花組『ME and MY GIRL』のキャスト別感想・Aパターンです。
ネタバレありなので、知りたくない方はご注意下さい。
ウィリアム(ビル/下町育ちの青年)……明日海りお
サリー(ビルの恋人、下町娘)…… 花乃まりあ
★役替わりAパターン
マリア公爵夫人(ビルの叔母、相続執行者)……桜咲彩花
ジョン卿(マリアの友人、相続執行者)……芹香斗亜
ジャッキー(マリアの姪、ジェラルドの婚約者)……柚香 光
ジェラルド(マリアの甥、ジャッキーの婚約者)……水美舞斗
パーチェスター(ヘアフォード家の弁護士)……鳳 真由
今回、ミーマイAパターンは、同期カップルが二組登場します。
ジョン卿とマリア公爵夫人の93期カップル。
ジェラルドとジャッキーの95期カップル。
同期同士は心理的・物理的距離が近く、照れるのでは?
いろんな意味で近しい分、「惹かれあう二人」を演じるのは、めっっっちゃ照れそうです。
…と思いきや、予想より自然で好い感じ。
ジョン卿とマリアは、若い93期生が老け役に挑戦。
期待以上のハマり具合。
照れを乗り越え、よくぞ…!
お二人とも、落ち着いた佇まいで素敵でした。
ちゃんと、ビルより年上に見えてました。
芹香ジョン卿は、回を追う毎にダンディに。
ロマンスグレイのおじ様を体現。
桜咲マリア叔母は、ミーマイきってのコメディエンヌ的役どころ。
紳士教育で、パーティでのおもてなしの見本を見せる様子など圧巻ですね。
マリア叔母の真似をするビルと二人して、真剣に想像上のパーティホストを演じてて。
ここ、見所です。
期待以上の要素をもう一つ。
桜咲さんの歌、予想よりずっと安定してて、上手でした。
お芝居での発声も、桜咲さんは聴き取りやすい。
低めの落ち着いた声はもちろん。
パーティホステスの見本として、高い作り声を出す時も。
実は私、高く裏返る声が苦手でして。
どんなに良い娘役さんでも、そんな発声だけは苦手です。
ところが、桜咲さんは高く裏返る声を出す時でも、耳に優しくて。
『戦国BASARA』かすが役から、気になる娘役さんではありました。
上杉謙信(明日海りお)への忠誠心の厚さや決めポーズなど、印象的でした。
かつての上司と部下が、いまや叔母と甥なんですね。
ジョン卿とマリア公爵夫人。
二人とも最初は、ビルとサリーに厳しい目を向けますが、徐々に軟化。
ジョン卿は水面下で、サリーの力になろうと申し出ます。
マリア叔母も、ビルを甥として深く愛するように。
年長者の懐の深さを感じさせる演技がすばらしいお二人です。
胸に沁みるんですよね…。
95期の二人はナチュラルに楽しそうで、さすが95期。
只者じゃないというか。
おそろしくお似合いで、本当につきあっても不思議じゃないナチュラル感。
柚香光ちゃんの豪胆さ・奔放さ。
水美舞斗くんの繊細さ・誠実さ。
役柄とみごとにマッチしてます。
ジェラルドは良い人って訳じゃなく、単なるヘタレ。
ですが、マイティが演じると良い人に見えてくる水美マジック。
93期と95期の同期コンビの配役(Aパターン)がDVD化されるのでしょうか。
できればBパターンと比較して、より観客に支持された方を選んでほしいなと個人的には思っています。
現時点でAパターン、なかなか素晴らしいです。
同期コンビ2組は言うまでもなく。
鳳真由さんの弁護士パーチェスターは、予想を超える魅力を発揮してますし。
難点があるとすれば……柚香ジャッキーの歌唱でしょうか。
個人的にジャッキーは Key Person だと思っていますので、目を瞑れません。
願わくば、妥協してほしくないですね…。
ブルーレイなら、10,800円もする物ですし。
DVD用の収録は、東京公演まで延ばすとか?
……無理ですよね。
Bパターンを観てからの判断ですが、なんとも。
(おそらく9割方、DVDはAパターンだろうと予測しつつ)
少なくともジャッキーに関しては、鳳月杏さんの方が技術面は安定していそう。
(誰もがそう予想してる事でしょう)
柚香ジャッキーはとても魅力的なので、あとは歌だけ。
歌だけなんだけどなぁ…。
なかなか高いハードルですね…。
歌唱は、稽古を積んだからといって、すぐに結果として反映されるとは限りません。
芸術や芸事の分野は、デリケートというか……なんとも言い難く。
なかなか壁を越えられず、一番ジレンマに苦しんでるのは、本人でしょうね…。
……と去年の今頃、似たような事を考えていた気がします。
イメージぴったりなのに、歌唱だけがネック…という。
……『王家に捧ぐ歌』のアムネリス(伶美うらら)ですね。
伶美アムネリスの美貌と存在感たるや、素晴らしかった。
声質自体は良いので、キーさえ合えば…と思っていました。
キーを下げ、歌いやすく工夫してあげられなかったのか、と残念です。
柚香ジャッキーについても、上達を待つ以前に、本人に歌いやすいようアレンジできるなら、それもアリだと思うんですね。
伶美アムネリスや、柚香ジャッキーに限らず、誰が演じるどのキャストに関しても言える事ですが。
その登場人物のソロナンバーなら、大元のメロディさえ変えなければ、音程や音域の工夫を考慮して頂ければ…と。
原曲に合わせた苦しい発声状態より、より聴きやすい発声の方が、演者も観客もハッピーだと思います。
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同期萌えのAパターン(ME and MY GIRL)
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