Quantcast
Channel: シエスタの庭
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2993

花組 ME and MY GIRL 新人公演(宝塚)を観ての感想

$
0
0

本日、花組新人公演を観劇してまいりました。

比べるものではないでしょうけれど、雪組『るろうに剣心』新人公演は「もう一つの本公演」という感じでした。
個々も、全体も、完成度がとても高く、本役(原作キャラ)への寄せ方も半端なかった。

ひるがえって、花組ミーマイ新人公演は、まさに新人公演。
下級生が懸命にがんばってる感が初々しい。
粗削りながら、懸命に独自の役作りをしています。

少ない人数で熱量を上げ、ランベスウォークは本公演に負けない盛り上がり。
コーラスとダンスは、本公演に負けず劣らずのレベルだったと思います。
また、娘役の層の厚さ・レベルの高さが印象に残りました。

それでは、個別の感想を。
上から目線になりがちで、申し訳なく思いつつ…。

新人公演ミーマイ

★優波 慧(一幕のビル)

長の期・96期の首席さん。
そつなくビルを演じていたと思います。
瀬奈じゅんビルに近い役作りを感じました、なんとなく。
ソファに置いた帽子を前転して被るハットトリックは成功。
嬉しそうでした。(拍手も湧きました)
他の帽子芸は……ごまかし方で笑いをとれたので、ビルとしてOKでは?
難しいんですね、ハットトリック。
食堂でサリーと歌い踊るシーンは、歌も踊りもとても良かったです。
城妃美伶とのコンビネーションもバッチリ。
課題は、男役としての声の創り方かと思います。
よく通る良質の声ですが、高めなんですね。

下級生から話が逸れますが、姿勢や所作など、改めて明日海ビルの演技の細やかさがわかりました。
明日海ビルがいかに不自然な状態で動いたり、歩いたりし、それが演技としては美しく自然だったのか…と、優波ビルや綺城ビルと比較して、改めて気づくという。
(優波・綺城ビルが不足なのではなく、明日海ビルがとんでもなく緻密なのね…)
新公で役を演じる人は、どうしても本役と比較されるから、辛いところですね。


★綺城ひか理(二幕のビル)

顔立ちが貴族的ですね。
ダンスが上手で、幻想シーンの踊りは優美さとキレの良さを兼ね備えていました。
サリー(音くり寿)を抱き上げるのも軽々、とても高い位置で持ち上げてました。
発声・滑舌ともに良く、台詞が聞き取りやすいです。
リンゴを腕で滑らせては投げ上げてキャッチする技、大成功。
器用なんですね。
ジョン卿へのキスは、手の添え方や顔の寄せ方に品と色香があり、ドキッとしました。
課題は、歌唱でしょうか。


★城妃美伶(一幕のサリー)

娘役力の高い人だなぁ、と改めて実感。
優波ビルは単独で登場した時点より、美伶ちゃんと絡み始めてからの方が硬さも取れ、輝き始めました。
美伶ちゃんの「相手役を輝かせる娘役パワー」ゆえだと、私は感じました。
高く愛らしい声から落ち着いた声まで、心地良い発声ができる人。
台詞でも歌でも、声の高低や色合いを使い分けていました。
舞台で誰かを演じるうち、どんどん魅力を増していき、可愛く見えてくる不思議。
容姿も、表現力も、こだま愛サリーを連想しました。


★音くり寿(二幕のサリー)

歌唱力……圧巻。
現時点で、花組の歌姫上位に名を連ねるのは間違いないでしょう。
滑舌が良く、台詞も非常に聴き取りやすい。
声だけで、あらゆる感情の動きも表現できそうです。
演技、ダンスともに文句なしでした。
惜しむらくは、幼く見える容姿でしょうか。
技術レベルは卓越していますので、メイク技術でカバーできたら、無敵になりそう。


★帆純まひろ(ジャッキー)

私の目当ては、この方でした。
美貌のジャッキーで、華やか。
ただ、やや女装感があったかな?
これは男役としては喜ぶべきこと。
華という点では、花組の新公メンバーでトップだったかもしれません。
トップに登れたやん、ジャッキー?
ダンスはダイナミック、脚バリバリ上がってました。
アルトの声が良く通り、台詞も聴き取りやすい。
努力項目は歌唱。
ですが、「トップへ登るわ」と歌いながら、息切れなし。
途切れず、歌い切りました。
体力と肺活量、すごいんじゃ…?
本公演で軽々、娘役を片手リフトしてるだけあるよ。
ビルに迫る時も、大胆に胸を触らせたり、脚を出したり、ガンガン進撃。
ソファに寝転んでビルを誘う姿はセクシーでした。
歌はどんな姿勢でも、音程やブレスは安定。
ベースはあるので、発声方法を練習・研究していけば、歌唱力も伸びるかと。
(台詞の発声はバッチリ、聴き取りやすい)
ジェラルドが指輪を見せる時は客席側を向き、指輪を見てなかった帆純ジャッキー。
キラキラ輝く指輪を一瞥するや、サッと手を差し伸べ、早よはめろと言わんばかり。
ここだけピックアップすると、がっついてる肉食獣ジャッキーですね。(褒めてます)
カーテンコール1回目は、普通にお辞儀した帆純くん。(男役挨拶)
こんなところにも、染みついた男役のサガを感じました。
2回目は膝を折っての娘役お辞儀でした。


★聖乃あすか(ジェラルド)

上品でハンサムな貴族の青年そのものでした。
ナチュラルにジェラルドでした。
東京では、ジャッキーを演じるんですよね。
ジャッキーもとても似合いそうな予感。


★春妃うらら(一幕のマリア公爵夫人)

美しく気高い貴婦人でした。
姿勢・発声・佇まいが端正で、毅然としたマリア叔母様。
うららちゃんは若紫の印象が強いのですが、マリア叔母様のような大人の女性も似合ってました。


★乙羽映見(二幕のマリア公爵夫人)

歌が上手な方ですね。
図書室で「貴族には義務がある」と朗々と響かせる歌声が印象に残っています。
終盤、ビルとサリーを見つめる顔は口が半開きに。
目は優しげになっても、口元はきりりと引き結んだ方がマリア叔母様らしいのでは?…と思いました。


★矢吹世奈(パーチェスター)

お屋敷の弁護士さん。
鳳Pちゃんとも柚香光くんとも異なるパーチェスターでした。
どちらかといえば、鳳真由パーチェスター寄りかな?
ランベスウォークでは最初の方から踊りたくて興味津々な感じが可愛らしい。
カッキンカッキンお堅い感じのオリジナルダンスがキュート。
折角パーチェスターを演じられるので、さらに弾けても良いかも?


★亜蓮冬馬(一幕のジョン卿)

一幕はジョン卿の見せ場は少なめながら、渋いおじさまを過不足なく演じ切っていました。


★飛龍つかさ(二幕のジョン卿)

ランベスへサリーを訪ねたり、「世界は回る」など、二幕はジョン卿の見せ場が多いですね。
ビル・サリー・マリア、それぞれとの絡みで、落ち着いた面とお茶目な面を見せてくれました。


★澄月美音(ヘザーセット)

天真みちるのヘザーセットと同じく、冷静で渋い執事。
無表情のまま、笑いもとってました。
たそのヘザーセットをかなり再現してたと思います。
本役さんの再現率という点では、間違いなく一番でした。


とりいそぎ以上。
新人公演って楽しいですね。
またぜひ観たいと思いました。



にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村 ヾ(^-^)ありがとうございます(^-^)/'


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2993

Trending Articles