えて叔父を絶対悪と思い込み、「考えること」を放棄したのかもしれません。
飛龍つかさの包容力が、演技に遺憾なく発揮されています。
清濁合わせ飲む、懐の深さ。
大人の男性が持つ包容力。
永久輝さんと相対しても、叔父（継父）だとすんなり受け容れられました。
４人の男女で歌う場があります。
ギョーム（飛龍つかさ）
オーギュスト（和海しょう）
クロエ（紫門ゆりや）※本作では女役
イネス（琴美くらら）
ソロ、デュエット、コーラスが入り乱れます。
クロエがやや苦戦（本来は男役だしね）する中で、ギョーム飛龍がスッと手を差し伸べて歌い出した途端、美しいハーモニーに。
飛龍つかさと和海しょうが、二人の娘役を包み込むように歌い上げていきます。
聴きどころですよー！
ギョームの苦悩を滲ませたソロも、澄み渡る男声が彼の人柄を伝えています。
秘かに星空美咲と縁が深いヤス…じゃなくてつかさ君。
飛龍くんも美咲ちゃんも、歌と演技で作品をガッチリ支える心強いサポーター。
実年齢より高いを演じこなせる面も共通していますね。
陽性イメージの男役さんですが、黒白入り混ざった重層的な役も演じこなせる実力の持ち主。
明朗で若々しい印象が強い飛龍くん。
いつのまにか、包容力と落ち着きを備えた大人の男役に成長していました。
∇ 君たち男前(๑>◡<๑)
