最近めっきり、話題の後追いが続いております。
オフ(仕事など)が立て込み…は、言い訳ですね。
少し遡りますが、3月11日で東日本大震災から6年が経ちました。
いまだ行方不明の方。
元のおうちに戻れない方。
大切な人やものをなくされた方。
今も癒えない傷を抱えた方が多くいらっしゃる事と思います。
当事者でなければわからない事は多いでしょう。
私も阪神大震災を経験しましたが、例えば、津波の怖さは知りません。
原発の不安も。
知らないことの方がはるかに多い私です。
せめて想像し、考えていきたいと思っています。
さて、雪組『幕末太陽傳』新人公演の主な出演者が発表されました。
主演は永久輝せあ、長の期でもある97期(4月から研7)
4度目の新公主演?
すごいですね。
彩風咲奈(93期)の5回に迫る、新公主演経験数となる永久輝さん。
ひとこちゃんの華やかで安定感バッチリの舞台姿が、目に浮かぶようです。
本公演で咲妃みゆが演じるヒロインに、野々花ひまり(99期・4月から研5)
愛らしい娘役さんですね。
お名前を見るたび、元宙組トップ娘役・野々すみ花と、アニメ作品『輪るピングドラム』が頭をよぎります。
『輪るピングドラム』のヒロインの名前が、ひまりちゃんと言いましてな。
宝塚とは無関係なので説明は端折りますが、独特の世界観の不思議な作品で、なんとなく好きでした。
主題歌がまたとても好きで…と、オタクはまわるよ、どこまでも。
そして、二番手で次期トップスター望海風斗の役・高杉晋作。
縣千(101期・4月から研3)が抜擢されました。
ついに、だいもんの役がつきましたか…。
前作『私立探偵ケイレブ・ハント』で三番手(彩風咲奈)の役がついた縣くん。
二番手(望海風斗)の役が想定範囲に入ってきても、おかしくはありません。
過去の事例では、珠城りょうが研2で、二番手役に抜擢されました。
(2009年 新人公演『ラストプレイ』本役・霧矢大夢)
縣くんに関しては、『るろうに剣心』で蒼紫の役がついた衝撃に比べると、だいぶ緩和されてきました。
それでも、驚きのスピード出世です。
縣くん自身は、何でも器用にこなすタイプではなさそうです。
『New Wave 雪』でも、諏訪さきと比べられてましたね。
諏訪さんは「物覚えが速くて、なんでも器用にこなす」そうです。
縣くんと真逆なのだとか。
「あがちんは不器用だけど、とても練習熱心」
とフォローして下さった月城さんと永久輝さん。
ありがとうございます…!
縣くんの熱心さにつられ、毎朝ティンバレスの稽古時間が長くなりがちだったとか何とか。
縣くんを観てると、ちょっと高倉健を思い出します。
「自分……不器用ですので……」
と訥々と語る感じ?
(珠城りょうの事も、高倉健ちっくだと書きましたなぁ、以前)
ちさと(縣千)君の喋りそのものは、明日海りおを彷彿とさせますが。
「本人は大真面目だけど、期せずして笑いを誘う」明日海りお路線。
これから縣くんも、スカステに登場する機会が徐々に増えると思います。
明日海さんの血統を受け継ぐトークを、惜しみなく披露してほしいものです。
…じゃなくて。
だいもんのお役をさせて頂く事から、どうしてこんなに脱線を?
(いつもの事ですが…)←とほほ
縣くんは身長と骨格、卵形の輪郭と高い鼻梁に恵まれた、男役向きのビジュアル。
バウでは足場の狭い階段上で、娘役さんをリフトしてました。
力持ちだな、ちさと……ときめく……♡
(でも、こんな危険なことを、無理にやらせずとも… と思う気持ちもあります)
少なくとも身体面は、相手役を選ばない男役さんに成長しそうです 。
技術的な不足面は、本人が最もよくわかっていると思います。
…というか、研2で何でも巧かったら、伸びていく様子を見守る愉しみがなくなりますね。
宝塚は「成長や進化を見守る」という愉しみ方があります。
2015年春の初舞台から見守っていますが、薄暗がりのモブでも、ほんっとうに生き生きと役割を全うしている縣くん。
ファンとして、抜擢されていく姿を見るのは嬉しい反面、もっとゆっくり育ててあげてほしい気持ちもあります。
不器用で、スロースターターの縣くん。
同時に、密度の濃い年輪を刻む確かさを感じさせる演者だと思います。
例えば、『ドン・ジュアン』の兵士マルセロ役の死に様には、震えました…。
トークのみならず、 演技にも明日海さんの血統を感じるものがあります。
そんな細かいところ、気にする人や気づく人はいるのだろうか?… と思わなくもないほど、細部までこだわる明日海さん(尊敬)
たとえば、生理現象のまばたきまで、制限してしまう明日海さん。
作品や場によっては、あまりにもまばたきをしないので、
「角膜が傷むから、そろそろまばたきして下さい…!」
と心の中で祈ることも。
それと通じるこだわりを、縣くんの舞台姿から感じる事があります。
「身体の負担になるかもしれないから、無理しないで…」
と心の中でやきもきしたり。
ほんっとうに細かいところなんですけどね。
縣くんは粗削りながら、繊細で緻密な演技を追究するタイプだろうと思われます。
そして、私は観客 兼 おふくろになってるんですね……とほほ。
明日海さんばかり引き合いに出しましたが、 望海さんも綿密で完成度が高い表現者。
歌唱力も高く、芝居もハイレベル。
『星逢一夜』で、妻・泉(咲妃みゆ) が用意してくれた湯で足をすすぎながら、
「一番のごちそうや…」と呟く源太(望海風斗)
あの疲れ切った…でも、不思議と愛おしさを感じる、 中年男性の風情。
望海さん圧巻の演技でした。
(もちろん、これだけではない…これだけだけではありません… が)
(源太は、静謐な中に、あらゆる感情を押し殺した様を表現した、 見事な人物
造形だと思います)
「芝居巧者」という言葉では足りない技量をおもちの望海さん。
望海さんのお役を通して、 まだピヨピヨの縣くんが得るものは、とても多そうです。
あらゆる面で成長期の縣くん。
すべての経験を表現へと昇華していく舞台人に成長することを期待しています。
まずは新人公演…観れるものなら、宝塚も東京も観たいと思っています。
現時点では、チケットないんですけどね。(←ああぁっっ)