GWが終わり、日常が戻ってきました。
曇り空とひんやり気温で、落ち着いた気候の近畿圏です。
ちょっと雑談シリーズ。
気になる娘役さんについて語ります。
学年ごとに整理してみました。
研究科の学年は、2022年5月9日時点のもの。
★103期(研6)
2017年、雪組『幕末太陽傳/Dramatic “S”!』で初舞台。
KAZUMI BOY先生の振付で、私は個人的に最も好きな初舞台ロケット。
103期は分水嶺。
103期を境にそれ以前と以後で、新公ヒロインに選ばれた人財に顕著な違いがあらわれます。
それは『歌唱力』
とはいえ、103期以降も歌が苦手な娘役も抜擢されています。
そういう傾向・風潮が強まったかな、と。
ただ、以前に比べて「歌える娘役」を抜擢する比率が高まったと思います。
★CEOのお言葉
角和夫氏(宝塚音楽学校理事長/阪急阪神グループCEO)は110期入学式で「歌唱力の重視」を明言。
「芝居やダンスも大切だが、最も大切なのは歌唱力」と。
音楽学校生にそう話した…ということは。
「宝塚歌劇団は今後、歌唱力を重視していきます」という宣言に等しいかと。
…もっと早くから言ってほしかっ……という気持ちもありつつ。
ありがとうございます。
個人的にうれしい発言です。
歌唱力を軽視した抜擢が多い…と感じてきたので。
ただ、「ある程度以上の歌唱力は最低限必要」と、「そこそこ歌えれば良い」と取れるニュアンスも含まれていたかと。
「歌上手やないとアカン」と切って捨てないところが、宝塚の優しさ。
実際たしかに、「歌は弱いけれど魅力的」なスターも多くいますしね。
舞台技術一辺倒では、宝塚観劇の魅力が失われる恐れもあります。
宝塚観劇の魅力の一つ。
それは「成長する姿を見守る」こと。
これは特に本拠地組に根強く残る感覚かと。
正直、「どんな基準で生徒を抜擢しているんだろう?」と首をひねるケースも少なくない宝塚。
その中で、数少ない「有無をいわせぬ説得力」を持つのが「圧倒的なスター性」と「高い歌唱力」
スター性は感じ方に個人差があるかもしれません。
よほど強烈でない限り。
歌唱力は誰にでも伝わりやすい資質。
角氏もそう仰っていました。
★ヒロインと成績
103期から選ばれたヒロインは、現時点で3名。
夢白あや(宙⇒雪)
白河りり(月)
瑠璃花夏(星)
103期は研5試験を受け、宝塚歌劇団での最終成績結果が出ました。
我々には組内での成績しか判らないので、総合順位は不明です。
瑠璃花夏は入団成績2番。
研5試験結果は星組首席。
音校時代から優等生でいらしたのでしょう。
夢白さんは入団成績4番。
研5試験結果は雪組内で4番。
最終学年では大幅に順位を下げました。
舞台実績を積んできたので、痛手はなさそう(憶測)
白河さんは入団成績19番。
研5試験結果は月組首席。
研1試験で月組首席になって以来、首位キープ。
103期の末っ子(中卒3/31生まれ)頑張りました。
最終成績結果は、公式サイトの『スター』欄の序列で判ります。
それでは3名のヒロイン達に加え、気になる娘役さんについて触れていきます。
★夢白あや(宙⇒雪)
103期のトップランナー夢白さん。
2017初秋、研1で『神々の土地』新公ヒロイン格(本役:伶美うらら)に抜擢。
新公・本公演とも役付が良く、別箱ヒロインや娘2にも抜擢。
歌は苦手ながら、大人びた艶っぽい演技は玄人の域。
トップ娘役の有力候やろな…とみなす宝塚ファン多し。(2022年5月現在)
★白河りり(月)
2019秋、研3で『I AM FROM AUSTRIA』新公ヒロイン抜擢。
難易度が高い海外ミュージカルの楽曲を歌い上げた歌姫。
評論家から「本公演でも通用する」等、高い評価を受けました。
2022年『今夜、ロマンス劇場で』では、きよら羽龍の急な休演で、新公と本公演の代役に。
新公・本公演とも白河自身の役は変更(=玉突き代役)なし。
本公演に加え、新公でも完成度の高い代演を披露しました。
★瑠璃花夏(星)
2021秋、研5で『柳生忍法帖』新公ヒロイン抜擢。
歌う場面も、主演との絡みも少ない作品でのヒロイン。
せっかくの歌唱力を充分に披露しきれなかった気がします。
ぜひ頭角をあらわして頂きたい、星の歌姫候補。
★花束ゆめ(雪)
入団成績首席。
可愛らしく、おっとりした風情かと。
雪組は一期上の潤花が新公ヒロイン独占の煽りを受けたかもしれません。
★羽音みか(月)
入団成績3番。
月組の新人公演では、役付が良い羽音さん。
すらり高身長なため、見つけやすい娘役さん。
花組の芹尚英(101期)は兄(姉)
★星咲希(星)
『めぐり会いは再び next generation』新公で、ティア(本役:有沙瞳)に抜擢。
大劇場での新公上演中止が惜しまれます。
宙組の希良々うみ(100期)は姉。
★有愛きい(宙)
『シャーロック・ホームズ』新公にて、メアリー・モースタン(本役:天彩峰里)に抜擢。
明朗な風情と滑舌が印象的。
歌唱は高音でやや苦戦するも、ワトスン(優希しおん)とのデュエットは滑らかでHappy。
雪組の一禾あお(102期)は双子の弟(妹)
★栞菜ひまり(宙)
『NEVER SAY GOODBYE』新公で、テレサ(本役:水音志保)を好演。
テレサは二番手の恋人役で、出番も多くて重要で目立つお役。
本役同様、恋人を深く愛しながら、気丈に戦線へ送り出すテレサを熱演。
★莉奈くるみ(雪)
『パッション・ダムール』でりなくるの歌声を確認。
綺麗な声ですが、緊張で震えてました。
場数を踏めば、雪組の歌を強化できるメンバーになりそう。
『CITY HUNTER』のナビゲーション・システムのお姉さん(声のみ)はセクシー。
アナウンサーか声優か?ってなプロっぽさを感じました。
★姉妹ジェンヌ
こうして見ると、兄弟姉妹ジェンヌが多いですね。
103期には他にも、
天咲礼愛(雪)-----天愛るりあ(月102期)
亜音有星(宙)-----蒼舞咲歩(星99期)
亜音くんは男役ですが、ここでは加えてみました。
★コロナの煽り
新人公演で主要キャストに抜擢されやすい学年は研4あたりかと。
103期は研4の年にコロナ禍の煽りを食らい、新公ストップ。
研5の途中から、少しずつ復活。
新公が再開した途端、特に娘役の抜擢は下級生へシフト。
娘役にとって不運な学年かもしれません。
ただ、役を振れば、必ず応えるのが103期。
期待以上の成果を上げる人員が揃っているかと。
★研1で大抜擢
夢白あやといえば、早期抜擢。
研1で『神々の土地』新公ヒロイン格に抜擢されました。
当時、トップ娘役は空席だった宙組。
イリナ(伶美うらら)が実質的ヒロインでした。
新公で、そのイリナ役に大抜擢。
大人の貴婦人役という高いハードルに挑んだ夢白さん。
出来はともかく、舞台度胸は伝わってきました。)
★娘役版・風間柚乃
急な代演に応えた白河りり。
娘役版・風間柚乃かと思いました。
路線娘役のきよら羽龍は、本公演・新公ともに役が振られてましたしね。
きよら羽龍は 1/22(土)15:30公演から休演。
翌1/23(日)に正式な休演と代役発表。
1/25(火)が新人公演でした。
土日は一日二回公演だし、本公演と新公とも白河さんが代演決定。
お稽古時間…あったの?!
本公演で3役(看護師、アイドル、妖怪の歌姫)
新公では2役(大女優、妖怪歌姫)+多くの場で多様な役をこなしました。
代役は…控えめに言っても、急な代打と思えぬクオリティ。
パンチの効いた歌声(妖怪歌姫)、艶っぽい大女優っぷり(萩京子)
こういう「出来る生徒」は便利使いせず、相応の抜擢で報いてほしいと願っています。
★103期生の行方
顔ぶれを見ると、コツコツ真面目なイメージ。
歌唱力はじめ、安定した舞台技術の持ち主が多数。
チャンスさえ与えれば、期待に応えるメンバーが揃っていそう。
★ヒロイン+エトワール実績
新公ヒロイン(3名)
宙2017 夢白あや(神々の土地/瑠風輝)※ヒロイン格
宙2018 夢白あや(異人たちのルネサンス/瑠風輝)
宙2019 夢白あや(オーシャンズ11/鷹翔千空)
月2019 白河りり(I AM FROM AUSTRIA/英かおと)
星2021 瑠璃花夏(柳生忍法帖/天飛華音)
バウヒロイン(1名)
宙2019 夢白あや(リッツホテルくらいに大きなダイヤモンド/瑠風輝)
雪2022 夢白あや(Sweet Little Rock 'n' Roll/縣千)
東上ヒロイン(1名)
雪2022 夢白あや(心中・恋の大和路/和希そら)
エトワール(1名)
月2020 白河りり(赤と黒/御園座)
月2021 白河りり(幽霊刑事/バウホール)
月2022 白河りり(今夜、ロマンス劇場で/大劇場)※
※トリプル・エトワール(風間柚乃、白河りり、きよら羽龍)
こうして整理すると、夢白さんは入団直後から劇団猛プッシュ。
いや、知ってたけど。
そして、白河さんは歌唱力を買われている事がわかります。
大劇場での単独エトワールが待たれます。
103期生の活躍を祈っていますよ~!
∇こつこつ103期