2019年4月6日(土)雪組さんの20世紀号に乗って来ました。
『ファントム』も凄かったけど、『20世紀号に乗って』も凄かった。
幕開けから閉幕まで、ジェットコースターのような怒濤の楽曲、ダンス、ハイテンション。
ブロードウェイ・ミュージカルって凄いなぁ…!
それを歌いこなし、踊りまくる望海風斗&真彩希帆コンビを始めとした、雪組と専科(京三紗)のメンバー。
これは確かに、感想を書くの難しい。
色々てんこ盛りで、圧倒されてる内にフィナーレ。
そしたら、フィナーレも凄かった。
タップも、デュエットダンスも。
本作は「だいきほありき」ですね。
特にリリー・ガーランド(真彩)が歌う曲……音域が広い。
とんでもなく広い。
曲によっては、リズムが取りづらい。
数小節ごとに変調に次ぐ変調。
そんな難曲を、次から次へと何曲も歌いっぱなし。
真彩ちゃんのソロはもちろん、だいもんとのデュエットは例えるなら、本気の銃撃戦。
一瞬の油断が命取りになりかねない真剣勝負。
『ファントム』に続き、凄いもの観せて、聴かせてもらいました。
これが、今の雪組の『ミュージカル』で、『トップコンビ』なんですね。
だいきほ主演のミュージカルを観て育つ下級生たちは、基準が高まるでしょう。
簡単ざっくり駆け足キャスト別感想です。
★原田 諒(演出・潤色)
列車という、閉ざされた空間と限られた時間。
『時間と空間の限界』を活かした、シチュエーション・コメディ。
ミステリ要素も絡め、楽しませてくれました。
宝塚なのでオスカーが主役ですが、リリーも劣らぬ大活躍。
対等に渡り合うトップコンビの在り方を、上質な作品を通して見せつけて下さいました。
トップコンビはじめ、組子全員へ向けた演出家の期待と信頼の高さが伺えました。
著作権が厳しく、現時点で映像化は困難なようですね。
劇団様、資料映像をしっかり保管しておいで下さい。
オリジナルの著作権が切れた暁には、何らかの形で放映・販売してほしい作品です。
★望海風斗(89期・研17)
ショービジネスを愛する、落ちぶれたプロデューサーのオスカー・ジャフィ役。
髭が似合うわ、のぞ様。
スーツも似合うわ、のぞ様。
見た目は渋イケメン!
中身は可愛いヘタレ♡
登場の仕方が、まず通行人(アル・カポネ)
かつて、こんなに斬新なトップスターの初登場の仕方があっただろうか?
いや、ない。(反語)
オスカー・ジャフィとしての初登場もまた、衝撃的に印象的でした。
汽車に乗り遅れかけ、とっさに車体に飛び乗って張り付き、
「たぁ〜〜す〜〜け〜〜て〜〜」
……こんな情けない姿すら、可愛カッコ良く見えるとか。
だいもん、スゴイわ。
男役のダンディズムを極めている…!
ダッフィの斜めがけショルダーとグローブ(手袋)を、男役としてカッコ良く着こなせる自信がある!と言い切った同期さんが脳裏をよぎりました。
なぜリリーは、最終的にオスカーを選んだのか?
条件を並べただけでは、説得力はほぼゼロ。
なのに、舞台を観ている内に、不思議とリリーの選択に頷いている己がいました。
オスカーって相当なダメンズなのに、可愛げがあって、憎めないんですよね。
人間って不思議なもので、不完全だからこそ必死さに惹かれる心の働きがあったり。
ダメダメさすら魅力的に感じさせるって、男性として相当の手練れ。
だいもんも、ダッフィの人も、男役を極めつつありますね。
渋谷のだいもん、日比谷のダッフィの人、それぞれお気張りやす。
20世紀号は本日2019年4月7日、終着駅に到着予定です。
★真彩希帆(98期・研8)
オスカーに見出され、しがないピアノ弾きから女優へと華麗なる転身を遂げ、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いのリリー・ガーランド役。
髪型・メイク・服装・仕草など、往年のハリウッド女優のテンプレートを意識したビジュアルがハマっている真彩ちゃん。
押し出しも存在感も強いリリーを、バシッと演じ切っています。
難曲を次々と、軽やかに楽しげに歌いこなしていく真彩ちゃん。
あまりにも軽々と歌い上げるので、こちらもニコニコ聴いちゃってるんですけどね。
音域の広がりもさる事ながら、曲によっては変調に次ぐ変調で、どうやってリズムを取っているのか謎。
すげえぇえぇぇぇっっ!!…と思いながら、聴き惚れていました。
相手がだいもんだから、真彩ちゃんの才能と魅力が全開フルスロットルで表現できるんだなぁ…と改めて感じました。
男役の補佐や、相手役の弱い箇所をサポートするような使われ方では、真彩ちゃんの才能は開花し切れない恐れがありました。
下手すると、悪目立ちしていたかもしれません。
良い意味で存在感とアクが強く、高い実力を備えただいもんが相手役であればこそ、本来の力を惜しみなく披露でき、伸ばせるのでしょう。
こんなに男役と対等に渡り合うことが似合う娘役は、そうそういません。
同時に、それを許容し、むしろ喜んで受けて立つ男役もそうそういないでしょう。
互いに真剣勝負を重ね、どんどん高みを目指していく、だいきほコンビ。
のちのち語り継がれるコンビになる事は間違いないはず。
革新的でありながら、クラシカルな演目や在り方が不思議と似合うトップコンビでもあります。
本作と離れますが、ショー「ガート・ボニート」で披露した『コパカバーナ』は、このコンビを象徴する楽曲であり、歌い方を見せて聴かせてくれました。
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