2022年3月19日(土)宝塚大劇場で開幕した雪組『夢介千両みやげ/Sensational!』キャスト別感想つづき。
大躍進の若手編。
★縣千(101期・研7)Agata Sen
【夢介千両みやげ】
縣ファンまたは「縣くんが気になる」人は必見。
ただ、「縣君はわりと好きだけど、気楽に観ていたい」なら、今作の縣は奨められない。
まぜるな危険。
ドッカン来るかもしれません。
主役やメインキャストを食ったりしないけど、存在感がすごい。
縣自身も存在感のカタマリですが、役も想像通りでした。
配役発表では「金の字:遊び人。斎藤兄弟の剣術修業に同行」
でもね、日本に生まれ育ち、時代劇をみた事があれば、「遠山の金さん」が浮かぶよね。
今の縣に、ただのフラフラ野郎を振るわけがない。
金の字の時は、髷をわざと斜めにした青天がいかにも遊び人っぽい。
崩れた感はなく、育ちが良さそうで豪快な兄さん。
着流しも似合ってました。
遠山左衛門尉景元になるや、髷も真っ直ぐ。
長裃に肩衣半袴。
時代劇で目にする、身分が高い武士のポピュラーな礼装。
片肌脱ぎはなかったけど、お白州で「最後まで聞きやがれ!」と名裁き。
落ち着いた低音で、初めて聴く発声 of 縣でした。
個人的に縣千史上暫定1位のイケメンボイス。
(私の中の基準ですが)
(比較対象は、過去~現在の縣ボイス)
初日は正直びっくり。
「…どんだけ研究したんだろ?」とホロリ。
縣くん、地声が高いですしね。
海坊主(CITY HUNTER)もビジュアル完璧で声だけ惜しかったので。
男役声を作り込む努力を感じました。
金の字として歌う場面あり。
モプシー(ほんものの魔法使)的な、明るく歌い上げる感じ。
声量アップし、伸びやかに歌っていました。
焦らず、基本(腹式呼吸、喉の開き方など)をしっかり学び、着実に成長していかれますように。
私の『縣ソロ基準』は、彼が研2で歌った『僕は怖い』
当時から比較すれば、劇的に成長してます。
【Sensational!】
縣ファンまたは「縣くんが気になる」人は超必見。
そして、混ぜるな危険案件でもあります。
「縣君はわりと好きだけど、気軽に観てたいんだ~」なら、オススメしません。
今後どんどん「混ぜるな危険」度は上がっていくやろね。
特にショーでは。
初舞台から、2階席最後列からオペラなしで判る男役・縣千。
(月組『1979』を当日券2階17列で観たので、事実だったりする)
本作もオペラを外し、フォーメーションを堪能したけど、君の動きは追えたよ。
探さなくても目に飛び込んでくるものね。
「バウ主演もしたし、きっと場を一つ任されるに相違ない」
誰もがそう予想したことでしょう。
第2章 Sensational Rhythm
『喜び アフリカン』
アフロビート:縣千
…え? アフロ?
月組さん?!(違)
可愛いフラミンゴ(娘役陣)を従え、歌い踊るアフロビート(縣千)
歌は発展途上ですが、音は外してなかったかと。
声が出るようになったなぁ、縣くん。
もともと体幹しっかりしてるしね。
フラミンゴちゃん達が可愛かった~♡
その中でも、縣くんと組んで踊っていたのが野々花ひまり(99期・研9)
ジェインとモプシーのデュエダン♡
(どんだけ好きなん、『ほんものの魔法使』)
…で、次の場は一転して、洗練された都会・ニューヨークが舞台。
雪組生ほぼ総出の勢いのスーツ群舞。
本舞台の奥に階段がついた大きなセットが組まれていて。
そこを扉のように押し開け、トップ(彩風咲奈)さん登場。
N.Y.群舞の中程で、モーゼの十戒の如く、組子たちが上手側と下手側に移動。
潮が引いて道が出来たような状態で、咲ちゃんが前方センターへ。
その背後で、本舞台奥のセットを押し開け、縣千登場。
センター前方で踊る咲ちゃんと同じ振付で、シンクロ・ダンス。
凪七瑠海主演『パッション・ダムール』でも、類似の流れを目にしました。
直前の縣ソロ場面があったゆえ、遅れてスーツ群舞に参加したんですね。
その際、背後のセットから現れ、かちゃ(凪七)とシンクロダンス。
…すごいな、縣。
いずれ布だけフライングとか、大階段落ちとかしそう。
(それは堂本光一くんの十八番やがな)
中詰の総踊りでも、縣が上手端で歌い、雪組生全員が踊るとか。
内心びっくりしました。
音も外さず、落ち着いて歌い切りました。
道楽修業ならぬ、歌唱修業ですね。
大丈夫、きみの努力を見守っているよ。
苦手意識に囚われず、のびのびと。
縣千セーショナルを巻き起こして下さい。
★華世京(106期・研2)Kase Kyo
【夢介千両みやげ】
岡っ引きの走助。
この役、公式HPの「主な配役」には見当たりません。
プログラムにはしっかり「走助」と役名が。
すごいんだぜ、走助くん。
最初から最後まで出現率が高く、台詞もあるし、ソロまで歌っちゃう。
短いソロですが、ソロはソロ。
軽快に歌ってました。
「走助」という役がナチュラル・フィット。
お芝居も歌も安定感があり、軽快です。
メインキャスト陣とも、うまいこと絡めてました。
例えば三太(和希そら)が夢介(彩風咲奈)にすった財布をなすりつけた場面。
駆けつけた走助が、夢介をしょっ引くという具合。
誤解が解け、走助が伊勢屋まで夢介を案内したり。
HPに名前がなかったと思えぬほど、大活躍の岡っ引き・走助です。
【Sensational!】
ごめんね、ショーではあまり見つけられなくて。
大階段の黒燕尾にも参加してたんですね。
107期まで男役総動員なのかぁ。
(プログラムを見つつ確認)
Wトリオを務めてたことは押さえてます。
琴峰紗あら(105期)と華純沙那(106期)に囲まれて。
かせきょー君は何でも出来る子なのかな?
安定感があります。
まとまっちゃうには早いので、巧くやろうとしなくていいよ。
成長を見守る楽しみが、宝塚の醍醐味なので。
個人的に、108期生の配属が気になります。
歌唱力の豊作期なので、大いなる戦力アップになるはず。
∇千セーショナルルル♪