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明日海りおのパートナーについて考える(2)

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昨日から引き続き、明日海りおさんのパートナーについて考えてみました。

…とはいえ、純粋に『明日海りおという男役』 を最優先にした上での発想です。
そこを重視するあまり、現行の枠組さえ無視しています。
想像・妄想・幻想の世界なので、軽く読み流して下さると嬉しいです。

昨日は「相手役には、姉さん女房が向いてそう」と書きました。
しかし、現実として「男役10年」のトップ男役を支えるトップ娘役は、 20代半ば迄の若い人が圧倒的多数ですね。

男らしい男役と、可憐な娘役。
王道のカップルですね。

…で、明日海りおさんですが。
どんどん男らしさを増してると思います。

トップスターになると、善・陽・正義といった役を振られがち。
THE HERO、THE 正義の味方、THE 主人公!……ですね。

ただ、 明日海さんはステレオタイプのヒーローに留めるには勿体ない逸材 。
複雑で繊細な心理を深く読み解き、 人物造形を巧みに創り上げます。

例えば、『春の雪』の松枝清顕。
彼は肥大化した自尊心を抱えた、自己中心的な幼児。
嫌な奴、女の敵、 人間の屑と唾棄されても致し方ない人物。

それが、 明日海りおというフィルターを濾過した松枝清顕は「人間として最低なのに、なぜか魅力的」という、 恐るべき化け物へ変化していました。

そう、明日海りおは超一流の表現者です。

同時に、彼(彼女)自身もまた、 人を狂わせる何かを持っているように感じます。

明日海さん自身のイメージは清らかで上品なのに、同時に不思議な色香を醸し出しています。
品良くほのかな芳香から、おそろしいほどの妖艶さまで、幅広く豊かなうねりを秘めた傑物……いや、怪物。

彼(彼女)を観た(触れた)人は、 劣情を刺激されると申しますか。
大脳旧皮質の奥に潜む、原初から備わった熱が沸騰するのを感じます。
その琴線に触れてくる人だと思います。

彼女のファンは熱に浮かされたようになる。
疾しささえ感じる、とてつもない昂揚感と疼き。
それはもう、子宮にダイレクトに響くエロスなのだと思います。
(男性は子宮ないけど、疑似体験してみて下さい)←どうやって?

そんな己を恐ろしく感じてもなお、 離れられない。
依存性の高い麻薬のような存在。

私は明日海りおに出会えて幸せであると同時に、 知らずにいたかった…とも思っています。

彼女の魔力は、宝塚の男役というフィルターを濾すことで、 より悪魔的に磨かれ、私達の前に供されるのです。
どうぞ召し上がって下さい、と。
こんなに危険で魅力的な膳はありません。

しかも、タイムリミットがあるのです。
それを過ぎてしまえば、雲散霧消してしまう存在。
この世から姿を消す幻影。

退団後も、彼女はおそらく表現者として生きるはず。
しかし、それはおそらく「女優」 という立ち位置に限定されることでしょう。

性別を超え、年齢を超え、様々な規制を超える『男役』 という存在。
それは今だけのもの。
今しか表現し得ない役柄が、作品が、世界観があるはず。


昨日の日記で、明日海りおは「相手役を選ぶ男役」 だと申し上げました。
それは、あくまでも「固定した相手役」の場合の話です。

それぞれの作品で、明日海りおは異なる人物を造形してきました。
その際、相手役となる娘役は、作品ごとに変わりました。

『アリスの恋人』の愛希れいか。
『春の雪』の咲妃みゆ。
各種新人公演でも、 その回ごとに相手役ヒロインは入れ替わった事でしょう。
そして、それぞれとのパートナーシップは絶妙で、 陶酔と夢を運んでくれました。

『アーネスト・イン・ラブ』では、 花乃まりあと絶妙のコンビネーションを魅せてくれました。
グウェンドレンは花乃さんにぴったりの役柄で、 互いの魅力を引き出し合えた演目だったと思います。
現行の相手役とも、 作品によってはとてもマッチしていると思います。

明日海りおは作品ごとに、己を変化させます。
彼(彼女)は「作品を選ばない表現者」だと思います。

従来の「トップコンビ」という概念は、 明日海りおを生かすには幅が狭すぎる。
不自由な枷に見えます。

それならば、いっそ作品毎にヒロインを選考する。
そういう手法があっても良いのではないかと思います。

明日海りおの場合、相手役(娘役) は一夫多妻制を推奨します。

うん、絶対ありえませんが。
現行のシステムに乗ってる限り、ありえません。

第一、伝統的な宝塚を愛し、正統派の男役像を標榜する明日海さん自身が拒否される可能性大です。

それ以前に、提案する機会も可能性もありませんが。
仮に機会があっても、黙りこくってしまいそう。
ビビりなもので。

ただ、明日海りおという無限の可能性を秘めた表現者には、 既存の枠を当てはめ、 いたずらに消耗させるのは勿体ないと思うのです。

明日海りおは、宝塚歌劇団の貴重な財産… 経営的にいえば超稼ぎ頭…なのですから。


それにね、いい男(役)は独り占めしたらダメだよ。
明日海さんにも、独占禁止法を施行して良いと思います。
……なぁんてね♡(いえ、かなり本気っす)

…とはいえ、相手役がくるくる変わるのも、 それはそれで精神的に落ち着かない面もあるかもしれませんね。
一夫多妻制とはいえ、本妻的役割がいた方が良いかもしれません。

本妻とは、必ずしも正妻(第一夫人)を意味しないと考えます。

例えば、『源氏物語』では、桐壷帝(光源氏の父)の正妻(中宮) は、藤壺でした。
女御として入内するも、のちに中宮へと格上げされましたよね。

ですが、愛情バロメータで計った場合、 桐壷帝最愛の妻は桐壷更衣(源氏生母)だったと思います。
中宮・女御の下位にある更衣。
ですが、桐壷帝にとって、桐壺更衣こそが本命… 心情的に本妻だったかと。

思えば、藤壺は気の毒ですね。
夫からも、義理の息子からも、桐壺更衣の面影を求められて。
二番煎じ扱いめいた人生、という見方もできるかと。
切ないですね…。


さて、明日海さんの本妻(的役割を担うキーマン)には誰がふさわしいか?
それについて、更に考察してみたいと思います。

非現実的な事ばかり書き並べましたが、 それは私自身が一番よくわかっています。
……ははは。
一種のおとぎ話と捉えて頂ければ嬉しいです。(与太話かな?)



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