5月8日(日)12時~ シアタードラマシティにて、宙組・真風涼帆主演『ヴァンパイア・サクセション』を観てきました。
以下の感想は、ネタバレを大いに含みます。
脚本はコメディの皮を被せつつ、死生観がベースにあり、結構シリアス。
死生観について語ると長くなりそうなので、ここでは割愛します。
後日あらためて語るかもしれないし、語らないかもしれません。
私自身のスタンスは昔からわりと明確ですが、そこは別に求められてないかな…と。
宝塚から、真風さんから、話題が離れてしまうでしょうし。
…という訳で、まずは演者についての感想を。
演者の皆さん、素晴らしかったです。
主演・真風涼帆……かっこよかった……!
誰にも押し負けない存在感。
センターに立つ姿は「似合う」を通り越して、もはや自然の域に達してました。
共演者をリードする包容力も充実。
特に絡みが多い娘役・伶美うららや星風まどかへの優しい表情が印象的でした。
699年の長い時を生きてきた、シドニー・アルカード。
かつての仇敵・ヘルシング教授の子孫(愛月ひかる)は唯一、彼の正体を知る友人。
愛月ヘルシングは作家。
真風アルカードは、彼にネタを提供しています。
真風の話は、歴史の真実。
読者に受け、大ヒット。
愛ちゃんは、人気作家の名をほしいままに。
真風的には己が見聞きしてきた事を話すだけなので、気軽に引き受けている様子。
むしろ愛ちゃんのおかげで、まともなアパートに住めて感謝しています。
真風アルカードは、謙虚で控えめ。
血は吸わず、キリスト教から無宗教へ変わったので十字架も恐れない。
むしろ、人助けをする心優しいヴァンパイア。
さりげなく博多座組ネタや、エリザベートネタ、歌劇ネタ(…は和希そらの台詞にて)を投入する遊び心も Good でした。
愛月ひかるとのイケメン並びも、目に麗しく。
改めて、宙組のワンツースリーのシルエットに惚れぼれ。
男役として理想的な面々だなぁ…と実感しました。
(ワンの人は不在でしたが、その男前な存在感を感じさせるアドリブがさらりと)
真風&愛月の友情を、これでもかと見せてくれる場面がいくつかあります。
例えば、陽に当たりすぎ、弱ってきた真風アルカード。
彼を介抱する愛月ヘルシング。
具体的には、日焼け止めクリームを塗ってあげたり。
これが、愛ちゃんが真風を顎クイして、キスしてるように見えるんですね。
通りすがりの女の子達に「イケメンなのにもったいな~い」と誤解される二人。
誤解に気づき、硬い笑顔で女の子達に手を振る真風と愛ちゃん。
「きゃあ♡」と女の子達は喜びますが、誤解は解けぬまま。
日焼け止めだけじゃなく、他にも誤解ネタが用意されてました。
BLネタは、宙組の鉄板ネタになりつつありますね。
リアル男子より男前が揃ってますし、確かにうっとりもの。
真風くんと愛ちゃんの場合、双方とも長身で骨格しっかり系。
まさにイケメン同士のせめぎあい。
ご馳走様でした。
娘役陣では、伶美うららが最も印象的でした。
死神の派遣社員・カーミラ。
「死神にも派遣が?」と驚くアルカードに、死神のシステムを説明する段階で、黄泉の帝王トート閣下ネタ投入。
ガチャガチャ派手なファッションも着こなし、むしろ魅力的に見せる伶美カーミラ。
真風アルカードとの並び・絡み・デュエットもバッチリ。
本当にお似合いでした。
伶美うららは芝居力と華があるから、ストレートプレイなら問題なし。
ミュージカルも、キーさえ合っていれば大丈夫でしょう。
キャラクターとしても、役者としても、娘役キャストのベスト・パフォーマーだと思います。
ヒロイン・ルーシー役の星風まどか。
歌も芝居も達者で、堂々としていました。
真風アルカードと並ぶと、小ささが際立ちました。
可憐でしっかり者のルーシー役、自分のものにしていたと思います。
脇を固める、他のキャスト陣もそれぞれ達者でした。
頼もしいですね、宙組さん。
話は変わりますが、TCAのカメラが入ってました。
中央通路の上手・下手に分かれて作業してて。
なるほど、あんな風に撮影してるのか~と。
機器類の明かり漏れは、前面には配慮されてます。
…が、カメラマンはディスプレイを見ながら操作。
ディスプレイには、舞台アングルが映ります。
アップ・引きなど、見え方を確認しながら録画してるんですね。
興味深いけれど、そういう作業の数々が分かるくらい明るい。
前方(舞台側)への明かり漏れは配慮されてましたが、後方客席へは配慮不足。
幕間、劇場スタッフに「撮影作業の明かり漏れが観劇を妨げる」と善処を希望するも、変わりなく。
映像が残るのは、嬉しいことです。
ですが、観劇の邪魔をしては本末転倒。
TCAさん、今後の善処をよろしくご考慮ねがいます。
(…と、ここで書いても仕方ないのですが)
(なので、昼休みにお電話したら、丁寧に対応して頂けました)
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宙組『ヴァンパイア・サクセション』観劇感想
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