Quantcast
Channel: シエスタの庭
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2993

雪組『fff』キャスト別感想②真彩希帆

$
0
0
 雪組『fff』キャスト別感想・ファーストラン。

上田久美子先生の作品は観るたび、変化・更新していきます。
共感ポイントが増えたり、理解が深まったり、気づきがあったり。

この感想は、初日の幕が開いた直後の感想です。
来週には、また何か追加したくなるかもしれません。

ネタバレしてますので、まだ知りたくない方はここでストップして下さいね。

以下、記憶まちがい等ありましたら、どうぞご指摘ねがいます。
台詞はニュアンスです。



真彩希帆 98期・研9

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(望海風斗)にしか見えない謎の女

明るく気さくな真彩ちゃんのイメージと対極にいるようなキャラクター。

喪服をまとい、話し方も声のトーンも低く、ミステリアス。

でも、意外とハマってます。
それに、なんだか可愛らしい。

流れでルートヴィヒ望海に家政婦扱いされる真彩ちゃん。

「は?」と抗議しつつ、気がつけば甲斐甲斐しく世話したり。

女中さんがお手上げだった望海ルートヴィヒの部屋を綺麗に片付けてました。

箪笥の抽斗が閉まり、物がテーブルの上にのってます。

謎の女・真彩ちゃん、ブラボー!!

(史実では、片付けが苦手なあまり、人生で70回以上乃引越を繰り返したベートーヴェン)

キャラは崩さず、観客の笑いをとるあたり、さすが真彩ちゃん。

謎の女は年齢不詳です。

登場時は、老成して見えました。
何にも動じない強さを感じました。

それがラスト近く、ルートヴィヒ望海と対峙した謎の女は、幼気(いたいけ)で、どこか心許なく見えました。

そして最後の最後。

謎の女は、光に満ちた女神に見えました。

ご覧になられた方はご存知の通り、謎の女は「ルートヴィヒの心象」が投影された存在です。

その時々のルートヴィヒ望海の心の移ろうたび、彼女から受ける印象が変化します。

その変化を、的確に体現する真彩希帆。

真彩ちゃんの最大の武器で魅力は「歌」だと思っていたし、今もそれは変わりません。

同時に、彼女の表現力の深化は、歌のみに非ず。

…という事が、よくわかりました。

歌はもうね、一人で多彩な歌い分けをしています。

風が震えるようなハミング。

ハープが鳴っているようなスキャット。

クリアに歌い出すと、音圧がすごい。
音の大波が心地よい。

いやはや、真彩ちゃん…。

ミュージカル女優としての資質に加え、娘役ジェンヌの特質を備えたハイブリッド型ジェンヌですね。

娘役ジェンヌは「相手役(男役)を引き立てる事」が重要ミッション。

己よりも共演者を優先する感覚は、そう簡単に身につくものではないでしょう。

一種の自己犠牲ですよね。

それを、呼吸するように行う宝塚の娘役。

真彩ちゃんの声が重なると、望海さんの声がさらに艶めき、男前になります。

そして、真彩ちゃんの声もまた、相手役さんによって磨かれる。

相手を際立たせ、己も輝く。

真彩希帆は、スーパー・ハイブリッド娘役ミュージカル・スターですね。


▽ だいきほミーマイもハマったろうね

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2993

Trending Articles