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雪組新公『夢介千両みやげ』観劇感想①生駒怜子、縣千、華純沙那

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2022年4月12日(火)雪組・新人公演『夢介千両みやげ』を宝塚大劇場にて観劇して参りました。

 

今回は101期(研8)が長の期を務める、最初で最後の新人公演。

 

本来は研7で務める新公・長の期。

ところが、コロナ禍で新公がストップ。

『CITY HUNTER』新公では、100期が研8で長の期を務めましたゆえ。

 

101期には超路線スター・縣千がいますしね。

本来なら、長の期を2回くらい経験させたかった事でしょう。

 

…という訳で、雪組101期これがラスト新公『夢介千両みやげ』感想です。

 

曖昧な記憶に基づきますので、科白などはニュアンスです。

 

 

★生駒怜子

 

新人公演の演出担当。

星組『食聖ーGOD OF STARSー』以来の登板でしょうか?

 

生駒先生はコメディの「クスッと感」を上手に引き出されます。

自然にふわ〜っと面白くて楽しい空気感を創り上げる演出家さん、という印象。

 

『食聖』のとき己が書いた生駒先生の感想を読み返したら、印象が重なりました。

そうそうそう!そんな感じ!と。

 

本筋は、本公演の演出に忠実です。

 

…が、新公学年の生徒の持ち味を生かすと申しますか。

一人一人の生徒の個性と魅力が映えていました。

 

縣千は、かなり自由にアドリブを許容されていた感触が。

小芝居もしまくってましたね、縣くん。

マイクに入らない小声で、一禾あおや華世京に話しかけてましたなぁ。

 

夢白あやの芸者役がまた達者で。

ほんまもんの玄人さんかと思いますやん。

細かな表情芝居など、夢白オリジナル?

 

…と、そんな風に一人一人が楽しんで、己の個性を伸ばしていた感がありました。

 

生徒を通して、演出家の個性を感じます。

生駒先生は(良い意味で)生徒を舞台で遊ばせる余裕を持たせる方なのかな?と思いました。

 

 

★縣千(101期・研8)

 

夢介(小田原の庄屋の跡取り息子)

本役:彩風咲奈(93期・研16)

 

三度目の新公主演おめでとうございます。

2021秋から、新公(CITY HUNTER、夢介)、バウホール(Sweet Little Rock 'n' Roll)と立て続けの主演。

快進撃ですね。

 

夢介は似合うだろうと思ってましたが、予想以上に役とフィットしていました。

 

のんびり牛さんキャラですが、ところどころキリッとカッコ良くて。

落差にドキッとさせられました。

 

台詞の声は、本役さんよりやや高め。

滑舌は良く、爽やか。

歌唱は本人比、頑張っていたと思います。

 

五明楼で酔っ払い、総太郎(華世京)のツケまで払わされる場面にて。

 

「そうですか、そりゃあいけねえ」

と言う時、声が急に大きくなったり、裏返りかけたり。

リアルに酔っ払いの話し方。

 

「これも道楽修業!」と帯を勢いよくポン!と叩く縣だべ介。

ほんま純朴。

 

芸者さん一人一人に腰低く挨拶したり。

大工さんが帰りがけに履物をうまく履けず焦っていたら、夢介として「大丈夫ですか?」と声をかけて場を繋いだり。

江戸の町でもどこでも、とりあえず隣にいる人に話しかけ、自然な風情を演出したり。

素朴で人懐っこい夢介さん。

 

お銀姐さんがついてなければ、生き馬の目を抜く江戸で、あっ!という間に身ぐるみ剥がされそう。

 

ほんま可愛いんだから。

(いつぞやの歌劇『組レポ』の愛すみれ姐さんに共感)

 

縣くんはセンターが似合いますね。

背を向けて立ってるだけでも存在感が半端ない。

振り向いた瞬間の高揚感。

スターだなぁ…!

 

「お手を拝借」では、劇場の一体感がすごかった。

力強い拍手は、客席も一糸乱れず。

縣千の求心力を実感しました。

 

カーテンコールでは、長の期のご挨拶は、雪組101期首席の縣くん。

主演挨拶も縣くん。

 

瞳を潤ませながらも、しっかりオリジナリティ溢れるご挨拶でした。

 

「お手を拝借」では、客席から真っ直ぐ飛んでくる気持ちが嬉しかったそうな。

 

「一日だけの新人公演」を「とても有難く貴重」だとも。

 

それは観せて頂いてる方もそうですよ、縣くん。

ほんまありがとう。

貴重な一夜限りの新人公演を観せてもろて。

 

「多くの方々が関わって下さって初めて、舞台を創り上げる事ができる」

 

…というような事も話していました。

深い感謝を込めて。

 

今回、縣くんは「東京でも頑張る」といった事は口にしませんでした。

 

東京公演が後に控えている公演では、ほぼ必ず、「まだ東京がある」「東京でも頑張る」等と仰います。

 

ですが、東京公演について触れない事で「一度きりの機会」に賭ける覚悟を、更に強く感じました。

 

それに観客は多くの場合、その公演地限りの方が多いでしょうし。

今でこそ配信もあるものの。

 

覚悟と配慮を感じるご挨拶でした。

 

春の暖かさと、人の温もりを重ねるような言い回しもしてたかな。

 

これから春が来るたび、縣くんの涙をグッと堪えつつ、終始瞳を潤ませる姿を思い出すかもしれません。

 

新公プログラムの中の写真(縣千と華純沙那のツーショット)の縣くんが激しくカッコ可愛かった事もお伝えしておきます。

 

プログラムには、相手役への思いも綴られています。

 

「相手役の華純ちゃんとはこれから色々と話しつつ、お銀は夢介を母親のようにお世話してくれますので、しっかりと引っ張ってもらいます!」

 

おいおーい!

縣くんがリードするんやないの?!

 

…とツッコミ待ちのコメントと承っておく。

縣くんも関西人だものね。

 

縣くんは「お客様の集中力をすごく感じた」と話してました。

客席で、私もそれは感じました。

私自身が集中してました。

夢介さんはじめ、雪組生に見せてもらったドリームタイムでした。

 

それにしてもホント、縣くんの挨拶に成長を実感して感無量。

 

心に沁み入るお芝居、そしてご挨拶でした。

 

 

★華純沙那(106期・研3)

 

お銀(おらんだお銀の異名をもつ女スリ)

本役:朝月希和(96期・研13)

 

初ヒロインおめでとうございます。

キャスト発表時はまだ研2、大抜擢といえましょう。

 

縣千主演バウ『Sweet Little Rock 'n' Roll』では眞ノ宮るい(100期・研9)の相手役を務めた華純さん。

実質2幕のヒロインでもありました。

今回は縣くんとタッグを組みました。

 

小柄で可愛らしい華純さん。

公式プロフィールで160cmとある身長、おそらく実寸150cm台かと。

小柄な男役さんも多いし、ニーズは多そう。

 

オープニングは緊張で声が裏返ったりしてましたが、すぐ持ち直しました。

 

滑舌が良く、ポーンと通る声。

マイクもあるとはいえ、役者向きの声ですね。

お銀が歌う楽曲は、地声で歌えるものばかりなので、歌唱力は測りにくい。

 

歌唱といえば、本公演のショーで彩風咲奈ソロの場の影コーラス(愛空みなみ、華純沙那)を担当。

ソロの箇所もあり、とても綺麗な歌声。

なので、一体どちらの声だろう?との謎が解けました。

愛空みなみの声ですね。

 

あぁ〜スッキリした!

あの美声がどちらか、確認したくて。

そうか、そうか、愛空さんでしたか。

 

愛空みなみは女中や芸者として様々な場に出演していました。

みなみちゃんの美声は生かすべき。

 

華純さんも良く通る声です。

台詞が聴き取りやすいし、可愛いけれどアニメ声ではないし。

でも、声優さんにもなれそうな声質です。

 

浜次(夢白あや)と対峙した時は、迫力に圧倒されていました。

そこはキャリアの差。

初ヒロインながら、堂々とした舞台姿でした。

 

カーテンコールで挨拶する縣くんの背をずっと穏やかに微笑んで見守っている姿は、姉か母のよう。

お銀姐さんはいずれ、夢介さんを尻に敷くかもしれませんね。

 

∇縣千ラスト新公だべ。

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