2022年3月25日(金)27日(日)花組『冬霞の巴里』を観劇。
身も心も震えてきました。
永久輝せあ、星空美咲、聖乃あすか、飛龍つかさに続き、キャスト別感想。
ネタバレも含まれますので、まだ知りたくない方は読まれない方がいいかも。
★咲乃深音(101期・研7)
エリーニュス・ティーシポネー。
復讐の女神の一人「殺戮の復讐者」
白地に血飛沫が飛び散った衣装をまとい、様々な場に現れます。
開演してまもなく、咲乃深音の歌声から物語は始まります。
なんと澄み切った深い音色か。
まさに名は体を現す。
おどろおどろしいメイクと存在感を醸し出すティーシポネー。
ビジュアルと裏腹に、清澄な歌声。
いつしか、その存在を天使と錯覚しそうなくらい。
宝塚大劇場・花組公演の開演2~3分前アナウンスは咲乃深音だと思います。
桜咲彩花から、2019年にバトンタッチして以来。
美声の持ち主のアナウンスは心地良い…♡
月組の白河りり然り。
素晴らしい歌唱。
咲乃深音の価値をもっと知ってほしい…聴いてほしい。
改めて、そう思いました。
★希波らいと(103期・研5)
オクターヴ(永久輝せあ)の異父弟・ミッシェル。
まだ学生ですが、早くも可愛い婚約者が♡
オクターヴやアンブルを兄姉と慕っています。
人を信じるところから始められる純粋な青年。
能天気なボンボンではなく、誠実で真面目です。
オクターヴがそうで在りたかった姿を体現。
現在のオクターヴは、決して望んでいる姿ではない…と印象付ける役割を担っています。
オクターヴの苦悩を映す鏡が、ミッシェルなんですね…。
らいと君が演じるミッシェルは、育ちの良さ、人柄の良さが滲み出まくっています。
ミッシェルを見ていると、この両親は決して悪人ではないのでは…と思えてきます。
こんなに良い子に育ったんですもの。
ギョーム(飛龍つかさ)とクロエ(紫門ゆりや)は子育て成功しましたね。
ミッシェル希波もソロ歌唱の場がありました。
初日は手に汗握り、「…これからや、頑張って」
3日目は初日より歌いこなれ、本人比の成長を感じました。
人の成長をまざまざと聴かせて頂きました。
★愛蘭みこ(104期・研4)
ミッシェルの婚約者・エルミーヌ。
無邪気で心優しい令嬢。
街角で見かけたオクターヴ。
元気のない彼に声を掛け、お散歩と称して元気づけたり。
オクターヴにとって、ミッシェルとエルミーヌは羨望の塊でしょう。
ミッシェルは真っ直ぐ育ち、相思相愛の婚約者もいます。
エルミーヌと過ごすオクターヴは刹那、楽しそうでした。
ですが、別れ際に我に返ると切なそうな表情に。
己はミッシェルのようにはなれない。
そして、ミッシェルとエルミーヌのような関係にはなれない。
そんな現実を改めて突きつけられたからでしょうか。
ミッシェルとエルミーヌが善意の塊だから、余計始末に負えないと申しますか……残酷ですね。
彼らは全く悪くないだけに、辛くて苦しいことでしょう。
希波ミッシェルと愛蘭エルミーヌは本作の良心であり、残酷な天使。
永久輝オクターヴ(と美咲アンブル)の孤独と葛藤を映す鏡です。
そんな天真爛漫な残酷な天使を、愛らしく体現した愛蘭さん。
ソロ歌唱も聴かせてくれました。
綺麗な声で、高音もよく伸びます。
花組104期娘役で、最もヒロイン向きのような気がします。
歌声といい、ビジュアルといい、演技力も。
同じ期から新公ヒロインを3人も出す可能性は低いので、難しいでしょうけれど。
つくづく惜しい人財だと感じました。
∇良き人財がザックザク