「線路内に小動物が侵入し、電車が遅れました」
そんなアナウンスが、近畿管区の鉄道で流れました。
「えっ……みりたん、どうしたの? 迷子になったの??」
…と心の中で突っ込んだのは、私だけではないはずだ。
(兵庫県の鉄道線路だったので)
(花組トップスターをなんだと思ってるのか、私は?)
(例えば…こりすとか、白くまの赤ちゃんとか、こりすとか……?)
※ 明日海りおさんを動物に喩えるなら、「こりす♡」「シロクマの赤ちゃん♡」と答えたのは、花組生達です。(しかも同票多数)
『Lock on!〜スター徹底検証〜』明日海りおの回をご参照下さい。
さて、時間が経ちましたが、今更ながらの雪組『私立探偵ケイレブ・ハント』新人公演の感想です。
今回は最初から最後まで、縣千尽くしです。
縣くんを動物に喩えるなら、大型犬の子犬でしょうか。
まだ一応小さいけど、手足デカ!…みたいな。
将来どんだけ大きくなるの?!
……という、絶大なポテンシャルを秘めている感じ。
カズノ・ハマー役を演じた101期生・研究科2年の縣千くん。
本役は、彩風咲奈さん。
彩風さんは、前作『るろうに剣心』では「悪・即・斬」の斎藤一役を熱演。
クールなのに熱く、ダンディ。
カズノも、斎藤さんと少し路線は違うけど、やはりクールで飄々としてて……かっこいい。
おっと、本役・彩風咲奈様がいかに男前かを語って終わりそうだわ、いかんいかん。
カズノは月9や別マなら、ヒロインの本命彼氏タイプだと思います。
彩風さんがまた、背は高いわ、脚は長いわ、小顔だわ…のモデル体型。
このカズノ様と比較されるのか……ハードル高いなぁ……と、そわそわ心配などしてみたり。
フタを開けてみたら、あっさり縣くんに撃ち抜かれる私がいましたよ。
東京の新人公演も観たい…。
かなり本気で、そう思ってます。
……なんかね、縣カズノ、かっこよすぎて……ドキドキしすぎて。
わたし、幻を見たのかな?
自分が何を見たのか、自信がなくなりまして。
もう一度、この目で確かめたい気持ちが生まれています。
それでは、縣くんの見どころを紹介しまッス。(この語尾はトレバー)
オープニングの撮影所での群舞。
ソフト帽を目深に被り、顔は見えません。
鼻先と口許がかろうじて見えるかな?
2階後方席からは、見降ろすアングルでもあり、薄暗い照明でもあり、顔は見えませんでした。
群舞だから、基本的に周りに合わせてます。
合わせますが、本公演のショーでも見受けられる事ながら、縣くんは踊りに特徴があります。
回転する時は他より速いため、回転後の振付が…ごくわずかな時間であれ…止まった状態に見える事があります。
ジャンプは高く、滞空時間が長いですし。
俊敏な動きとストップモーションが、小刻みに交互に繰り返されるダンス。
おそらく、ほぼ意識しないレベルで。
流れるように踊りながらも、ポーズや肩のラインが印象に残りやすいのは、緩急の巧みさゆえでしょうか。
上手端で、観客に背を向けて立つ時間帯がありましてね。
スーツ姿の広い背中が、非常にかっこいいです。
なんなら、男の色香が漂ってきます。
その後、娘役さんと向かい合い、絡みつつ踊ります。
そして、永久輝さんの隣(上手斜め後ろ)へ移動し、激しい男役群舞。
さらに下手に移動し、また永久輝さんの隣(下手斜め後ろ)で踊り、フィニッシュ。
プロローグの撮影所群舞、シビれます。
スピーディで、キレがあり、軽やかで、まろやか。
縣くんはショーダンサーですね。
同時に芝居心があり、緻密に演技を練り上げる方だと感じています。
憑依型に見える時もあります。
お稽古では、いろいろ考え込む方なんじゃないかと。
集中すると、憑依状態になるタイプかな?
あくまでも、私の想像ですが。
カズノとしては、ナチュラルにカズノでした。
声は低め。
それが良かった。
カズノは全体的に、低めモードが合ってる気がします。
体温も、声も、テンションも。
でも、心根は温度高めなんですよね。
例えば、置き引きに遭ったポーリーンに対して。
足を挫いたポーリーン。
カズノが腕を貸して、警察署まで送ります。
その際、カズノに腕を絡ませ、びたっとくっつくポーリーン。
本役さんは、本当に足を挫いたように見えます。
対して、新人公演のポーリーンはちょっと不自然。(んん?)
カズノと何とか接触したくて、大袈裟に痛がってる感じ。(うぷぷ♡)
新公のポーリーンは、100期生の羽織夕夏ちゃん。
わざとらしい演技が、実にキュートで面白くて。
その後、マクシミリアン邸のパーティに潜入したカズノは、歌手としてステージに立つポーリーンと再会。
ここで、ポーリーンが熱烈アタック開始。
本公演の100倍位、カズノにガンガン迫ります、ポーリーンさん。
カズノの首に腕を回そうとしたり、抱きつこうとしたり。
そのたび、カズノがそっとポーリーンの手を持って外すんですが、ポーリーン全く負けてません。
ここに、本科(羽織)と予科(縣)の力関係が…?
それは、さすがにないか。
カズノは涼しげ、且つにこやかに対応してましたが、内心の狼狽も見え隠れ。
ポーリーンは全くへこたれず、ひっつき虫フルスロットル。
カズノとポーリーンの攻防戦…!めちゃくちゃ面白かったです!
カズノ&ポーリーンのアングル版DVDを出してくれたら購入したい…!(本気)
東京の新人公演では、どうなるのかな?
すごく気になります、カズノとポーリーンのせめぎ合い。
宝塚では、ポーリーンかなり押し勝ってましたよ。
もちろん話の流れ上、カズノはハリエットを身を挺して守りに駆けつけるため、ポーリーンは放置されちゃいますが。
でも、ナイス・ファイトでした。
縣カズノ、東京ではポーリーンを上手くあしらえるのでしょうか?
それとも、羽織ポーリーンが更にパワーアップするのか?!
場面が前後しますが、カズノが電話する場面。
下手の暗闇から、ふいに登場します。
彩風カズノは、ふっと歩いて現れます。
縣カズノは……横っ飛びジャンプして現れたように見えたんですが、私の見間違いでしょうか?
そんな風な、ふとした違いが面白いなと。
例えば、彩風カズノは朝、グリーン・スムージーを飲み、グラノーラを流し込むかなって風情。
縣カズノは卵、ウィンナー、パン、牛乳などなど、朝からがっつり食べてる感じがします。
二人とも長身でスッとしてるし、カズノも涼しげな造形ですが、なんとなく。
あ、そうそう!
これまた、前の方に戻りますが、ジムとケイレブが調査に向かうにあたり、カズノは待機を言い渡される場面。
「わかった」と手を上げながら、せり下がっていくカズノ。
耳がたれてる犬っぽくて可愛いです。
本役の咲ちゃんも、新公の縣くんも、どちらも超可愛い。
カズノはあまり感情を出さないのに、ここでは置いてけぼり感満載。
なんとも淋しそうで、本気でさらいたい可愛さです。
ジムとのデュエットも、ジム役の真地佑果さんがお上手なのもあり、縣くんも落ち着いて歌っていました。
お二人とも声質が良いし、音程もしっかり。
安定したデュエットでした。
真地さんが受けとめて下さったおかげは、大きいと思います。
ありがとうございました。
(どんな立ち位置なん、わたし?)
(ちさとの母ポジション)
(本当のお母様、勝手に申し訳ありません…)
縣カズノは本当に、とてもかっこよくてね…。
ドキドキしすぎて、明け方まで目が冴えてしまって。
夢を見てたのかな?……と、振り返ると、なんだか現実感が希薄で。
朝露のきらめきにも似た、一瞬のまぼろし。
わたしが見たものは、そういうものだったのかな……と。
宝塚は夢の世界なんだな……。
そう、あらためて実感しています。