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雪組『fff』キャスト別感想③彩彩コンビ(彩風咲奈、彩凪翔)

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雪組『fff』キャスト別感想です。
 
ネタバレありますので、知りたくない方はご注意ください。
 
今日のお題は「彩彩」
 
彩凪翔(92期・研15)と彩風咲奈(93期・研14)です。
 
長らく「彩彩」と親しまれてきた二人のラストステージとなった『fff』と『シルクロード』
 
『fff』でも、『シルクロード』でも、彩彩な演出があります。
 
『fff』では、オープニングから、飛ばしてくれます。
誰が飛ばしてるんだ?
それは、俺たちの久美子に決まってる。
 
(上田久美子先生、ごめんなさい)
(調子のりました、嬉しくて)
 
花道の上手と下手から、それぞれせり上がって登場。
 
上手に彩風ナポレオン。
下手に彩凪ゲーテ。
 
まるで、仁王門(あ・うん)
まるで、風神雷神
まるで、ミッターマイヤーとロイエンタール(銀河英雄伝説)
 
並び立つ双璧…!!
 
しかも、文系(凪様ゲーテ)と、体育会系(彩風ナポレオン)
 
タイプが違うのよ。
選べないのよ…!
 
ハフハフしちゃいますね。
 
その後も、二人でガッツリお話しする場があります。
 
「彩彩や……彩彩や……」
 
美の競演に、胸いっぱい。
 
美形男役に加え、大人の男の色香が立ち込めてきて。
喩えるなら、アイドルコンビが、アーティストへと成長したような感慨も。
 
この二人が並び立つ姿も、この公演で見納めなんですね…。
 
 
ショー『シルクロード』では、彩彩のデュエットダンスが拝めます。
ごくごく短いのですが。
 
もしかして蜃気楼?
いいえ、幻じゃないから。
 
 
上田久美子先生も、生田大和先生も、わかってらっしゃる…!
 
座付き演出家のオリジナル作品ならではの采配。
ありがとうございます…!
 
上田先生と生田先生から、彩凪翔と彩風咲奈、そして宝塚ファンへの愛情を感じました。
 
 
 
★彩風咲奈 93期・研14
 
フランスの英雄・ナポレオン・ボナパルト役。
 
咲ちゃん、精悍な男前っぷり。
ワイルド風味です。
 
次期を引き継ぐ覚悟がそうさせるのでしょうか?
メイク効果もあるのでしょうか?
 
男前具合が格段にアップした気がします。
空気感が、なんだか違います。
 
ゲーテ(彩凪翔)とディスカッションしたり。
ベートーヴェン(望海風斗)に理想論を語ったり。
 
夢を抱く純粋さは、ベートーヴェン望海に通じるものがあります。
 
ベートーヴェン望海のそれは、より少年の純真さに近いもの。
 
彩風ナポレオンには、青年の理想と直情を感じます。
 
ベートーヴェン望海が見上げ、憧れる存在。
 
(のちに、帝位に就いたナポレオン咲奈に、ベートーヴェン望海は失望)
(自由・平等・博愛の体現者だと信じ、熱狂的ファンになったから)
 
理想を他者へ語りかけ、実践し、共感を得るも、道半ばで挫折するナポレオン。
 
最後(最期)まで、理想の炎を燃やし、望海ベートーヴェンに影響を与えた「英雄」でした。

ロシアの雪原で、ベートーヴェン望海にコートを着せ掛ける姿が印象的。

寒がるベートーヴェンの為に、倒れた兵士のコートを引き剥がし、着せ掛けたり。

僅かな火を掻き熾したり。

さりげなく優しいナポレオン彩風。

ベートーヴェンの幻想のナポレオン、ですが。

ナポレオン彩風が語る言葉に、ベートーヴェンは驚いたり、得心したり。

ベートーヴェンが求めていた思想や理想、解答を次々と語るナポレオン。

それは、ベートーヴェンの奥底・深層心理が生み出した『理想のナポレオン』かもしれません。

「こうあって欲しかったナポレオン」なのかも。

あるいは、時空を超えて、ナポレオンの本心に触れたのか。

様々な解釈ができます。

そして、どんな解釈であっても揺るがない事実。

軍服にロングコートがめっちゃ似合います、咲ちゃん♡

 
ショーでは、朝月希和(次期トップ娘役/96期・研11)との場が設けられています。
 
優しく温かな包容力が、観る者に伝わる場。
大人の男性(男役)への前進を、さらに感じました。
 
 
 
★彩凪翔 92期・研15
 
ドイツの文豪・ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ役。
 
自然科学者・政治家・法律家の顔も持つゲーテ。
本作では、ナポレオン彩風と議論を交わす場も。
 
ゲーテは、ベートーヴェン望海が見上げ、憧れる存在・その2。
ナポレオンに失望
 
会ったことがなくても、漏れ聞こえた伝聞でファンになっちゃう、ベートーヴェン望海。
ナポレオンに次いで、まだ見ぬゲーテにも惚れ倒します。
 
ゲーテの方は、ベートーヴェンを心配し、適切な対処法をアドバイスします。
 
ただ、それが現実的だったが故に、ベートーヴェンはがっかり。
夢見る少年ジャンプ脳に、日経新聞は読む気にならないのでしょう。
 
分野こそ違えど、ベートーヴェンやナポレオンと同じく、紛れもない天才のゲーテ。
現実を直視し、苦言を呈する大人の見解をもっています。
 
彩凪翔は、重すぎない貫禄と、貴公子の華やぎでゲーテを演じています。
演じるより、さらに自然な立ち方をしている感もあります。
 
上演回数を重ねるうち、どんどん練れて馴染めば、さらに味わい深くなりそう。
 
ショー『シルクロード』では、望海さん演じるスリとのコミカルな場も。
唯一のアドリブ・シーンです。
 
残念なのは、翔ちゃんの切り返しが、ほぼ聴こえないこと。
のぞ様の反応から、何か言ってそうなのに…。
それとも、のぞ様は何か返された前提で、さらに言い募る演技をしてるのかな?
 
銀橋をたっぷり使った、翔ちゃんの見せ場が。
華やぎと色香が凝縮しています。
 
銀橋を渡り切って、花道でささやく「ジャアネ」は、最高にカッコイイ。
 
彩凪翔の雄姿を見納めるはずが、ますます堪能したくなります。
 
 
▽彩彩、万歳…!

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