真風涼帆コンサート『unknown』が2024/04/22(月)千秋楽を迎えました。
観劇した知人が教えてくれた事は…
「真風もけっこう気に病んでるみたい」
「『それでも、前へ進むしかない』と言ってたよ」
メッセージでも、教えて頂きました…
「OG、現役を含む宙組生がたくさん観に来てた」
「もし真風さんが嫌いだったら、来ませんよね?」
お叱りも頂きました…
「真風さんは慕われている」
「それでも、真風さんや寿さんに謝罪を求めるのか?」
「もっと新しい情報を入れ、考えを改めるべき」
なるほど、なるほど。
真風さんは好かれているのかもしれません。
寿さんも慕われているかもしれません。
仮にそれらが事実だとしても、謝罪はした方が良いと思います。
なぜか?
社会人なら、わかりますよね。
…と思いましたが、学生さんも読んで下さっているので、念のため。
ここから先は、一般社会や組織ではごく当たり前の事なので、つまらんと思います。
それでもよければ、どうぞ。
★組織のトップ
ご遺族との合意の席で、角和夫氏が謝罪しました。
彼個人は、故人へハラスメント行為は行っていないでしょう。
角氏は「阪急阪神グループの代表」として謝罪しました。
真風さんと寿さんは、有愛さんがヘアアイロン事件とそれに連なる「お話し合い」などで苦しんだ際の「宙組のトップスターと組長」でした。
言うなれば、当時の「宙組の代表」です。
社長、会長、トップスター、組長などなど…。
組織の長は「その組織を代表する立場」です。
何か事が起こった時、判断を下したり、称賛を浴びたり、謝罪したり。
毀誉褒貶を表立って受けることは、トップの務めの一つ。
仮に、真風さんや寿さんが組子に好かれていたとしても、それは個人レベルの話。
公の「責任ある立場」と分けて考えた方がいい。
★ローカル・ルール
ヘアアイロン事件は、エリザベート的に言えば「不幸の始まり」
象徴的かつ衝撃的な事件でした。
文春にすっぱ抜かれた事も驚きましたが、何といっても、他者へ傷害を負わせてなお、ローカルルールが適用された事に驚きました。
ここで言うローカルルールとは、「宝塚の上級生至上主義」
私もローカルルールを尊重する方です。
…が、モノには限度があります。
他者へ怪我を負わせたら、相手が誰であれ、真摯に謝罪するのは「日本では当たり前」のこと。
宝塚の「当たり前」より、優先されると思います。
ヘアアイロン事件は、少なくとも日本の津々浦々で同じ事が起きたら、仮にわざとでなくても、真摯に謝るべき案件でしょう。
それを、よりにもよって「なかった事にした」
つまり、隠蔽です。
確認もせず、その報告を鵜呑みにする劇団もどうかと思いますが、長年それで通って来たのでしょう。
そう、宙組だけではない、と想像しています。
そういう意味では、大ごとにされた宙組は不運だった、との見方できます。
問題視された生徒に限らず、大方の劇団生(OG含む)は「これが宝塚の常識」と教わり、素直に従って来られた事と思います。
急に「それはアカン」と言われても、驚きますよね。
理解できませんよね。
ずっと「これが正しい」「当たり前」と信じて来たことなのに。
ある日突然、「それは間違っている」「非常識」と言われても。
うちの妹1は、
「玉音放送を聴いた日本人と、同じような気持ちだったのでは」
第二次世界大戦の終結を告げたラジオ。
現人神と崇めた天皇陛下によって、あり得ないこと(≒敗戦)を知らされました。
ずっと信じて来たことが瓦解した事は、アイデンティティの崩壊を招いたかもしれません。
ただ、当時も「口に出せないだけ」で、日本は負けるだろうと予想していた人は多くいたろうと思います。
天皇陛下を崇敬していても、人間と認識していた人も。
宙組生(OGを含む)もまた、宝塚のローカルルールを遵守しながら、疑問を抱いていたのでは…?
疑問を抱いてほしい。
希望を込めて。
★感情論と責任
実際のところは、わからない事もあるでしょう。
LINEや目撃情報を推測で繋いだ面もあるかもしれません。
ただ、宙組で火傷事件があったことは事実。
それが文春で報道されたことも事実。
文春報道後、「記事内容は事実無根」と劇団から公式発表されたことも事実。
その後、被災者の有愛きいさんが急死されたことも事実。
自死であろうと判定されたことも事実。
ご遺族が、劇団と上級生に対して謝罪を求めたことも事実。
劇団が、責任を認め、謝罪したことも事実。
10名のパワハラ加害者を特定したことも事実。
※ここでいう「事実」は「実際に起きた事」という意味。
…といった事実を鑑みるに、真風さんと寿さんも、当時の宙組を代表する存在として、弔問と謝罪をしても良いのでは…と思います。
誠意をみせる事が重要だと思います。
「逃げ得」との風評も収まっていくと思います。
真風さんや寿さんが今後、社会で働きながら生きていく為にも。
その方が良いと思います。
「悪い事してないのに、なぜ謝らなきゃいけないの?」
「好かれてるのに、なぜ謝る必要があるの?」
それら感情論は、まかぜ幼稚園では通用するかもしれません。
しかし残念ながら、一般社会ではおそらく通用しません。
それは彼女たちが(被災者が死へ至る)重要な出来事があった時期の「宙組の代表者」だったから。
当時も今も、組織を代表する意味や覚悟を理解していたはず、と信じたい。
せめて死者を悼み、ご遺族へお気持ちを寄せてほしい。
これからも続く、彼女達の長い人生を生きていく為にも。
彼女達の苦しみを和らげる為にも。
★ペナルティと処罰感情
96期の時も今回も、劇団が何らかのペナルティを課せば良かったと思います。
その時点では多少苦しくとも、同情が集まり、少しでもリカバリーし易くなったかと。
「社会的ペナルティを課されている」という意見も出るでしょう。
その社会的ペナルティが一番厳しい。
それを回避、あるいは軽減するためにも、何らかの判り易い(適切な)処罰を活用した方が賢明だったかと。
子どもが騒いだ時、いち早く保護者が注意すれば、周囲は口を出さないでしょう。
保護者と子が共に謝れば、「次からは気をつけて」で放免してくれるケースは多いのでは?
騒ぐ子供を保護者が注意せず、言い訳ばかり並べたら?
「私の躾が悪くてすみません」と謝りつつ、子を野放しにしていたら?
「いや、それ、アカンちゃうん?」とツッコミ入れたくなりますよ。
劇団が生徒を守りたい気持ちは伝わってきます。
ですが、外から見てると「贔屓の引き倒し」に見えます。
96期イジメ裁判の時も、そうでした。
本当に96期生を守りたいなら、適切でわかりやすいペナルティを課しておく方が良かったかと。
イジメに対して嫌悪感をもつ人は多い。
それは健全な感覚です。
裏返せば、適切な対処がなされないままだと、正義感ゆえの処罰感情がくすぶります。
人は「私は正しい」と思い込むほど、迷わず攻撃的になれます。
これは誰にでも当てはまることです。
「物事を俯瞰して見る」ことが出来るか?
それも、「上に立つ者」が備えるべき資質だと思います。
「謝らない! だって、私は悪くない!」
そう思う心理はわかります。
ずっと「それが正しい」と教え込まれたのに、理不尽ですよね。
ですが、時と共に様々なことが変化します。
その中には、価値観や常識も含まれています。
★ローカル・ルールの意義
ローカルルールは、通用する処としない処がある。
だからこその「ローカル」な決まり事です。
ローカルルールは悪ではありません。
宝塚のローカルルールも然り。
良い面も沢山あると思います。
ただ、それは決して常識とは限らない。
その集団が効率よく機能するための決め事に過ぎません。
★余談ですが…
わたくし事で恐縮ですが、前任から引き継いだある業務、次から次へと不備発見。
先月、ほぼ修正完了!…と思ったら、また出て来た。
私は現在の担当だから、粛々と対応します。
前任に経緯を尋ねる事はあっても、責めたことは一度もありません。
前任から反省の弁はなく。
むしろ、妨害されてきました。
(隠蔽、修正データ消去、不機嫌ハラスメント等)
経緯に関する質問への回答は、大体こんな感じ。
「勝手に変えるな」
「前からそうしてた」
「知らなかった」
「……(無言)」
前任者は教わった通り、従順にやって来たのでしょう。
(情報共有がないまま)変化した事があったのかと推測しています。
気の毒といえば、気の毒です。
ですが、前任者自身、「おかしいぞ」と気づきながら、対処せず。
(どうすれば良いか分からなくて)
後任も気づき、修正に着手するや、「勝手に変えるな」と妨害。
この心理はイジメや嫌がらせではないと思います、本人的には。
彼女なりの正義を守っただけかと。
…うん、わかるわかる。
あなたの心理はわかる。
わかるけれど、修正は必要です。
前任者の思考回路もアップデートが必要かも。
…ですが、それは彼女自身の課題。
私に出来る事は、業務データの修正のみ。
妨害対策はとりました。
前任者という事で付与していたアクセス権を外しました。
それ以外は挨拶にしろ、業務上必要な声かけ・連絡など、何ら変えていません。
…以上、わたくし事で恐縮です。
★お兄様の背中
「ずっと、そうしてきた」
「そうしろ、と教わって来た」
「だから、私は悪くない」
そう思う事は、私もあります。
反省より何より、「なぜ?!」という疑問が湧き上がってくるでしょう。
理不尽に感じるでしょう。
それだけ真面目に決まりを信じ、守り続けてきた証左でもあると思います。
ただ、宝塚に入る前からご両親はじめ様々な方々や場で、異なる価値観やルールに触れる事もあったと思います。
昭和はほぼ記憶になくても、平成から令和にかけて変化した事も多くありました。
(私は昭和の女だから、隔世の感があります)
七海ひろきさんが退団の際、
「変わらないために、変わり続ける」
と仰いました。
変わらぬ魅力を発揮し続けるために、アップデートし続ける七海さん。
真風さん・芹香さんと同じく、宝塚の宙組と星組にいらした方です。
この言葉を裏打ちする生き様を見せてくれてます、七海さん。
参考になる先達ですね。
★矜持
苦境に立つと余裕がなくなり、自身を守ろうとして意固地になりがち。
それは自然な自己防衛だと思います。
タカラジェンヌは選ばれし人々。
その中でも、トップスターや組長はさらに選り抜きの人財。
在団中も、退団後も、どうか誇りを持って生きて行かれて下さい。
誰よりも、己に恥じない人でありますように。
▽ 誇りとは