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新人公演おすすめ7選(2016~2020)

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各組の新人公演について振り返っていたら、いろいろ思い出します。
私が新公を観るようになったのは、ここ数年ですが。
 
5年(実質は4年+2020年は2ヶ月)間で、27作の新人公演を観劇できました。
 
転売チケットを一切使わず、これだけ観られた事は奇跡に近いと改めて感謝。
 
宝塚友の会の抽選申込に協力してくれた友人たち
「チケットあるよ」と声を掛けて下さった方々
定価以下限定チケット掲示板(おけぴ)
 
あらためて、感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
 
さて、私自身が観劇できた作品をざっと並べてみました。
 
上演年は宝塚大劇場ベース。
私自身、ほとんど本拠地での観劇です。
 
 
2016年(3作)
雪組『るろうに剣心』
花組『ME AND MY GIRL』
雪組『私立探偵ケイレブ・ハント』
 
2017年(6作)
星組『THE SCARLET PIMPERNEL』
雪組『幕末太陽傳』
花組『邪馬台国の風』
宙組『神々の土地』
星組『ベルリン、わが愛』
雪組『ひかりふる路』
 
2018年(9作)
花組『ポーの一族』
月組『カンパニー』
宙組『天は赤い河のほとり』
星組『Another World』
雪組『凱旋門』
花組『MESSIAH』
月組『エリザベート』
宙組『異人たちのルネサンス』
雪組『ファントム』
※2018年10月、星組 台湾公演
 
2019年(7作)
花組『CASANOVA』
月組『夢現無双』
宙組『異人たちのルネサンス』
雪組『壬生義士伝』
星組『GOD OF STARS-食聖-』
花組『A Fairy Tale-青い薔薇の精-』
月組『I AM FROM AUSTRIA』
 
2020年(2作)
雪組『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』
星組『眩耀の谷』
 
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花組『はいからさんが通る』
月組『ピガール狂騒曲』
 
…は新公キャスト(全配役)が決定していたものの、新型コロナ禍で上演中止に。
 
『はいからさんが通る』は宝塚大劇場にて、無観客状態で上演したそうです。
 
宝塚GRAPH3月号(2021/02/20発売)の100期生コーナーで、一之瀬航季が語っています。
 
「通し舞台稽古と、お客様はいないけど本番をさせてもらった時に、気持ちとしては本番なのに客席が赤いというのが、すごく不思議な感覚だった」
 
この無観客新人公演を、LIVE配信してほしかった…!
 
資料映像は残しているでしょうから、今からでも配信して下さい、劇団さん!
 
ニーズは絶対あると思います。
 
新人公演は、巧拙より、勢いや熱量に圧倒されたい。
 
本公演は、約3ヶ月の長丁場を同じテンションやレベルを保つため、仮に勢いに任せて見えても、緻密な計算や調整が働いているはず。
 
本拠地と東京、それぞれ1回こっきりの新人公演。
 
同じ演目を掛けていても、全く異なる作品に見えてくるから不思議です。
 
本音をいえば、観ることが叶った新公作品すべてがベスト1です。
 
スカイステージで放映される機会があれば、ぜひご覧になってみて下さい。
 
私が今まで観た新人公演で、特にインパクトが強かった作品を7作に絞って紹介します。
 
ランキング形式にしてますが、「思い出す比率が高く、鮮明な印象が残っている」ことが基準。
順位は、「私の脳内再生率の高さ」と言い換えるべきかも。
 
 
7位 月組『エリザベート』(2018)
 
暁千星のトート閣下の霞がかかったような美しさ。
春の宵闇に浮かぶ桜のような。
 
シシィに対する切ない想いと、異形の存在感が同居していました。
闇に溶けるような立ち姿が忘れられません。
 
美園さくらは王妃や大女優といった役がよく似合いますね。
押し出しが良く、華やかで、場を支配する女王。
 
美園シシィは歌唱力も高く、『エリザベート』の世界に没入させてくれました。
難曲を難曲と感じさせない力の持ち主ですね。
 
 
6位 花組『ME AND MY GIRL』(2016)
 
巧拙でいえば、キャストの出来ばえがバラバラで、決して上手とは言い難かった新公作品。
一人一人の頑張りは伝わってくるけれど、何ともちぐはぐ。
そんな未熟さが「THE 新人公演」という感じで、良かったです。
 
主演コンビは2組(優波慧&城妃美伶/綺城ひか理&音くり寿)が1幕・2幕を分け合う形。
主演コンビはお稽古の成果もあり、歌・ダンス・演技など上手でした。
 
優波慧のタップダンス(小道具を使ったトリックも上手)
城妃美伶の華やぎ(こだま愛に近いサリー)
音くり寿の歌唱(特に銀橋を渡りながらの『顎で受けなさい』は圧巻)
綺城ひか理のトレンチコート姿(立ってるだけでカッコイイ)
 
個人的にツボだったのは、ジャッキー(帆純まひろ)のお辞儀。
 
カーテンコールで出演者全員がお辞儀をしますよね。
膝を折り、腰をおろす娘役の中でひとり、ジャッキー帆純は立ったまま頭を下げていて。
そう、ドレス姿で男役挨拶をしてたんです。
 
二度目のカテコでは娘役挨拶になっていましたが。
その無意識っぷりが「男役なんだなぁ」と。
 
帆純まひろと聖乃あすかがジャッキーとジェラルドを、宝塚と東京で役替り。
聖乃ジャッキーはどんな風だったのかな。
 
 
5位 雪組『ファントム』(2018)
 
これまた、本公演(主演コンビ)の歌唱力が突き抜けていた作品。
 
新公メインキャストで歌が巧いと思えたのは、カルロッタ(羽織夕夏)くらい?
現在、歌ウマに成長した彩海せらも、この時点では発展途上でした。
 
手に汗握って臨んだ観劇でしたが、良い意味で予想が外れてくれました。
 
美しい世界観が繰り広げられ、胸に迫る佳作に仕上がっていました。
 
エリック(綾凰華)の繊細な美青年っぷり。
エリックは醜い設定ですが、宝塚のエリックは美の権化のイメージがありますね。
 
そして、キャリエール(縣千)の包容力。
 
銀橋でのエリック綾とキャリエール縣のデュエットは、予想を遥かに超えてくれました。
あやなちゃんも縣くんも歌は苦手な筈なのに、とても感動的で…。
 
無理なく親子に見えた組合せでもありました。
(2~3年ほどあやなちゃんが上ですね)
 
クリスティーヌ(野々花ひまり)の無垢な可憐さ。
カルロッタ(羽織夕夏)の圧と歌唱力。
シャンドン伯爵(彩海せら)の爽やかな好青年ぶり。
 
…などなど、それぞれの配役が予想以上の好演をみせた『ファントム』でした。
 
 
4位 星組『Another World』(2018)
 
「え? なんで礼真琴が新人公演に出てるの?!」
 
…徳三郎(天飛華音)が登場し、キツネにつままれた状態でした。
 
視覚・聴覚など全神経を集中して、天飛華音を摂取した1時間半となりました。
 
既存の生徒と似ている事は、注目されるキッカケになりますが、比較対象にされやすく、決して得とは限りません。
 
天飛華音は本役を完全トレース。
礼真琴を完全トレースなんて、したくても出来る事じゃありません。
それだけでも充分すごいこと。
 
天飛華音は徳三郎役を通して、自身のポテンシャルを知らしめました。
ですが、礼真琴のコピーではありません。
その後の舞台作品で、自身で証明しています。
 
ただ、ある一点に於いては、礼真琴を踏襲しているかと。
 
いずれ宝塚歌劇を牽引するであろう「期待の星」という点は、まこっちゃんと一緒ですね。
 
主演の天華えま&星蘭ひとみは、本公演の主演コンビに負けず劣らずの美男美女っぷり。
美貌と華やぎも、宝塚歌劇の必須要素です。
 
 
3位 雪組『壬生義士伝』(2019)
 
吉村貫一郎は家族を養うため、新撰組で出稼ぎする男。
それを可愛くてキュートなあみちゃんが?
 
新公キャスト発表の時点で、ギャップが凄すぎて。
どうなるの、これ?…と期待していいんだか、気を揉んでいいんだか。
 
対照的に、しづ・みよ(彩みちる)、土方歳三(縣千)は想像するだにハマりそう。
 
彩みちるは高い演技力で、糟糠の妻しづと商家の娘みよを演じ分けました。
 
縣千は、幕末の美男子№1・土方歳三を、絵に描いたように体現。
 
…で、彩海せらの吉村貫一郎ですが。
 
一見して弱っちそうで、腰も低いのに、剣を構えてからのギャップ。
ところどころで見せる、家族への想い。
特に自刃の直前まで、家族への仕送りを数える姿。
 
家族を背負った大人の男性を、その時点で可能な精一杯で演じ切りました。
 
特に家族への切々たる想いは胸に迫り、思い出すたび涙腺がゆるみます…。
 
彩海せらのギャップは驚きでしたし、演技も歌も予想より上手かった。
それだけでも充分、見応えはありました。
 
ですが、それ以上に胸を打たれ、「良いものに触れた」という思いが強く残っています。
 
 
2位 花組『MESSIAH』(2018)
 
まず、二番手役・南蛮絵師のリノを演じた、一之瀬航希。
銀橋をわたりながら、朗々と歌うのですが。
 
一之瀬リノの登場と共に、客席が海になり、波にたゆたう錯覚に見舞われました。
本公演でも、めったに感じることのない感覚をおぼえました。
 
一言でいえば、「大劇場全体を包み込む包容力」
 
そんな一之瀬くんが『はいからさんが通る』で新公主演に選ばれて、嬉しかった。
奇しくも、本役さんはリノと同じく柚香光。
 
れいちゃんとは持ち味が異なる、はなこちゃん(一之瀬)
柚香リノと異なる魅力の一之瀬リノを創ったように、素敵な少尉を演じてくれたはず。
一之瀬少尉…観たかった…!
 
『MESSIAH』に話を戻すと、新公主演は聖乃あすか。
明日海りおの役を最も多く新公で演じた下級生です。
 
ほのかちゃん(聖乃)といえば、霞がかかった美貌。
柔和で優しげな印象でした……が。
 
MESSIAHの聖乃あすかは別人でした。
 
特に最終決戦で敵陣に挑む目ヂカラの強さは、文字通り「鬼気迫る」もの。
 
本人は「明日海さんは四郎が改心後は隈取をとられてますが、私は最後まで隈取をつけたままだったので」と謙遜していました。
 
隈取があったから、より効果的に迫力を伝えられたかもしれません。
でも、それ以上に、ほのかちゃんの意気込みありきだったと思います。
バウホール公演『PRINCE OF ROSES』での姿を観て、あらためて確信しました。
 
舞空瞳も、芯の強さと愛らしさを兼ね備えたヒロインを好演。
 
観劇後も長く余韻が残る舞台でした。
 
 
1位 月組『I AM FROM AUSTRIA』(2019)
 
難曲ぞろいの海外ミュージカル。
それを「もう一つの本公演」レベルにまで押し上げた新人公演。
 
新公は巧拙じゃないと思いますが、ここまで上手いと褒めるしかない。
 
 
主演の英かおと(ジョージ)の爽やか好青年っぷり。
明るい陽の気を発していることも、本役(珠城りょう)に通じます。
育ちの良さ、フレンドリーさなど、技術だけでは難しい空気感を自然と醸し出していました。
 
うーちゃん(英)は、素直でよく伸びる歌声の持ち主。
本当に楽しそうに歌うんですよね。
滑舌も良く、台詞が聴き取りやすいことも、メインキャストとして大事なポイント。
 
 
二番手の礼華はる(リチャード)の肚黒マネージャーっぷり。
マネージャーより俳優になった方が成功しそうな男前。
本役(月城かなと)と一緒…!
 
『ピガール狂騒曲』では、新公主役に選ばれましたが、新公は上演中止に。
配役発表もありましたが、お稽古もなくなった可能性大。
そうなると、『はいからさん』のように無観客上演もできなかったかと。
 
ぱるのジャンヌはともかく、ヴィクトールはめっちゃハマったでしょうね。
ジャンヌも美人だろうけど、シャルルより大きい可能性もあるので。
それはそれで、見応えありそう。
 
大きな子の可愛らしさ、いじらしさってツボります。
珠城ジャンヌがそうだものね。
 
 
ヒロインの白河りり(エマ)は声質が美しく、滑舌良し。
歌唱力はおそらく宝塚でもトップクラス。
真彩希帆の卒業後、数少ない歌うま路線娘役として活躍が期待されます。
 
また、『赤と黒』では、宝塚髄一の美形・月城かなとと組んで踊りましたが、お似合いでした。
月城と同じく、クラシカルな正統派娘役の白河。
基本的な持ち味が合うのでしょうね。
 
月城に限らず、どんな男役と組んでも、相手をかっこよく魅せる白河の娘役力。
隣に並んだ男役(女性)を、より男性的に見えるよう引き立てるチカラ。
 
これは娘役として、重要な資質。
近年は個性を主張する娘役が目立ち、抜擢されやすい中、希少価値になりつつあるかも。
 
その上、歌唱力がべらぼうに高いのですから、いまや絶滅危惧種。
しかと捕獲しておきなされ、劇団様。
 
 
風間柚乃は、女役のエルフィーに挑戦。(本役:光月るう)
狂言回しの役回りですが、さすがの上手さ。
他キャストと台詞が被った折も、とっさのアドリブ対応。
風間柚乃がまだ新公学年ということは、宝塚七不思議かも…。
 
女役といえば、娘役に転向したばかりの蘭世惠翔も歌・演技・ダンスとも達者。
大人の女性役がハマっていました。
 
彩音星凪のドジっ子キャラは、クールな美顔とのギャップが良き。
蘭尚樹のマッチョキャラとは、カテコ時点でかなりLove。
本公演組(暁千星&風間柚乃)と違い、あっという間にくっつきましたね。
本公演組さんは3ヶ月かけて愛を育んだ模様…。
 
舞台技術の高さが目立つ舞台でした。
同時に、モブの一人一人に至るまでの熱量の高さもすごかった。
 
主演コンビが全キャストをリードし、全員でタッグを組み、更なる高みへと向かったハイレベルな舞台でした。
 
2幕物だったので、いろいろと端折らねばならなかった本作。
 
その穴を埋めるべく、新公演出担当(町田菜花)と主演コンビでアイディアを出し合い、本公演と異なる味付けもしたそうな。
(新公ステージトークより)
 
『I AM FROM AUSTRIA』は、本日2/20(土)放映。
13:30~新公ステージトーク
14:00~新人公演
 
これが2月最後の放映回。
観られる方はどうぞ。
 
それでは、おあとがよろしいようで。
 
 
▽私は電波障害で観られませぬ…(>_<+))

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