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花組全ツ『フィレンツェに燃える』観劇感想①大阪

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2022年10月15日(土)大阪・梅田芸術劇場メインホールにて、花組全国ツアー『フィレンツェに燃える/Fashionable Empire』を観劇して参りました。

 

好きだ…花組…!

 

10/13(木)、15(土)と花組成分を生で摂取♡

心身ともに調子が上向いた気がします。

 

ロイヤルゼリー宝塚…!

 

それでは、ネタバレ付きの感想&観劇レポです。

 

 

★フィレンツェに燃える

 

柴田侑宏先生の作品。

1975年の雪組初演から47年を経て、初めての再演。

大野拓史先生が演出を手掛けました。

 

宝塚の歴史の中では、古典になりつつある柴田作品。

濃密な人間ドラマが柴田作品の特色。

本作で昭和50年度芸術選奨新人賞に輝きました。

 

大野先生はおそらく初演を忠実に再現されてそう。

初演を拝見した事はありませんが、そんな気がしました。

 

昭和から平成を経て、今は令和。

大野先生なりにアレンジを加えても良いのでは?

話の繋げ方やスピード感など。

それでも、柴田スピリッツは伝わるだろうから。

 

花組メインキャスト陣は、宝塚5組中でもキラキラ度合いが高い。

 

柚香光(95期・研14)

水美舞斗(95期・研14)

永久輝せあ(97期・研12)

星風まどか(100期・研9)

聖乃あすか(100期・研9)

星空美咲(105期・研4)

 

ビジュアル特化に見えますが、それよりも。

スター性がある人々がよくぞこれだけ集まったなと。

若々しいイメージも強い。

舞台技術は作品毎に向上。

 

宝塚は「人」と「成長」を見守る楽しみが醍醐味。

柚香光体制の花組は、その面白みが濃い。

 

大野先生は柴田先生をリスペクトするが故、初演に忠実であろうとされたのかな…と想像しています。

 

プログラムに「初演時は幼稚園児だったから観たことない」と書かれてました。

劇団に資料映像はあるかもしれませんが、放送の機会…あるのかな?

 

初演をご覧の方も、半世紀近く前の記憶になります。

イメージは浮かんでも、細部まで記憶してる方はそう多くないはず。

 

『フィレンツェに燃える』は今回が初見という方が多いはず。

再演ですが、比較してどうこう思う人は少なそう。

 

ただ、「あ、昭和の話やな」と感じた人は多そう。

価値観やスピード感が、当時と今では多少異なるかなと。

 

宝塚はある意味、時間が止まった世界です。

それは「宝塚らしさ」と認識され、尊重されている事は一面の事実です。

 

一種の「お約束」として、根づいてきた「宝塚らしさ」

いまや、宝塚でしかお目にかかれない、それは一種のモードでさえあるかも。

 

長幼の序を守り続けることも、宝塚の特長のひとつ。

その精神は、生徒はもちろん、ファンにも承継されています。

演出家もきっと、そうなのでしょうね。

 

ファンも含め、宝塚で最も敬愛されてきた劇作家・柴田侑宏先生。

故人であればこそ、その脚本を改変することは憚られたかもしれません。

 

初演の再現を拝見できた事は、幸運とも言えます。

 

同時に、柴田先生が遺された言葉とスピリッツを大切にしつつ、現代のスピード感や、大野先生のセンスを採り入れても良かったかもしれませんね。

 

死してなお、そういう形で後進育成に関わる事を、柴田先生なら喜ばれそうな気がします。

様式美の側面が強い宝塚歌劇で、色濃い「人間ドラマ」を描き続けてこられた方ですから。

 

生徒のみならず、演出家の成長も、タカラヅカの醍醐味。

 

荻田浩一先生、上田久美子先生の退団(退職)が惜しまれた事はその傍証。

 

大野先生はベテランの域に達しておられますが、「変化の途上にいる」という点に於いては、誰もが同じ。

 

すでに前例がある「再演」は、偉大な先達へのリスペクトと共にプレッシャーも大きいと想像します。

 

それでもなお、挑戦してみてほしかった…なんて。

 

内部事情を知らない無責任な観客として、感じたことでした。

 

 

★Fashionable Empire

 

稲葉太地先生の作・演出のショー。

 

大劇場公演時と、メインキャストはほぼ変わらず。

退団者(音くり寿、飛龍つかさ、若草萌香、芹尚英)や、『殉情』振り分け組で一部の顔ぶれが変更。

 

オープニングで男女ペアがじゃんけんする箇所。

水美舞斗(95期・研14)の相手は、音くり寿(100期/退団済)から星空美咲(105期・研4)に交替。

 

水美がパー、星空がグー。

「負けちゃった」と顔くしゃっとした星空の頭を撫でる水美。

ぱあぁぁ…と笑顔に変わり、水美を見上げる星空。

 

…というドラマがほんの数秒で展開される萌えシーン。

こんな場面があったのか!…と今さら気づきました。

(大劇場で何を観てたんだ、私?)

 

 

Labyrinth では、男女2名ずつの歌手がいました。

男役は和海しょう南音あきらで変わりなし。

 

娘役は大劇場では、美風舞良(組長/殉情出演)と音くり寿(100期/退団済)

 

全ツでは、咲乃深音(101期・研8)と湖春ひめ花(106期・研3)が担当。

歌うまから、歌うまへの変更。

 

 

女装の永久輝せあ(97期・研12)がオーケストラ・ピットから銀橋へ現れるや女装を解き、トリオで歌い踊る場。

 

大劇場では、飛龍つかさ(98期・研11)、帆純まひろ(99期/殉情主演)

 

全ツ版は、航琉ひびき(副組長)、和海しょう(94期・研14)のアダルトな二人。

 

 

永久輝せあが『Fly Me to the Moon』を歌い、2組のカップルが踊る場。

トップコンビ(柚香光星風まどか)は変わらず。

 

水美舞斗の相手は、音くり寿から春妃うらら(97期・研12)へ交替。

マイティのリフト、うららちゃんを抱き上げる位置が高く、高速!

良質な筋肉に脱帽。

 

 

Club MISTY では、水美舞斗を惑わせる謎めいた美女ミスティAが登場。

帆純まひろ(99期/殉情主演)から、侑輝大弥(102期・研7)へ交替。

 

ほってぃに負けず劣らず、くっきりした顔立ちの美女・だいや君。

スリットから覗く脚線美も必見。

 

 

エトワールは若草萌香(99期/退団済)から、咲乃深音(101期・研8)へ交替。

深音ちゃんの美声を堪能して下さい。

 

今まで音くり寿の影に隠れがちでしたが、音ちゃんに負けず劣らずの歌うま娘役。

クセのない澄んだソプラノは、宝塚でまちがいなくトップレベル。

今後、花組の歌姫として活躍を期待しています。

 

 

★ご当地出身者紹介

 

花組全国ツアーメンバーは、花組生32名+専科2名。

計34名。

 

航琉「大阪府出身、水美舞斗!」

 

水美「はいっ!

 

道頓堀のグリコの看板ポーズのマイティ。

ピタッと決まる。

今後グリコを見たら、マイティを思い出す(確定)

 

ところで、いつもは下級生からなのに。

今回は上級生から紹介するの?

 

「この場にはいらっしゃいませんが、お芝居に出演された専科の梨花ますみさんも大阪府出身です」

 

…え?

…えええ?

まさかのマイティと梨花さんだけ?

 

天海さんもこんな事ある?

(天海さんは江戸っ子です)

 

大阪府出身者が一人だけの全国ツアー。

なかなかにレアですね。

 

ただ、近年の音校合格者は首都圏出身者の比率が高まってるのは事実。

今後は、こんな光景も珍しくなくなるかも。

 

梅田では「近畿出身者」と、まるっと周辺数県出身者も紹介しても良さそう。

前から、そうしてる組もありましたし。

 

 

★お国言葉

 

大阪での公演なので、ショーではところどころ、大阪弁が登場。

 

ファッションショーの場では、デザイナーの「OK」を

 

星風まどか「私も素敵なドレスを着てみたい!」

 

永久輝せあ「ええよ~!

 

 

若手だけのダンスの場『To the Future』では、最後の「サンキュー」を

 

聖乃あすか「おおきに

 

 

極めつけはトップスター挨拶かな?

 

柚香「想いが溢れてしまって、言葉がくだけてしまいますが…ここまで来てくれて、ありがとうな!

 

くだけて、くだけて~♡

もっと砕けてくれて、ええねんで~♡

 

イケメンの関西弁は(全国的に)殺傷率高し。

それはジャニーズがすでに証明してまっせ。

 

宝塚は関西が本拠地なんやし、どんどんかましてったれ!!

 

…と、私は思います♡

 

∇次はキャスト別感想

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