2024年7月16日(火)名古屋・御園座にて、花組『ドン・ジュアン』初日観劇。
そして、7月28日(日)配信視聴。
劇場では下手端で観てたので、センター視点の配信で気づく事もありました。
また、劇場では花組生の眩しさにやられて、歌詞を聴いても飛んじゃってる箇所が多々ありまして。
「まぁ、そんなこと言ってたのね」と、これまた発見が。
まさに音楽劇だったんですね。
今さら驚く、楽曲数の多さよ。
メインキャストには歌が苦手な人もいたのに、頑張ってて。
お稽古を重ねた努力の痕を感じました。
そして、トップコンビが歌えるって素晴らしい。
しかも、美しいと来たもんだ。
ドン・ジュアンが心無い女たらしになった原因(心の傷)は説明されず。
原因になった筈の母親は、父(英真なおき)の台詞により、美化されてるし。
(わずかにドン・ジュアンは微妙な表情でしたが)
花組版ドン・ジュアンは、同情の余地なし…なのに。
「こんな人に迫られたら、なびくよね」と問答無用の納得。
色香と美貌の洪水、おそるべし。
マリアはマリアで、婚約者ラファエルに興味なし。
婚約者に会いに来たのは「騎士団長像を彫る仕事を得た」報告。
彼が出陣するから、その前に会いたくて…じゃないんですね。
『歌劇』の鼎談(生田大和×永久輝×星空)で
「ともすると、悪女になってしまう」
と、マリアを演じる難しさを、美咲ちゃんが語ってましたが。
いや、ほんま。
無邪気すぎて残酷なマリア。
その弱さや狡さを、人間・マリアの自然な感情として演じていました。
ドン・ジュアンも、マリアも、互いが初恋。
きみに夢中状態。
雪組版に比べると、いろいろ説明不足な脚本になってます。
ドン・ジュアンが捻じくれた原因が描かれてませんし。
むしろ、ドン・ジュアンのトラウマの大元さん、パパの台詞の中で美化されてるし。
設定変更したんですか?
そんな風に気になる処があっても、観てると不思議と気にならず。
「そら、モテるわな」と納得させる、有無を言わせぬ美貌と色気。
どんな力技ですか、それ。
その技、かけて下さい。
そんな危険な男・永久輝ジュアン。
永久輝ジュアンが唯一、心揺さぶられる女が星空マリア。
永久輝さんと美咲ちゃんの、美と美のぶつかり合い。
ビジュアルコンビと呼びたくなる美男美女。
しかも、中身も充実してるんですよ、これが。
天が二物も三物も与えた花組トップコンビ。
なんなの、神様!
ありがとうな!!
男役が面長系で、娘役は卵形の輪郭がまたいいよね。
永久輝さんは単体で見ると面長というより、すっきり細面のうりざね顔。
それが、超小顔の美咲ちゃんと並ぶと、男性的な面長系に見える。
これも美咲マジック。
華やかな美貌を備えた、永久輝せあと星空美咲。
加えて、歌唱・芝居・ダンス、どれも安心ハイレベル。
筆頭組にふさわしいトップコンビ誕生。
さて、周りを取り囲む人々の感想です。
★綺城ひか理(97期・研14)
ドン・ジュアンに愛娘をもてあそばれた恨みを抱いて死に、怨霊になった騎士団長。
騎士団長って…こんなにイケメンでしたっけ?!
あかさん団長の出番が多く、怨霊メイクでもわかる男前。
花組軍団の美のシャワーならぬ、イケメンシャワー。
ありがとう、存分に浴びました。
パレードでは二番手格として登場。
カテコでは、永久輝ジュアンの上手に鎮座。
永久輝さんと星空美咲マリアをニコニコ。
高身長だから、見下ろすパパ目線。
シンクロして、ぺこぺこ頭を下げる永久輝ジュアンと星空マリア。
二人を見守るあかさんは、ひよこを見守る雄鶏でした。
(同期なのに!)
★美羽 愛(104期・研7)
ドン・ジュアンの妻を名乗るエルヴィラ。
美羽エルヴィラは、オリジナリティが溢れてる。
どの再演作でも、オリジナル。
(『殉情』の春琴、『舞姫』のエリス)
(初演)雪組版・有沙瞳は情炎メラメラ。
望海風斗ジュアンを呪殺しそうなエルヴィラでした。
美羽エルヴィラは「ゆーても、好きやもんな?」と伝わってきて。
どんな展開になろうと、好きが基軸にあるとわかる。
情念の世界でもひとり、安定の少女マンガ。
ぜんざいにおける塩昆布的なポジションでした。
希波らいと、天城れいんらにも触れたいけど、ひとまずここまで。
▽ つづきます