2021年4月17日(土)22時から日本テレビ系ドラマ『コントが始まる』がスタート。
メインキャストは、お笑いコントトリオ・マクベス(菅田将暉、神木隆之介、仲野太賀)と、彼らを応援する同世代のウェイトレス(有村架純)…という認識でいいのかな?
勢いだけで突っ走りづらくなる、20代後半。
メインキャストはいわゆる定職に就かず、人生を模索中。
高校卒業後アルバイトしつつ売れない芸人として活動中だったり。(菅田将暉、神木隆之介、仲野太賀)
そこそこ有名な会社を何らかのトラブルで辞め、ファミレスでアルバイト中だったり。(有村架純)
菅田将暉たちは芸人としての収入だけでは生活できないから、別口の仕事もしていますが、職業は芸人。
毎週新ネタを創るなど、マジメに精進を継続。
客入りはともかくコントライブも行ない、合否はともかくオーディションにも参加。
まっすぐ芸の道を邁進中。
有村架純は正社員でこそないけれど、マジメに働いてるし、生活も成立してる。
「定職に就く」というと、「正社員として勤務する」と直結しがち。
…ですが、もっと幅広く「働き方」が認識されるといいのにな。
ただ、堅実な生活を良し、とする考え方もわかります。
そういう人が大半だからこそ、今の日本の繁栄はある訳ですしね。
20代後半は「見切りをつける」時期とされがちな年代かもしれません。
まだ他の道も選べる選択肢が、比較的豊富に残されている印象がありますしね。
いまや100歳まで生きる(かもしれない)時代ですから、人生前半戦のさらに前半ターム。
とはいえ、夢は若者の専売特許とは限りません。
夢を追いかける楽しみを、老後にとっておいた人もいます。
有名どころでいえば、伊能忠敬がそうですね。
日本中を測量して廻り、当時としては精度が高い日本地図を作った人です。
婿入り先の家業を継ぎ、妻を看取り、成人した息子に家督を譲ったのが49歳の時。
人生50年の時代に、隠居してから 19歳下の師に暦学や天文学を学びました。
月組『出島小宇宙戦争』で、光月るうさんが演じた役は、伊能忠敬がモデルでしたね。
若い方が可能性が豊富なのは確か。
ただ、「選択肢が広い」という事は、それだけ「迷いを引き出す」かもしれません。
そう考えると、選択肢が少ないと、「照準を定めやすい」というメリットに繋がる…という視点に気づけます。
20代後半の彼らが迷い、葛藤するのは、「選べるから」かもしれませんね。
そんな彼らより少し上の世代が、ファミレス店長の恩田光代(明日海りお)
恩田さんは30代半ば位の設定なのかな?
麻雀のプロを目指す女性。
第一話では冒頭、ほんの一瞬しか光代店長は映りません。
爽やかな笑顔を、有村架純ちゃんに向けていました。
「予想外に仕事が長続きしている」と架純ちゃんを褒めてましたね。
光代店長のことは、これから色々と明かされていくのでしょう。
彼女はずっと夢を追いかけているのか?
それとも、一旦諦めたものの、復活した夢なのか?
あるいは、歳を重ねてから出会った新たな夢なのか?
なかなか興味深いところ。
歳を重ね、選択肢が減り、人生の残り時間が少なくなること。
それは必ずしもデメリットばかりではありません。
選択肢が狭まるからこそ、迷いが軽減し、自由になれる面もあります。
残り時間が少ないほど、「今」という基準に立ちやすくなります。
『コントが始まる』の登場人物たちは皆(光代店長も含めて)、まだまだ若い。
様々な可能性があるから、迷い、悩む。
それはとても苦しくて、同時に幸せな事かもしれません。
それに年代に関わりなく、迷い悩むことは共通していたりもしますね。
青春群像劇ですが、もう青春という世代ではなくても、生きる痛みが伝わってくるというか。
何が正解か?
どうしたら、幸せになれる?
そんな事を自問自答しながら、惑い続けるのは若者の特権ではありません。
年代を問わず、迷う人は迷うし、迷いのない人もいるし。
私にとって、映像の中で芸能人が演じる青春や人間模様は、別世界でした。
『コントが始まる』も冷静に考えれば、すでに一定の地位を確立したスター俳優たちが演じている訳です。
幼い頃から「遠い別世界」としてドラマや映画を眺めていた私ですが、それでも時々、夢中になれる物語や、印象に残る世界観との出会いがありました。
架空の物語に対して、あれこれ気を揉む効用って何でしょうね?
ツクリモノの世界だからこそ、重ね合わせたり、比べたり、突き放したりしながら、見つめる事ができるからでしょうか。
何より直視しづらいですからね。
自分自身のことは。
生きる事は、選択の連続です。
何時に起きるか?
何を食べるか?
どんな服を着るか?
どの車両に乗るか?
決断の積み重ねが、今に繋がっているんですね。
「決断」はラテン語で、『ドラマ』というそうな。
▽生きる事がドラマなのか。