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雪組新公『ベルサイユのばら』❶蒼波黎也、白綺華、中村真央

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2024年8月1日(木)宝塚大劇場で雪組『ベルサイユのばら』新人公演が上演されました。

 

宝塚大劇場での新公は、久々です。

2023年9月30日、宙組103期・有愛きいさん急死以降、新人公演の負担軽減策として、宝塚大劇場の上演が中止されていました。

 

東京公演一発勝負の方が、心身の負担が重くのしかかるだろうと推測できましたので、宝塚と東京の2回上演復活は良い判断だと思います。

 

単純に考えて、稽古期間が延びるという事は、それだけ本公演後に残る期間が増えるという事です。

 

また、宝塚で上演してみて見つかった課題に取り組み、東京でもう一度…の方が、演者にとっても学びが多いかと。

 

東京はLIVE配信があるため、一発勝負で臨んだ姿が全国に中継される訳です。

それは物凄いプレッシャーでしょう。

 

 

さて、雪組『ベルサイユのばら』新公主演とヒロインは共に初抜擢。

 

★蒼波黎也(104期・研7)

ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン

本役:彩風咲奈(93期・研18)

スウェーデン貴族

 

★白綺 華(107期・研4)

マリー・アントワネット

本役:夢白あや(103期・研8)

フランス王妃

 

おめでとうございます。

二幕物の場合、脚本・演出を工夫し、1時間45分前後に収めねばならず。

本公演からの変更も多く、大変だと思いますが、そつなくこなしていました。

 

このお二人、共に文化祭の演劇で主演とヒロインを演じました。

私は104期、107期とも文化祭を拝見しました。

 

蒼波くんを観ての感想を読み返してみました。

一部抜粋してみますと、

 

主演するだけあり、端正で、華があります。

なんとなくですが、天華えまに似てるような気がしました。

顔がそっくりというより、系列として。

 

…など、かなり褒めてました、過去の私。

あれから7年?

諦めずに頑張りましたね…!(上から目線でごめん)

 

さて、今の蒼波くん。

男役声が完成され、台詞回しや滑舌も良し。

本役(彩風咲奈)をトレースした演技。

優等生な新公フェルゼンでした。

 

おそらく、本人の持ち味はもっとワイルド寄りだろうと推測。

男臭い男役に育ちそうな予感がします。

 

歌は下手ではない、と思います。

音程は外さないし、経験と稽古を積めば上達しそう。

声はよく出てました。(ホンマ、上からでごめん)

 

白綺華は文化祭の時点で、完成されてました。

安定感がありました。

 

研10ヒロインがいる、と思ったものです。

単に大人びてるって意味じゃなく、実力の伴ったベテランという意味で。

 

アントワネット様も、どっしり落ち着いた王妃様でした。

マリア・テレジアも演じられそう。

 

歌声は美しく、高音も綺麗に出ていました。

お芝居も破綻なく、滑舌も品も良い台詞回し。

 

主演もヒロインも、安定感が半端ない。

上手だと思います。

 

ただ、ラストの見せ場『牢獄』

フェルゼンが救出に来るも、毅然として断り、王妃として死に臨むアントワネット。

 

あの場を演じる二人も、とても巧かったんです。

巧かったのに、なぜか冗長に感じられて。

「まだ終わらんかな…?」と焦れてしまった。

 

本公演ではグッと惹き込まれた、あの場。

本公演と何が違うんだろう?

 

単純に巧拙では測れない、何かがあるのかな。

何か見えないパワーが作用するのでしょうか。

 

カーテンコールでは、長の期の長であり、主演でもある蒼波くんが挨拶。

目を潤ませながらも、しっかり話しました。

 

蒼波「この公演から、宝塚大劇場での新人公演が復活しました」

 

続いて、スタッフや上級生らへの感謝も伝えます。

型通りながら、涙を堪えているとは思えぬ、しっかり挨拶。

 

蒼波「明日の本公演から…あ、ちがった」

 

蒼波「明後日の本公演から、生かして行きたいと思います」

 

真剣に聞き入っていた客席が、温かな笑いに包まれました。

うなんです、新公の翌日は休演日になりました。

火曜に新公があり、翌水曜は休演日だった頃を思い出します。

 

蒼波くんの背中をみつめていた白綺さん。

その真剣で、見守るようなまなざしは慈母のようでした。

 

 

★中村真央

 

新公演出担当は、中村真央先生。

 

宙組2021『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』

花組2022『巡礼の年~リスト・フェレンツ、魂の彷徨~』

月組2023『応天の門』

 

…などを担当してこられた真央先生。

コンスタントに経験を積んでおられます。

 

今回、2幕物のベルばらを手掛けるにあたり、脚本を大幅に見直す作業が発生。

削ぎ落とす箇所はバッサリ切り、押さえる処は押さえた新公版。

見せ場をつないだダイジェスト版になっており、話もよくわかりました。

 

 

▽…という訳で、続きます。

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