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グランドホテルと回転木馬(月組・珠城りょうお披露目演目)

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爽やかな朝ですね…。
朝日ってこんなに眩しかったっけ…?

…とか言ってたら、昼になっております。
朝のうちに書いたものの、アップ出来なかったので昼休みに作業。
作業といっても、推敲くらいですが。

昨夕から、身体に力が入りません。
なんなん、劇団…。
なんなん、この仕打ち…。
東宝が上演権を取れたから、ついでに宝塚でもやっとこうぜ、ってところでしょうか。

ミーマイに続き、『グランドホテル』再演。
天海祐希退団公演に続き、涼風真世退団公演の再演…。

昔は一公演一回観劇でもあり、記憶は断片的で曖昧なんですが。
頭のネジがもともとユルユルだしな…。

そういう意味では、ミーマイすごいです。
初めて観たその日から、劇中歌はほぼ歌えたもの。
歌詞は適当ですが、メロディラインは一発で耳に残りました。
さすが名曲揃いと言われる所以です。

『グランドホテル』は、ハリウッド映画版が印象的でした。
それとて虹の彼方ならぬ、霧の彼方の記憶ですが。

群像劇なので、確固たる主役はいなかったと思います。
ただ、グレタ・ガルボ演じる落ちぶれたプリマドンナがヒロイン格との印象がありました。

宝塚版のヒロインは、ジョーン・クロフォード演じる企業の秘書。
元人気プリマと秘書、それぞれが心を通わせる事になる相手は、別々の男性。

プリマにスポットを当てると、やや『メランコリック・ジゴロ』っぽい組合せになるかも?
胡散臭い男が相手なので。

(しかも、彼女との恋に目覚め、心を入れ替えるという…)
(正確には、ちょっと誤った入れ替え方をしたというか…)

かたや秘書の相手は、老境にさしかかった実直な男性。
プリマサイドの方が、展開に起伏があるような気がします。

『グランドホテル』という作品自体は観てみたい気持ちはあります。
ただ、これも版権が厳しい作品のはず。
涼風真世バージョンは映像は未販売・未放映だと思います。

珠城りょうの記念すべきトップお披露目作品なのに、映像が残らない恐れがあるのでは…?
北翔海莉トップお披露目作品『ガイズ&ドールズ』みたいに。

様々な事情で劇場に行けず、映像を楽しみにされてる方もいらっしゃいます。
可能なかぎり、映像化できる作品の上演を望みます。

『グランドホテル』は後世に『グランドホテル形式』という言葉まで残した「THE 群像劇」な作品。
当時の映画スターを投入し、それが故に一つの一つの役の比重が均等に近かったんですね。

群像劇は、月組にもってこいだと思います。

月組は一人一人の芝居力が高い。
そして、その作品、その場面で中心となる人物を立てる意識が高い。
基本的には、トップさんを。

でも、例えば『1789』でロベスピエール(珠城りょう)がボディパーカッションを披露する場。
波がうねるように月組生が一丸となり、ロベスピエール珠城を押し上げていました。

『グランドホテル』のように登場人物一人一人にスポットを当てていく形式は、スターシステムを取る宝塚には本来そぐわないタイプの作品。

ですが、個々の技能が高く、なおかつ悪目立ちしない、謙虚でバランス感覚に優れた月組ならば。
バラエティ豊かな登場人物が織り成す、群像劇の面白さを引き出せるのではないでしょうか。

そこで埋もれてしまう珠城りょうではないでしょう。

『1789』も群像劇でしたが、龍真咲さんは見事な真ん中オーラを放ってましたね。

珠城りょうは、龍真咲のようにキラキラオーラを放出するタイプではありません。
ですが、どっしりした安定感、力強さ、重厚感があります。

言うなれば、ラスボス感。
若いのにね…なんだろね…。
仮に「実は研18」と言われても、「あ、そうなんだ」と騙されそうだよ。

それでいて、純粋無垢な危うさも孕んでいる、アンバランスな魅力。
真っ直ぐで、良い意味での不器用さがあって。
それは珠城りょうの持ち味であり、武器だと思うのです。

『グランドホテル』は、珠城りょうの力量が露わになる作品になりそうです。
宝塚的でないがゆえに、ものすごく難しい作品。

同時に、月組にはもってこいの作品かもしれません。
月組の良さ、特性が生かせる作品だと。

ショーは『カルーセル輪舞曲』
カルーセルは、フランス語で「回転木馬」と言うそうですね。

「マチネ・ソワレの謎」に続き、龍さんが「日本人なのに、なんでフランス語?」と突っ込んで下さる声が聞こえそう。
幻聴…?

私も、なんで「マチネ・ソワレと言うんやろ?」と思ってました。
長年の疑問を、『Voice』千秋楽で自作の歌にのせて下さって、ありがとうございます。
代弁して頂き、すっきりしました。

しかし、ホント、いつから定着したんでしょうね?
マチネとか、ソワレとか。
気になる…。

回転木馬なら、カルーセルより「メリーゴーランド」の方が馴染みがあります、私は。

そして、カルーセルといえば、元祖美形ニューハーフ・カルーセル麻紀が浮かびます。
先日、テレビでお見かけしたら、老境に達した今も美しかったです。

そういえば「回転木馬」は、性転換を暗喩する面もあるそうな。
カルーセル豆知識でした。

さて、『カルーセル輪舞曲』に話を戻しましょう。

レビュー『モン・パリ』誕生から90周年を記念した新作レビューだそうです。

日本からパリに着くまでを描いた『モンパリ』
パリから出発して宝塚を目指す『カルーセル輪舞曲』

回帰し、またここから始まる。
古きを知り、新しいものを創りだす。
温故知新。

珠城りょう率いる月組に似合いそう。
珠城りょうは最も若いトップとなりますが、どこか懐かしい雰囲気を醸し出す男役。
クラシカルでダイナミックな、古き佳き日本映画スターみたいな男役になりそう。

日本が誇る群像劇に『七人の侍』があります。
もし月組で演じたら、たまきちが三船敏郎ですよね。

……うん、できそう。
たまきちなら、あの武骨さを体現できるでしょう。

ここ最近の珠城りょうは、予想や期待を超えた結果を見せつけてくれるので。
正直、『激情』のホセには驚きました…。
感情変化の繊細さ、それでいて、とても分かり易い。

たまきちって、月組生の中ではざっくり大味な印象がありました。
舞台でのスケール感が大きい事もあって、決して悪い意味ではなく。
路線スターは、華や存在感の有無がより重要だと思いますし。

でも、ここへ来て、珠城さんの成長をひしひしと感じました。

覚悟を決めたんですね。
みずから背水の陣を布き、進むことを決意したんてすね。

今更ながら、珠城りょうの本気を感じています。



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