2023年11月17日(金)花組全国ツアーが始まりました。
演目は『激情-ホセとカルメン-』と『GRAND MIRAGE!』
主演…永久輝せあ(97期・研13)
ヒロイン…星空美咲(105期・研5)
二番手…凪七瑠海(89期・研21/専科)
花組34名に、専科の凪七瑠海を加えた総勢35名。
キャスト別感想つづき、まいります…が、その前に。
2010年星組版の柚希礼音&夢咲ねねは、上演時すでにトップコンビ。
ちえねねがトップ就任直前に組んだのは『ブエノスアイレスの風』でした。
記憶が混同してて、すみません。
教えて下さった花うさぎ様、ありがとうございました。
それでは、キャスト別感想のつづきです。
★凪七瑠海(専科89期・研21)
メリメ/ガルシア
メリメは作家
ガルシアはロマの頭領で、カルメンの夫
「八面六臂※」とは、かちゃのこと。
全国ツアー主演を務め上げた実績があるのに、下級生主演舞台で脇にも回れる。
柔軟性と包容力がある上級生さん。
雪組公演に出た時、雪組生を「うちの子」と呼び、「可愛い」と言ってた事を思い出します。
『壬生義士伝』の時と、『パッション・ダムール』の時。
『壬生』稽古場で、当時のトップ(望海風斗/89期・退団済)とそう話してたとか。
『パッション・ダムール』は雪組生を引き連れての主演バウ。
舞台挨拶で、下級生たちを愛おしそうにそんな風に呼んでたな、と。
2番手役の縣千(101期)を筆頭に、かちゃを慕う空気が充満。
花組は『蘭陵王』以来でしょうか?
…いや、『アウグストゥス』でしたね。
クレオパトラ様でしたよ…!
個人的に、かちゃがだんだん紫苑ゆう様に見えてきて仕方ないんですが。
指導者としての素質もあるだろうな、と感じています。
※八面六臂(はちめんろっぴ)…ひとりで多方面(or 数人前)の働きをしてのける事
★咲乃深音(101期・研9)
ミカエラ
貞淑なホセの婚約者
個人的に深音ちゃんの抜擢はうれしい限り。
もっともっと抜擢してほしい…!
芝居も歌唱もダンスもハイレベルで安定。
加えて、雰囲気に安心感があるんですね。
ホセに裏切られてなお、ホセ永久輝を案じるミカエラ。
ほんま、ミカエラと一緒になってれば…。
咲乃ミカエラは育ちの良さは勿論ですが、包容力があります。
聖母のように、罪や過ちもすべて受け容れる懐の深さ。
ほんま、ミカエラと一緒になってれば…。
聴き惚れる柔らかな美声。
台詞も歌唱も、うっとり…。
深音ボイスでCD出してくれないかな?
リラクゼーション効果抜群まちがいなし。
★娘役効果
今回の全国ツアー、娘役ワンツーは星空美咲と咲乃深音。
新公ヒロイン経験者・七彩はづき(107期・研3)も全ツメンバーですが、咲乃が取りました。
星空美咲と咲乃深音は、どちらも演技力・歌唱力が高い。
加えて、しっかり踊れます。
メインキャストの娘役のレベルが高いと、舞台全体が底上げされます。
また、ショーで歌手に選ばれた面々が、ことごとく歌うま。
ちゃんと歌えるメンバーが選出されています。
美風舞良(82期・研28)
湖春ひめ花(106期・研4)
花海 凛(108期・研2)
あおいさん(美風)はよく通る声で、安定の歌唱力。
湖春さんもよく声が響きます。
歌うまさんは、台詞の滑舌も良い傾向がありますね。
カンツォーネの場面で、コーラスに抜擢された面々は、
鈴美那なつき(102期・研8)
湖春ひめ花(106期・研4)
花海 凛(108期・研2)
カゲソロも歌姫を抜擢。
咲乃深音(101期・研9)
花海 凛(108期・研2)
全ツ最下級生ながら、歌手・コーラス・カゲソロと抜擢された花海凛。
花海さんは『うたかたの恋』終盤、龍季澪(101期)と影デュエットを披露。
世界観をより切なく、美しく歌い上げました。
歌える人を配置することで、本公演の半分以下の人数ながら、厚みのある舞台を創出。
歌は誰にでも上手下手がわかりやすいので、誤魔化しが効きません。
加えて、男役の声が「男」に聴こえるのは、娘役の発声のおかげ。
娘役が可憐なハイトーンボイスで歌うからこそ、男役のアルト発声でも対比して男声に聴こえます。
(リアル男声と比較すると、明らかに高いですからね…)
娘役の担う役割は大きい、と改めて実感。
…ちと不安なのは、退団前のねぎらい配役の可能性。
まさかと思いますが、『アルカンシェル』で退団とか…言わないでね?
深音ちゃん…!
★綺城ひか理(97期・研13)
エスカミリオ
スター闘牛士/カルメンの新しい恋人
飄々とした味わいの綺城エスカミリオ。
カルメン(星空美咲)を口説く姿は余裕綽々。
袖にされても「ははは、セニョリータ、また明日!」的な。
へこたれない…という以前に、本気にしてない感じ。
どんどん重くなるホセ(永久輝せあ)と対照的。
星空カルメンの選択基準は必ずしも「金」や「名声」ではない。
それが分かるやり取りでもありました。
後にカルメンは、エスカミリオを恋人に選びます。
彼も自分軸で生きている、と感じたからでしょう。
★帆純まひろ(99期・研11)
ダンカイレ
ロマの男/頭領不在の酒場を取り仕切る
いつもよりワイルド。
雰囲気も、メイクも、声も。
ジプシーゆえ、荒ぶった野性をイメージしたのかな。
ガルシア(凪七瑠海)に代わって、ロマをまとめるリーダー格ですし。
そして声の出し方、めちゃくちゃ練習した?
台詞も歌唱も、声の出し方がより男らしかったような。
とりわけ歌は、努力の跡が滲み出ていました。
『GRAND MIRAGE!』カンツォーネの場では、貴公子そのもの。
うっとりする美貌です、いつもながら。
★美風舞良(82期・研28)
フラスキータ
ロマの女
張りがあって、よく通る声。
声で「あおいさんだ」と分かります。
舞台役者は声が命であり、武器だと思います。
美風さんの声を聴くたび、改めて実感。
カルメンを気に掛けたり、面倒見よさそう。
あおいさん本人が重なります。
よっ、組長!
花 ⇒ 宙 ⇒ 花と二度の組替を経験。
花組は、組子の輸出入が比較的多い組。
宝塚では組替は、当人にとって大きなプレッシャー。
あおいさんは様々な立場の組子の気持ちがわかる組長さんかと。
★紫門ゆりや(91期・研19)
スニーガ
ホセの上司
花組副組長就任ありがとうございます!
宝塚GRAPH12月号で、柚香光が「ジェントル№1」に選んでました。
見るからに優しそうですよね。
そんなゆりちゃんですが、お芝居ではブラック系が増えてます。
月組『桜嵐記』の高師直は「誰?!」でした。
花組『冬霞の巴里』では物悲しく罪深い女役。
本作では、アカン系おっちゃん上官。
ゆりちゃんも月 ⇒ 専科 ⇒ 花と組替経験者。
新人公演主演経験者でもあります。
多彩な経験をもち、多くの組子に寄り添える管理職かと。
★一之瀬航季(100期・研10)
レメンダート
ロマの男
マイティ(水美舞斗)去りし後、花組で逞しい男子といえば一之瀬航季。
まぶしい笑顔もマイティ譲りですね。
『GRAND MIRAGE!』のシボネ―では、肩に星空美咲をのせて登場。
本公演で星風まどかを乗せてきた時も驚きましたが。
(娘役としては)身長高めの美咲ちゃんも…!
性別わからなくなってきた、こうなると。
「はなこ」は男女共通の名前になったのね。
★侑輝大弥(102期・研8)
モラレス
青年士官
軍服が似合う…!
顔も体型も、すっきり美形。
どんな衣装も似合いますね。
麻実れい様系統の正統派アダルト男役ビジュアルの大弥くん。
美形なのに、何かと控えめですよね。
多分、遠慮がちな人なんでしょうね。
新公も卒業したし、そろそろ前に出ても大丈夫かと。
★美里玲菜(104期・研6)
エステル
ロマの女
104期文化祭の時から、思っていました。
美人だな、と。
お姉さん(綺咲愛里)も可愛かった。
妹さんの方が大人びてますね。
花組104期は早々に、都姫ここ・美羽愛が上げられました。
愛蘭みこ・美里玲菜は影に隠れがち。
ですが本作では美里さん、活躍しています。
特に『GRAND MIRAGE』のトリプル・デュエダン。
永久輝せあ&星空美咲
綺城ひか理&美里玲菜
帆純まひろ&七彩はづき
改めて、美人だな…と思いました。
★美空真瑠(105期・研5)
ルシオ
ロマの男
ご当地出身者紹介では、元気よく「はい!」
おお、そらまる君だ!
よく通る声で、こちらも声でわかる系。
小柄だけど、何でも上手ですし。
本作では特段目立つ場はないものの、そらまる君がいると舞台の安心度が高まります。
★湖春ひめ花(106期・研4)
コンチータ
ロマの女
前も別の作品で、ジプシーを演じてましたよね。
その時は酒場の女将みたいな役で。
押し出しも良く、巧かった。
ロマは任せろ!ですね。
歌手に抜擢されたり、歌唱力も安定。
小粒でもピリッとした実力派。
音くり寿を思い出しがちです。
105期文化祭でバウホール改札前のカウンターにいた、当時予科生だった湖春さん。
当時から、意思の強そうな人だなと感じていました。
それは今も変わりません。
★花海 凛(108期・研2)
街の人とか、いろいろやってますね。
笑顔がキラキラ。
歌声もキラキラ。
もうすぐ冬だけど、敢えて言わせて下さい。
ひまわり娘と。
『GRAND MIRAGE』ではカゲソロ、コーラス、歌手と歌で多く起用。
澄んだ歌声に心洗われます。
踊るとカッコイイ系なんですよね。
腕や足がまっすぐ伸び、肩が入って、キレキレ。
ヒロイン声に男前ダンスのギャップがたまりません。
それでは皆さん、気を付けて行ってらっしゃい!
▽ 健康第一!