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宝塚歌劇団の記者会見を視聴して

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2023年10月8日(日)東京では花組『鴛鴦歌合戦/Grand Mirage』が千秋楽を迎えました。

 

トップスター挨拶では、柚香光(95期・研15)が10/3(火)~5(木)の突然の公演中止について、詫びました。

 

この時、いつもなら応援の拍手が沸くところだと思います…が。

 

会場はシン…と静まり返っていました。

物音ひとつせず。

 

「それだけ観客は今回の件を重く受け止めている」

 

無音の会場が、それを伝えていました。

この時の様子を、妹が改めて言葉にしました。

 

「ファンはこういう形で意思表示をした。約2,000人全員が」

 

あの静粛な空間、空気。

それを、急逝した生徒さんのご家族にも伝わればいいのに。

 

 

花組千秋楽から遡ること一日。

2023年10月7日(土)宝塚歌劇団では急逝した宙組生について、記者会見を開きました。

 

木場健之理事長が午前、劇団企画室長の渡辺氏が午後、それぞれ別々に。

 

木場理事長の一問一答

 

渡辺氏の会見は、インターネット上で視聴可能

 

「劇団からの発表がないのに、憶測を垂れ流すなかれ」

と劇団がアナウンスしてたので、何を教えてくれるのかお待ちしてましたが。

会見の前後でわかったことは、およそ下記の通りかと。

 

1)調査チーム

・調査チームを10/7付で立ち上げた

・同チームのメンバー、人数は不明

・同チームは複数の大手法律事務所の弁護士

・阪急阪神HDの顧問弁護士と無関係

・わかった事はいずれ報告予定

 

2)イジメ

・当該生徒の急逝とイジメは無関係と認識

・被害者も加害者もいない

・双方から2月(文春発売時期)に事情聴取

 

3)プライバシー

・遺族の意向で名前は非公開

・(宙組生か?と訊かれ)否定はできない

 

 

ここから先は、私の感想と推察です。

 

 

1)調査チームについて

 

お金を払うのは阪急さん。

支払元をとことん追及できるのか?

忖度が働かないと言い切れるのか?

現時点では、懐疑的にならざるを得ません。

 

 

2)イジメについて

 

2)-1 聴き取り調査

 

劇団は聴き取り調査をした、との事ですが。

仮に聴き取りしても、それは安心して話せる場だったのか?

 

相手は、その後も一緒に過ごさねばならぬ存在。

よほど配慮が徹底されていなければ、正直に話せるとは思えないのですが。

 

 

2)-2 正義

 

エルサレムは、イスラム教・ユダヤ教・キリスト教の聖地です。

この3つの宗教の神様、実は同一神物。

でも、宗教組織は別々。

それで、聖地を巡って争いが起きました。

 

同じイスラム教でも、スンニ派とシーア派で争いが起きています。

 

宗教戦争はどの戦争より長引き、解決が困難だとされています。

それは「己こそ正しい」と信じているから。

 

正義や大義名分を得たとき、人は躊躇なく攻撃的になれます。

第三者視点では、どれほど残忍だとしても。

正義は時として、人の感覚や思考を麻痺させます。

 

己が正しいと信じていれば、客観的にはどうあれ、それは正義。

自覚がなくて当然といえます。

 

 

2)-3 焦燥

 

以上の事は、阪急ほどの大企業なら想定内だったはず。

ところが、敢えて目を瞑り、早々に言い切りました。

「ハラスメントもイジメもなかった」と。

 

天彩峰里(100期)のヘアアイロンで火傷させた件が掲載された文春。

メインの話題は、そちらではなかったよね。

当時の宙組トップスター真風涼帆(92期)のパワハラでした。

 

在団中は、多少のデメリットも劇団が引き受ける事ができます。

 

ですが、真風は退団を目前に控えた状態。

すでに退団後の仕事も決まっていたはず。

 

退団後の外部に影響(迷惑)が想定される以上、火消しを焦ったのかと。

退団後すぐの仕事は、ほぼ身内に近い東宝ミュージカルとはいえ。

そこは責任感を発揮した判断といえるかと。


劇団が「事実無根」と言い切りたかったのは、真風の件だったと思います。

仮に事実だとしても、当事者へのフォローが済んでいた事もあって。

 

ただ、同時掲載の天彩の方と切り離すわけにも行かず。

まとめて「事実無根」と早々に発表したのかな、と。

 

 

2)-4 不信と絶望

 

真風さんの件も薮の中なのは一緒。

ただ、当事者はすでに他組へ異動済。

いわば、安全圏にいる状態。

 

対して、天彩さんの方は同じ鳥籠の中にいる状態。

まったく状況が異なります。

 

この措置で、亡くなった生徒はこう思ったのかもしれません。

 

「劇団は、私を守ってくれない」

「劇団は、私を切り捨てた」

 

組織に所属していると多かれ少なかれ、そんな絶望感に遭遇する事があるかと思います。

 

彼女が遭遇した絶望は、規模がとんでもなく大きい。

公式サイトで大々的な発表ですからね…。

 

 

2)-5 ホンマか、嘘か

 

関わった片方は「イジメをしていない」と思っている。

 

もう片方は「イジメられた」と感じている。

 

本人にとっては、それが『ホンマ』です。

どちらも嘘じゃない。

 

ホンマか嘘か、決める事はそれほど重要ではない。

 

主観によって差異が出る以上、互いの違いを認める事が落とし処になるでしょう。

傷が浅いうちは。

 

これが人の生死に関わるとなれば、それでは済まない確率が高い。

そこは覚悟していくしかない。

 

浅い内も「イジメだと思われる」と知ったなら、それは控えていく方がいいやろね。

そういう受けとめ方があるんやな、と。

 

そんな風に気づいた事を生かしたり。

歩み寄ったり、適度な距離をとったり。

 

気づいて、認めて、その先について考える。

それが重要だと思います。

 

一緒に過ごしたり、協働していくなら、特に。

 

 

3)プライバシー

 

プライバシーについては、私がどうこう口を挟める事ではありません。

ただ、いつかその生徒さんの死を、お名前を出して悼めるようになれば…と。

 

彼女の存在をなかった事にしたくない。

その気持ちは宝塚ファンの総意に近いと想像します。

 

彼女が新人公演で演じたメアリー・モースタン、私は憶えています。

綺麗な歌声も、明朗な滑舌も、優希しおん(100期)との可愛いカップルぶりも。

きっと、ずっと忘れません。

 

 

4)会見の様子

 

渡辺氏の会見は映像で流れました。

視聴した人から「不謹慎」と怒りの声が出ているようですね。

 

私も映像を拝見しました。

20分足らずの会見ながら、開始時から心理状態が見て取れる反応が次々と。

 

渡辺氏は何度も唇を舐めていました。

これは「不安と緊張」の現れですね。

 

口をギュッと引き結び、唇を尖らせる様子も見て取れました。

これは「言いたい事がある」…けれど、言えない葛藤かな。

 

笑ったのは、過度の緊張によるストレスを和らげる反応かなと。

こんな処で笑うのは不謹慎と頭で判っていても、笑ってしまう事があります。

それだけ過度の緊張に晒されているんだな、と。

 

この他にも目の動き、声のトーンやスピード等から、過度のプレッシャーが伝わってきました。

 

 

ジャニーズ事務所の東山紀之、井ノ原快彦、藤島ジュリー景子は、淡々と長時間の会見に臨んでいました。

落ち込んだ様子こそ伝わるものの、ストレスを和らげる反応も見せず。

 

訓練されているのか。

人目に晒される事に慣れているのか。

その両方でしょうか。

 

裏方が長いジュリーさんも一時、女優として活動してましたしね。

(金八先生初期シリーズに生徒として出演等)

 

ジャニーズと宝塚が、奇しくも時を同じくして苦境に立たされています。

 

今、責任者として対処する人々にとっては不運だと思います。

ですが、そういう立場にいる以上、覚悟をもって事を成して頂きたい。

 

膿を出し切って頂きたい。

 

今はインターネット社会。

情報が即時に世界中を駆け巡ります。

 

隠すより、明らかにする方が傷が浅くて済む。

そういう時代になってきたのだと思います。

 

覚悟を決めて宝塚が変わるなら、これからもファンとして応援します。

私にできる全力で。

 

哀しい事に、こんな事になっても私は宝塚が好きです。

観れるものなら、宝塚の舞台が観たい。

 

わたしは宝塚が好きです。

 

 

▽ 亡くなられた生徒さんへ哀悼を込めて

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