2017年11月28日(火)雪組『ひかりふる路』新人公演みてまいりました。
一言で言うなら、とても良かったです。
今回は、『ワイルドホーン氏の楽曲』『超・歌うまトップコンビ』と、ハードルが高い公演。
最初から、歌については差し引いて臨むつもりでした。
…で、実際、歌唱力についてはトップコンビと比ぶべくもないのですが、予想を上回る魅力がありました。
主演二人はじめ、新人公演の歌はものすごい熱量がありました。
芝居として『気持ちをのせる歌』でした。
技術的には決して上手い訳ではなく、たまに音を外したり、歌い出しの歌詞が聴き取りにくい事もありました。
しかし、それらを含めてなお、聴き心地の良い歌でした。
本役をなぞりつつ、懸命に作品を創るパワーが毎回熱い雪組新公。
『ひかりふる路』もまた熱量が凄まじい公演。
完成度より何より、勢いと熱さが素晴らしい新人公演でした。
最後のご挨拶は、まず、長の期筆頭として、永久輝せあ君がご挨拶。
丁寧で優しい語り口。
噛んで言い直すのは、ご愛敬。
永久輝 「それでは、主演の綾凰華よりご挨拶申し上げます」
永久輝さんからバトンを受け取った綾さん、噛みしめるように話し始めました。
永久輝さんが小さく頷きながら、綾さんの背中をみつめていて。
ヒロイン潤花ちゃん、2番手役・叶ゆうり君も、じっと見守っていました。
綾さんも感極まってましたが、永久輝さんもジーンとしてて、ついでに下手端にいた縣千もウルウルしてました。
綾さんはスムーズに話していましたが、締めの感謝を述べる際、それは起きました。
綾 「丁寧に教えて下さった上級生の方々、先生方、そして本日わざわざ客席へお運び下さった皆様」
そこで、プツッと電池が切れた綾さん。
しばしの沈黙の後、
綾 「本日わざわざ客席へお運び下さいました皆様」
より丁寧に言い直したのでした。
「下さった」でも、充分丁寧だよ、あやなちゃん?
でも、なんかこう、気持ちが更に伝わりました。
カーテンコールで再び幕が上がり、劇場をふわぁ〜っと見上げる下級生たち。
叶ゆうり&永久輝せあの長の期コンビが「どうぞ、どうぞ」と勧めるも、綾凰華「???」
何を勧められているか判らず、永久輝&叶に向かい、尋ねるあやなちゃん。
ようやく、
綾 「…あ、前、前へ出るって事ですね」
と分かったはいいけど、どれくらい前へ出ていいものか、判らず、背後を何度も振り返る綾さん。
「もっと前へ、もっと前へ」と手招きつきで教える、永久輝&叶。
それを見ながら、大きく足を踏み出す綾さん。
センターに立つ事、前に出る事に不慣れな初々しさが可愛らしく、客席から、笑いと拍手が起こりました。
心温まる新人公演でした。
ほんまにええもん観せてもろたな、と。
個別キャストについては、改めて語ります。