★花組107期の休演
花組107期生、2人目の休演者が発表されました。
瀬七波いろ(全日程休演)に続き、
静乃めぐみ(11月11日~千秋楽)
この千秋楽は「宝塚千秋楽」と解釈して良いのでしょうか。
それとも、東京千秋楽?
わざと曖昧にしているのかもしれません。
「体調不良」が理由ですが、長期の療養を要することが心配です。
どうか焦らず、ご無理せず、ゆっくりじっくり心身を休めて下さい。
★107期の組配属おさらい
107期生の組配属発表は2021年7月20日。
宙組『シャーロック。ホームズ』宝塚新人公演の日でした。
各組の組子として出演スタートは下記の通り。
◆ 東京宝塚劇場公演
1)宙組『シャーロック・ホームズ』
2021年8月21日〜9月26日
2)雪組『CITY HUNTER』
2021年10月2日〜11月14日
以上の2組は新公出演はないものと推測しています。
◆ 宝塚大劇場
3)星組『柳生忍法帖』
2021年9月18日~11月1日
4)花組『元禄バロックロック』
2021年11月6日~12月13日
5)月組『今夜ロマンス劇場で』
2022年1月1日~1月31日
宝塚大劇場からスタートの3組は、新人公演に出演。
(ただし、中卒組を除く)
★ここから先は…
ここから先は、わたくしことシエスタの憶測の世界です。
事実も含まれるものの、「シエスタの主観」というフィルターがかかっています。
あくまでも一個人の「仮定」や「想像」と捉えて下さい。
どうぞよろしくお願い致します。
★クイズ
さて、ここで問題です。
花組新公学年だけ、他組と異なる事があります。
それは何でしょうか?
わかりました?
気がつきましたね?
花組は新公学年内に、新公主演経験者がいないのです
それでは、本作の新人公演主演者と、共演者のうち新公主演経験者を確認してみましょう。
宙組『シャーロック・ホームズ』
亜音有星(103期)本作主演(初)
鷹翔千空(101期)経験者
※長の期:101期
雪組『CITY HUNTER』
縣千(101期)本作主演(2回目)
彩海せら(102期)経験者
※長の期:100期
星組『柳生忍法帖』
天飛華音(102期)本作主演(2回目)
碧海さりお(101期)経験者
※長の期:101期
月組『今夜、ロマンス劇場で』
本作主演者:未定
礼華はる(101期)経験者
※長の期:101期
花組『元禄バロックロック』
希波らいと(103期)本作主演(初)
新公主演経験者なし
※長の期:101期
花組は、新公学年に新公主演の経験者不在。
さらに、101期(長の期)に新公メインキャスト経験者も不在。
長の期は、新人公演のまとめ役です。
新公学年(研1~7)の中で、経験値や知識がおおむね最も高い(と思われる)立場です。
コロナ禍の影響で、雪組は100期(研8)まで出演、長の期を務めました。
100期に新公主演者はいません。
…が、主演の縣千(101期)は2度目の主演。
彩海せら(102期)も新公主演経験者です。
月組も『桜嵐記』は100期(研8)まで新公出演、長の期を務めました。
107期生の配属前なので、敢えて記載しませんでしたが。
新公経験者の風間柚乃(100期)が、初主演の礼華はる(101期)をサポート。
★たくさんの決まりと「当たり前」
宝塚歌劇団は細かい決まりや手順が多い世界。
その細則の数々は、部外者には知る由もありません。
とはいえ、一組80名の大所帯を運営する上で、様々なルールが存在する事は確かでしょう。
音楽学校時代は、入団後を踏まえ、様々なことを学びます。
それは歌やダンスのみならず、入団後のスタンスや過ごし方も含むと思います。
音楽学校では近年、お掃除の分担制度が廃止されました。
毎朝お掃除をする場所の前任(本科生)を「分担さん」と呼び、担当者(予科生)は一年間、指導を仰ぎます。
一般社会でいうところの「チューター」でしょうか。
ただ、この制度には問題も散見した為、ある時期から廃止されました。
その時期は明確にされていません。
ただ、2020年9月時点でメディアで「すでに廃止済」と公表されました。
2020年は107期生が本科生だった年です。
分担制度のほかにも、様々なルールが改定されているようです。
音楽学校はそうでも、劇団には「旧ルール」で育ってきた生徒が圧倒的多数。
改定前のルールが「普通」で「当たり前」です。
107期生にとって戸惑うことが出てくるかもしれません。
宝塚は細かい決まりごとが多い世界。
そして、「暗黙知」も多い世界でしょう。
暗黙知とは、暗黙の了解。
わざわざ口に出さずとも知れ渡っているルールや感覚。
しかし、それも変動していく…伝わらない事が出てくるかもしれませんね。
★新公にもきっと…
おそらく、新人公演の主演もまた、経験者にしか知り得ない「暗黙知」や決まり事もありそうですね。
宝塚は主演からモブまで、それぞれの立場で一人一人が役割を全うすることで成立します。
主演がえらいわけでもなく。
群衆も群舞の一人一人が欠かせない存在です。
実際、宝塚の定番やお楽しみは、大階段の群舞やロケット、パレードなど、ソロでは不可能なことが多いですよね。
ただ、主演やメインキャストが知る事になる何かは、経験者でなければ判らないかもしれません。
コロナ禍で稽古時間が減り、上級生に教えを乞う機会や時間も限られる今、新公学年内に主演や二番手役の経験者がいない事は、大きな痛手なのでは?
花組だけ107期生が続けて休演(怪我ではなく体調不良)となった事と関係があるのか、ないのか。
それは外部の私たちには伺い知れないことです。
ただ、「重要な役割の経験者不在」や「コロナ禍による影響」といった要素は無視できないように思います。
入団したばかりの107期生にとって、上の学年より更に厳しい状況かもしれませんね。
★補完システム
「星組は新公主演経験者がいるから、107期に休演者が出なかった」という仮説を立てる考えはありません。
ただ、様々な立場の知識・経験・視点が、長の期には必要でしょう。
長の期に欠けた要素は、同じ新公学年内で補完できる人がサポートすればいい。
…ですが、現時点の「花組新公学年」には、経験者もおらず、補完システムも作用せず。
長の期がどのように皆をまとめ、運営しているのか、気掛かりです。
(私が気を揉むのはお門違いと思いつつ…)
★音楽学校だけじゃ無効
学校で教わった「正しさ」が、職場では通じるとは限りません。
それは長らく、社会人にとって「当たり前のこと」でした。
ただ、学校で習った事が無効になるなら、何の為に教育機関は存在しているのでしょう?
様々な矛盾を孕むことは世の常ですが、「そういうものだ」で済ませていられない時代になってきました。
もしも音楽学校の改定が意味あるものならば、劇団にも浸透させた方がいいでしょう。
逆に、やめてみたけれど、劇団という組織にとって必要だったと思えるなら、復活させれば良いでしょう。
世の中には、そこだけの決まり「ローカル・ルール」が存在します。
その存在は往々にして、善悪や正誤ではなく「必要性」が基準になっています。
宝塚歌劇団という組織にとって必要か、どうか。
それは宝塚歌劇団が決めることです。
何かを変えるとき、混乱はつきもの。
一時的な混乱なのか、それとも判断ミスが生じているのか。
俯瞰した視点で、落ち着いて判断されますように。
そして、107期生に限らず、生徒さん達の心身のご健康を願ってやみません。
∇ 健康のご回復をお祈りします