Quantcast
Channel: シエスタの庭
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2993

2021年観劇総括『私の大好きな宝塚』芝居(バウホール+外箱)編

$
0
0

2021年も押し迫ってまいりました。

 

今日は2021年12月31日、大みそか。

月城かなとさんの誕生日。

おめでとうございます。

 

今日のコンテンツはこんな感じ。

 

1)別箱って何?

2)2021年 別箱上演作一覧

3)個人的ベスト5

 

 

1)別箱って何?

 

今日は「別箱」と呼ばれる作品群にスポットを当てたいと思います。

 

箱とは「建物」を指します。

演劇関係では「劇場」とほぼイコール。

 

宝塚大劇場と東京宝塚劇場は、宝塚歌劇の専用劇場。

 

この二つ以外の劇場を「別箱」と呼んでいます。

私はね。

 

バウホールは宝塚大劇場に付随した小劇場です。

ただ、上演する演目が異なります。

 

また、バウホールは外部の人(宝塚歌劇団以外)も利用可。

OG公演や地元のイベント等が行われてます、ぼちぼち。

 

外部の劇場は「外箱」と一括りに呼ぶことも多そうです。

 

バウホールは厳密には「外箱」と言えないかもしれません。

 

…が、外部劇場とセットで上演スケジュールが組まれるケースもあるので、ざっくり「外箱」と呼ぶ事もあります。

 

人によって異なる使い分けをしているし、厳密な決まりはなさそうだな…と私は感じてきました.

 

また、東上(付き)公演は、「関西に加え、首都圏の劇場でも上演」する公演をさします。

 

関西圏はバウホール、梅田芸術劇場を多用(2021年現在)

梅芸はメインホールとシアタードラマシティに分かれています。

 

梅芸のオーナーは阪急。

(元は別企業がオーナーでしたが経営不振で、阪急に売却)

 

首都圏の劇場は、日本青年館、KAAT神奈川芸術劇場、池袋ブリリア等でしょうか。

(2021年現在)

 

東京国際フォーラムは毎年1月、トップスター主演公演を上演(2021年現在)

 

その他、御園座、博多座などでの上演があります。

2021年は残念ながら、御園座(名古屋)公演はなし。

御園座と博多座、どちらも大好きな劇場です。

 

以上は、私が「そんな風に使い分けてるんちゃうかな」と感じた事なので、ご参考に。

 

 

2)2021年 別箱公演一覧

 

上演期間は発表当初のもの。

途中で中止になったり、初日が変更した公演もありましたね…。

 

バウホールのみの公演は、主演者の期・学年を記入しました。

バウ初主演の学年は注目されてきた傾向があるので。

 

新人公演主演の次のステップは、バウ主演。

新公主演以上に狭き門が、バウ主演。

 

新公学年内(~研7)または新公卒業後早めのバウ主演は、未来のトップスター候補として期待を寄せられている証左とみなされがち。

なので、参考に記載してみました。

 

2021年、バウ初主演を果たしたのは

花組 聖乃あすか(100期・研7/上演当時)

月組 風間柚乃(100期・研8)

 

宙組・和希そら(96期・研12)は2回目のバウ主演

前回はショー形式だったので、がっつり芝居は初。

 

月組・珠城りょう(94期・研13/上演当時)は退団を控え、リサイタルとお芝居。

思い出深く、大好きなバウホールを希望しての開催でした。

 

バウホールのみ 5作

東上公演 8作

全国ツアー 3作

舞浜アンフィシアター 1作

博多座 1作

 

合計 18作

 

コロナ禍にも関わらず、全国ツアーまで精力的にこなした宝塚歌劇団。

強い意思と実行力を感じます。

 

この他にディナーショー等もありましたが、書き切れず。

すみませんでした…(力尽き気味)

 

 

★バウホールのみ

 

主演者の組・学年は上演当時

 

月組Eternità』

2021/01/15〜01/17

構成・演出 三木章雄

主演 珠城りょう(94期・研13)

※コンサート

 

花組『Prince of Roses』

2021/01/28〜02/07

作・演出 竹田悠一郎

主演 聖乃あすか(100期・研8)初

ヒロイン格 星空美咲105期・研2)

 

月組『幽霊刑事~サヨナラする、その前に~』

2021/03/07〜03/23

原作 有栖川有栖

脚本・演出 石田昌也

主演 珠城りょう(94期・研13)

ヒロイン格 天紫珠李 (101期・研6)

 

宙組『夢千鳥』

2021/04/22〜05/03

作・演出 栗田優香

主演 和希そら(94期・研13)2回目

ヒロイン 天彩峰里(100期・研8)

 

月組『LOVE AND ALL THAT JAZZ』

2021/10/07〜10/18

作・演出 谷正純

主演 風間柚乃(100期・研8)初

ヒロイン きよら羽龍(104期・研4)

 

 

★首都圏+関西公演

 

花組『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』

東京国際フォーラム 01/09~19

梅芸メインホール 02/02~09

潤色・演出 原田諒

主演 柚香光華優希

 

月組『ダル・レークの恋』

TBS赤坂ACTシアター 02/16~28

梅芸ドラマシティ 03/14~21

作 菊田一夫

監修 酒井澄夫

潤色・演出 谷貴矢

主演 月城かなと海乃美月 

 

宙組『Hotel Svizra House』

東京建物ブリリア 04/15~20

梅芸メインホール 05/01~07

作・演出 植田景子

主演 真風涼帆潤花

 

雪組『ほんものの魔法使』

バウホール 05/21~06/01

KAAT 06/08~16

原作 ポール・ギャリコ

脚本・演出 木村信司

主演 朝美絢野々花ひまり

 

星組『マノン』

バウホール 07/01~12

KAAT 07/22~28

原作 アヴェ・プレヴォー

脚本・演出 中村暁

主演 愛月ひかる有沙瞳

 

専科+星組『婆沙羅の玄孫』

梅芸ドラマシティ 07/09~15

東京プレイハウス 07/21~29

作・演出 植田慎爾

主演 轟悠音波みのり

 

花組『銀ちゃんの恋』

KAAT 08/16~24

梅芸ドラマシティ 09/02~10

原作 つかこうへい

潤色・演出 石田昌也

主演 水美舞斗星空美咲

 

宙組『プロミセス・プロミセス』

梅田ドラマシティ 11/13~18

東京建物ブリリア 11/30~12/07

翻訳・演出 原田諒

主演 芹香斗亜天彩峰里

 

 

★全国ツアー

 

雪組『ヴェネチアの紋章/ル・ポァゾン愛の媚薬-Again-』

06/02~15(神奈川、愛媛、愛知)

芝居脚本 柴田侑宏

芝居演出 謝珠栄

ショー作・演出 岡田敬二

主演 彩風咲奈朝月希和

 

花組『哀しみのコルドバ/Cool Beast!!』

08/25~09/14(大阪、愛知、石川、富山、神奈川)

芝居脚本 柴田侑宏

芝居演出 樫畑亜依子

ショー作・演出 藤井大介

主演 柚香光星風まどか

 

宙組『バロンの末裔/アクアヴィーテ!!~生命の水~』

11/21~12/09(大阪、熊本、鹿児島、長崎、佐賀、福岡、沖縄)

芝居作・演出 正塚晴彦

ショー作・演出 藤井大介

主演 真風涼帆潤花

 

 

★舞浜アンフィシアター

 

星組『VERDAD!!-真実の音-』

舞浜アンフィシアター 07/02~10

作・演出 藤井大介

主演 礼真琴舞空瞳

※コンサート

 

 

★博多座公演

 

月組『川霧の橋/Dream Chaser-新たな夢へ-』

博多座 10/11~11/03

芝居原作 山本周五郎

芝居脚本 柴田侑宏

芝居演出 小柳奈穂子

ショー作・演出 中村暁

主演 月城かなと海乃美月

 

 

3)個人的BEST3

 

宙組『夢千鳥』と『プロミセス・プロミセス』は観る事が叶わず。

夢千鳥は配信があったのに…!

 

どちらも観たかった…。

観たかった…!

 

観ていないので、ランキング対象から外させて頂きます。

 

ネット等で評判は拝見していますし、ざっくり把握はしています。

ですが、己が観劇(視聴を含む)していないため、私の言葉や感覚で感想を述べられません。

 

想像や憶測でしか語れないこと。

それはこういった場では無責任かな…と思いまして。

ご理解いただければ幸いです。

 

 

5位 月組『川霧の橋/Dream Chaser-新たな夢へ-』

 

博多座と、新生月組のプレお披露目作品。

月城かなとの青天が爽やかすぎて、なぜ海ちゃん(海乃美月)が一目惚れしなかったのか謎すぎる。

(幼馴染で見慣れていた事が敗因か…)

 

余談ですが、青天はサカヤキという呼称もあります。

漢字で書くと月代。

月代(さかやき)もツキシロと読めますね、読もうと思えば。

いえ、ちょっとした言葉遊びでした。

 

ショーは大劇場バージョンをほぼ踏襲。

メインの顔ぶれがほぼ一緒の場もありました。

…かと思えば、がらり一新した場も。

 

変化はありましたが、違和感はなくて。

月城さんのクセの無さゆえでしょうか。

なんだか馴染んでるぞ?と。

 

月城&海乃コンビは早くも円熟期に近い落ち着きっぷり。

新たに発進しつつ、安定感もある月組です。

 

 

4位 花組『銀ちゃんの恋』

 

正直に告白します。

私はつかこうへい作品は苦手です。

蒲田行進曲も苦手です。

 

だがしかし、水美舞斗も飛龍つかさも帆純まひろも星空美咲も好き。

ゆえに観ました。

 

観てみたら、とても面白かった…。

ちょっとびっくり…。

劇場でみて、LIVE配信も視聴。

 

苦手だった作品が、宝塚バージョンの味付けで食してみたら美味だった。

食わず嫌いをせず良かった…と実感した作品です。

 

エゴイストなのに可愛げがある銀ちゃん(水美舞斗)

いい人すぎてどうしましょう?なヤス(飛龍つかさ)

銀ちゃんに振り回されているようで、仁義を通す小夏(星空美咲)

 

その他、脇を支える配役もそれぞれ工夫を凝らし、役作りをしていて。

一人一人がしっかり爪痕を残すあたり、花組生ですね。

 

上級生から下級生に至るまで、自己主張が激しい(笑)

褒めてますから、これ。

 

 

3位 花組『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』

 

銀ちゃんに続き、ダメ男が主人公の作品です。

 

こちらのダメンズ・ジミー(柚香光)は銀ちゃんとは違うタイプ。

優柔不断で流されやすい。

 

こんな男のどこがいいんだ?…と思いますが、魅力的なんですよ。

柚香ジミーは可愛げのあるダメンズで…って、デジャヴ?

流されやすいのは私かい。

 

裏稼業に精を出す、しっかり者のビリー(華優希)

なりすまし執事が意外とハマるクッキー(瀬戸かずや)

独創的すぎるダンサーのアイリーン(永久輝せあ)

まじめで純情な警察官・ベリー署長(汝鳥伶)

最後に美味しいトコもってくミリセント(五峰亜季)

 

…など、登場人物もそれぞれ濃厚。

版権が厳しいブロードウェイ・ミュージカル。

 

なのに、配信がありました。

劇団さん、頑張ってくださいました。

ありがとう!

 

劇場でも観ましたが、配信でも観ました。

ブロードウェイ・ミュージカルという事で、歌やダンスはハイレベルだろうと予測。

一抹の不安を感じていましたが、蓋を開ければひたすら楽しめました。

 

タップダンスの見せ場がありまして、ジミー柚香とビリー華がタップで掛け合い。

ダンスが苦手な華ちゃん、頑張りが反映していました。

 

柚香光と華優希のコメディ・センスに拍手。

瀬戸かずや、永久輝せあ、助演陣も負けちゃいねえぜ。

キャストが一丸となって、楽しくお洒落な空間を創り上げました。

 

誰もが幸せになる大団円ハッピーエンド。

予想を上回る出来栄えでした。

(上から目線でごめんなさい)

 

 

2位 月組『幽霊刑事~サヨナラする、その前に~』

 

珠城りょうと鳳月杏がタッグを組んだドリーム・シアター。

ミステリとしても、コメディとしても上質。

 

「珠城と鳳月のバディ物」というだけで充分美味しく有難いのに、助演陣も役者が揃ってます。

 

珠城さんを中心に、信頼感と安心感あふれる空間でした。

もちろんサスペンス物ですから、緊迫感もありました。

 

神崎(珠城)と同期の霊媒刑事・早川(鳳月杏)

夫と息子(珠城)が殉職した神崎比佐子(京三紗)

婚約者で同僚の森須磨子(天紫珠李)

泥棒・久須悦子(白雪さち花)

神崎の上司・経堂芳郎(光月るう)

殺された上司・新田克彦(紫門ゆりや)

切れ者刑事・毬村正人(輝月ゆうま)

幽霊仲間の老人・雲井光雄(汝鳥伶)

幽霊仲間の少女・天乃愛(白河りり)

 

…など、頼もしい布陣。

 

幽霊トリオ(汝鳥伶、珠城りょう、白河りり)の場面はほっこり。

三人で歌う場面は、三世代の親子のようでもあり、世代を超えた友人同士にも見えて。

早川刑事(鳳月杏)とはまた異なる絆を感じました。

 

原作に忠実でありつつ、原作の素材を生かしたアレンジも。

 

たとえば、神崎刑事(珠城)だとさほど感じない「死後の変化」

それを、聾唖の少女(白河りり)を通して伝えました。

肉体を離脱して魂だけになる為、聾唖という縛りもなくなるんですね。

 

エトワールを務めた白河りり。

天乃愛として、幼い少女の発声で歌い上げました。

さすが芝居の月組…!

 

切ない物語ですが、とても面白く、何度でもリピートしたいと思いました。

 

 

1位 雪組『ほんものの魔法使』

 

物語の世界観が好きです。

 

作品の完成度なら、もっと高い作品が他にもあります。

むしろ未完成で未熟だからこそ、惹かれたのかもしれません。

 

世界観が好きと申しましたが、冷静に見てみると結構ひどい世界です。

男尊女卑やモラハラめいた事が横行しています。

 

そんな状況だからこそ、アダム(朝美絢)のニュートラルな姿勢が光ります。

 

アダムが目指してきた魔法の都マジェイア。

そこは魔法ではなく、魔術の都。

魔法の存在など信じていません。

 

虚構と仕掛け。

物事には必ず裏がある。

 

それが現実。

それが世間。

それが大人。

 

マジェイアの色彩が鮮やかで華やかなほど、アダムの素朴さが際立ちます。

 

「誰でも魔法を使える」と微笑むアダム(朝美)

 

アダムが言う「魔法」とは、おそらくイマジネーション。

想像する力。

 

人々は答えを求めます。

仕掛けを教えてくれ、と。

 

「仕掛けなんて無い」

 

アダムの回答は、人々に伝わりません。

理解できないのです。

 

これは本作から外れる話ですが…

 

知っていますか?

人間の脳は、現実と想像を区別できません。

時間軸もありません。

 

思い浮かべた事はすべて、今起こっているリアル(と脳は認識します)

 

昔の事でも、思い出すと無性に腹が立ったり、嬉しくなる事がありますよね。

それは脳の特性ゆえ。

どれほど昔の事でも、思い浮かべたら、それは今、目の前に展開しているのです。

 

そして、イメージした事を具現化する力を、脳は備えています。

 

この物語をポール・ギャリコ氏が書いた当時、そういった事をご存知だったのでしょうか。

 

原作は児童文学カテゴリのファンタジー。

「おもちゃ箱をひっくり返したような」鮮やかな色彩が溢れる舞台。

 

同時に、極めてシビアな現実を映した物語です。

 

「女の子だから」と様々な制限をかけられるジェイン(野々花ひまり)

 

「理解できないから」と異端視されるアダム(朝美絢)

 

「多数派」「既成概念」が何の疑問もなく、「異端」を追い込む。

 

多数派がわかる言語・思想以外は認めない横暴が「常識」とされる。

 

そんなリアルが描写されています。

 

美しい出演者や舞台装置によって、食べやすく調理されて。

 

『ほんものの魔法使』は夢物語として楽しく観る事もできるし、掘り下げていく事もできる。

 

「こうです」とガチッと決まっていないから、観た人各自の味わい方が出来る。

 

また、バウホールは大劇場とは異なる存在意義をもった劇場。

実験的な冒険が許される場です。

(とはいえ東上公演なので、ある程度の完成度も求められますが…)

 

観終わってから、ふと思い出す。

それを繰り返しています…私は。

 

 

以上、私の2021年の観劇を振り返ってみました。

レビューについて触れられず、残念。

 

ジェンヌさんに関しても触れたかった…!

 

(触れるかもしれません、間に合うかな?)

(年明けになったりして)

 

それでは、良いお年を。

 

∇Happy Birthday 月城さん♪

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

 

 

 

 

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2993

Trending Articles