遅ればせながら…2022月2月23日(水・祝)星組『ザ・ジェントルライアー』LIVE配信の感想です。
★真ん中パワー
原作者はオスカー・ワイルド。
『アーネスト・イン・ラブ』と似た風情のお話でした。
アーネストの方が構成がしっかりしていますが。
配信みてて、瀬央ゆりあの真ん中力が試される作品だと感じました。
センターに立つ人に魅力がなければ成立しない作品ってありますよね。
★瀬央ゆりあ(95期・研13)
アーサー・ゴーリング卿
瀬央さんのカッコ良さ、チャラさ、情けなさ、うっかり君などなど、まるっと全部「なんて可愛いんだ!!」
チャーミング男子・アーサー瀬央。
冒頭で歌いながら、器用に蝶ネクタイ結ぶ様子が激しくツボでした。
うっかり具合も良かったな。
歳を5歳ごまかす意味はよくわからず。
(本当は34歳だけど29歳で通してる)
(29歳より更に若く見える気もするけど)
フィナーレでは、3人の娘役さんとダンス。
中でも、うたちゃんにアイコンタクト取る時、ごっつ笑顔でした。
もしや星組デビューのうたちゃんを安心させるため…?
…紳士だわ、瀬央さん…!
ジェントルマン…!!
★綺城ひか理(97期・研11)
ロバート・チルターン
アーサー瀬央の友人にして、有能な政治家。
妻(小桜ほのか)を熱愛。
誠実で、不器用な味わいもチラホラ。
チャラ男(瀬央)との対比が鮮やかでした。
本作では二番手役。
出番が多く、フィナーレでは男役を率いて群舞も。
芝居も歌も手堅くこなし、高身長で男前。
気づけば、星組の屋台骨を支える頼もしい兄貴に成長していました。
★小桜ほのか(99期・研9)
ガートルード・チルターン
ロバート綺城の妻。
アーサー瀬央のかつての想い人。
婦人の地位を高める運動に参加したり、進歩的な女性。
衣装はブルー系(星組カラー?)
まろやかで滑舌の良い声。
歌も美声を響かせてくれました。
上品で落ち着いた貴婦人の空気を身にまとっていました。
★詩ちづる(105期・研3)
メイベル・チルターン
ロバート綺城の妹。
アーサー瀬央を憎からず思っています。
3人ヒロイン状態は『デビュタント』と一緒ですね。
でも、本作の本命ヒロインはメイベルやろ?
衣装はイエロー系(月組カラー?)
あらすじに「会うたびケンカ」みたいに書いてあったけど、むしろ好きが滲み出てましたね。
うたちゃんは滑舌も良く、台詞は聴き取りやすかったです。
歌唱は伸びやかで、高音が綺麗に響いていました。
アーサー瀬央が必死に告白する場では、うたちゃんも表情豊かに応酬。
なっかなか肝心の言葉を言ってくれないどころか、どんどんズレていくたび、メイベル詩の顔も新喜劇風味に。
それでも可愛いのが、ある意味すごいぜ。
フィナーレのデュエットダンスでは、リフト!
リフトって回す方と同様、乗る方も難しいんですよね…?
がんばってた、うたちゃん。
星組デビュー作で、主演の相手役。
大役を任され、見事に応えていたと思います。
★紫りら(95期・研13)
ローラ・チーヴリー夫人
アーサー瀬央のかつての婚約者にして、トラウマ。
婚約して3日で、アーサーより好条件の男性に乗り換えた過去あり。
今度はロバート綺城に脅しをかけにやって来た悪女。
衣装はレッド系
直前に休演が発表された音波みのり(91期・研17)の代役。
代役とは思えぬ完成度の高さ。
滑舌も良く、聴き取りやすい発声。
歌も上手でした。
見た目から THE 悪女な役作り。
メイクも毒々しささえ感じさせて。
でも、品を失わないのはタカラジェンヌゆえ?
『エリザベート』のマダム・ヴォルフ、
『ファントム』のカルロッタに並べたくなる、毒とパンチがある悪女。
とても魅力的でした。
★稀惺かずと(105期・研3)
トミー・トラファド
ロバート綺城の秘書官。
家柄は良いが、貧乏貴族。
メイベル詩に果敢にアプローチを続ける青年。
「火曜と木曜はプロポーズ」って、どんな日課ですか、それ?
本作で THE コメディ!な人物。
登場するたび、ハイテンション。
本人、受けるかドッキドキなんじゃ?…と見守りました。
大きくジュテしながら袖に消えていく際は、
「飛んでたね」「飛んでたわ」とガートルード達に驚きを通り越して、呆然?
跳躍しながら袖に消えるなんて、ニジンスキーの『薔薇の精』みたいですね。
ニジンスキーの舞踊の映像は残っていないので、観た事はありません。
山岸凉子先生の漫画で読んだ記憶です。
トミー君とニジンスキーでは「飛んだ」の意味が違う気はしつつ…(^◇^;)
メイベルに決定的に振られ、ハンカチを噛んで走り去るトミー。
階段をのぼりながら、前のめりにバタッと転倒。
あれ、マジごけですよね…?
すぐ立ち上がって駆け去り、フィナーレのダンスもバリバリ踊っていました。
怪我してないか心配だよ? 大丈夫?
短いながら、歌う場面もありました。
綺麗に伸びる声。
歌えることは、大きな強みですね。
次の課題は「男役声で安定して歌えるか」でしょうか。
★水乃ゆり(102期・研6)
レディ・マークビー
天然っぽい貴婦人。
ド・ナンジャック子爵(咲城けい)と人目もはばからず、イチャイチャ。
ラストは正気に戻って、不倫相手?をビンタ。
フィナーレでは音波みのりに代わり、小桜ほのか・詩ちづると共に瀬央ゆりあの相手役の一人として踊りました。
優美な風情をまとった役作りとダンスでした。
★咲城けい(102期・研6)
ド・ナンジャック子爵
調子のよさそうなフランスの大使。
レディ・マークビー(水乃ゆり)とイチャコラ。
咲城くんだとわかりませんでしたよ。
振り切ってました。
クールビューティな印象があったので、なんだかもう。
誰だかわからん大賞は『桜嵐記』の紫門ゆりや(高師直)ですが、咲城くんも準じてます。
本人の香りを消して別人になり切れるってスゴイ。
★大輝真琴(91期・研17)
フィプス
アーサー瀬央の執事フィプス。
軽やかにジャンプする、真面目なおとぼけ執事。
礼真琴主演『アルジェの男』でも上手い人がいるなぁと思ってたら、大輝さんでした。
ミシリュー内相役…えらいさんですがな。
瀬央ゆりあ主演『龍の宮物語』でも龍宮の宰相役(黒山椒道)…えらいさんや。
今回は主役に仕える執事役。
英国が舞台の作品は、執事が美味しい役どころをよく見かける気がします。
『Ernest in Love』『ME AND MY GIRL』など。
出番も見どころも多く、大輝さんの真面目ユーモラスを堪能。
お髭も眼鏡も似合ってました。
★美稀千種(79期・研29)
キャヴァシャム卿
アーサー瀬央の父君。
間の悪いときにやって来て、息子に邪険にされるパパ。
それでも威厳は失わず、鷹揚に構えてます。
明らかに怪しい息子の挙動にも動じず、可愛らしさも感じるお父さん。
みきちぐ組長が真面目チャーミングに演じていました。
…以上です。
今日2022/02/26(土)は夕方から礼真琴主演『王家に捧ぐ歌』LIVE配信。
こちらも楽しみです。
「なおちゃ~~~ん」
「こっちゃ~~~ん」
お互いにカテコでエール交換する可愛い星組同期の礼真琴(こっちゃん)と瀬央ゆりあ(なおちゃん)
こっちゃんの配信も見ますよ~!
∇配信ありがとう、劇団さん♡