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2020年観劇総括『私の大好きな宝塚』ショー&グランプリ

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2020年12月31日(木)になりました。


月城かなと様、お誕生日おめでとうございます。


宝塚では毎年、大晦日はお休み。

お稽古場や舞台でお祝いされる事はない日です。


ただ、必ず休める日なので、ご家族や親しい人とお祝いできますね。


れいこさん(月城)はじめ、大晦日生まれのタカラジェンヌの皆様が心安らかな誕生日を迎えていらっしゃいますように。



さて、2020年の宝塚作品の観劇総括つづきです。


先に書いた2本がこちら。





続いて、2020年「私の大好きな宝塚」ショー編です。


宝塚大劇場の上演ベースでのカウント。


そのため、宙組のエル・ハポン&アクアヴィーテは2019年、アナスタシアは2020年に含めています。


選択基準は以下の通り。


1)ぜひもう一度、観たい!

2)今後に繋げてほしいスピリッツを感じる

3)単純に好きやねん♡

 

この3点を重視して、芝居とショー、それぞれ5本ずつ選出。


さらに、2020年上演の芝居とショーの中から、マイベスト1を選びました。


芝居もショーも5本に絞るのは難しかった…!


満足度の高い作品が多くて。

嬉しい「迷い」でした。


あくまでも私個人のランキングなので、読み流して下さいね。


私の自己満足にお付き合い下さり、ありがとうございます。



芝居 13本

ショー 9本(うち、ミューサロ&DS 各1本)

文化祭 1本(これはランキング対象外)

 


◆ 芝居

1)雪組 『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』

2)花組 『マスカレード・ホテル』

3)星組 『眩耀の谷』

4)月組 『赤と黒』

5)月組 『出島小宇宙戦争』

6)花組 『はいからさんが通る』

7)雪組 『炎のボレロ』

8)宙組 『FLYING SAPA』

9)宙組 『壮麗帝』

10)月組 『ピガール狂騒曲』

11)宙組 『アナスタシア』

12)星組 『エル・アルコン-鷹-』

13)専科+星組 『シラノ・ド・ベルジュラック』

 

◆ ショー

1)花組 『DANCE OLYMPIA』

2)星組 『Ray-星の光線-』…大劇場version

3)星組 『Ray-星の光線-』…梅芸version

4)雪組 『NOW ZOOM ME!!』

5)雪組 『Music Revolution!-New Spirit-』

6)専科+雪組 『PASSION D'AMOUR』

7)雪組 『La Voile』真彩希帆ミュージックサロン

8)雪組 『Sho-W』彩凪翔ディナーショー

9)月組 『Welcme to TAKARAZUKA-雪と月と花と-』


 

5位 雪組 『La Voile』

 

藤井大介 作・演出

真彩希帆(98期・研9)主演


宝塚ホテルの宴会場にて行われた約75分(1時間15分程)のミュージック・サロン。


…ですが、3時間超のミュージカルを観たような濃密な満足感を得られました。


ミュージカルからの選曲が多い事も一因。


何より、曲によって別人に変わる真彩さんの変幻自在な表現力。


多彩な表現を可能にする、高い技術力。


トークコーナーでのお茶目な素顔。


サポートメンバーの男役4人を従え、ある時は姐さん、ある時は姫君に。

そして、芯にあるのは最上級の歌い手。


いろんな魅力が詰まった、ギフトBOXのようなショーでした。



4位 雪組 『Music Revolution!-New Spirit-』


中村一徳 作・演出

彩風咲奈(93期・研14)主演

『炎のボレロ』併演のショー


壬生義士伝と併演だったミューレボから、かなり改変。

彩風咲奈、縣千はじめ、ダンサー系の生徒を生かした内容に。


歌は、彩風に成長が見られ、朝美絢もソロで聴かせてくれました。


ただ、望海風斗と真彩希帆という稀代の歌うまトップ政権下でありながら、なぜか歌い手があまり育たず。


とりわけ、歌える娘役の育成不足が深刻。

彩風咲奈を中心とする新体制にとって、致命的に感じます。


不安はあるものの、勢いのある煌びやかなショーを見せてくれました。


彩風咲奈を核に、朝美絢と縣千が左右に並ぶ布陣は、ビジュアルも個性もバラバラ。


三者三様の魅力に溢れ、観ていてワクワク。


「これが雪組の次期・新体制か」と早合点しそうなほど、しっくりハマるトリデンテでした。



3位 星組 『Ray-星の光線-』…梅芸version


中村一徳 作・演出

礼真琴(100期・研12)、舞空瞳(102期・研5)主演

『エル・アルコンー鷹ー』併演のショー


元々は大劇場公演『眩耀の谷』の併演ショー。

全国ツアーが中止になり、梅芸上演となった『エル・アルコン』用に改変。


礼真琴・舞空瞳ともスーパーダンサーなので、見応えありまくり。


疲れ知らず、キレッキレの礼真琴は、大劇場バージョンから更に真ん中度アップ。


舞空瞳もキレッキレ・ダンサーですが、しっとり感がプラス。


2番手の愛月ひかる以下も、それぞれ良き働きぶり。


何度でもリピートしたくなるショーでした。



2位 月組 『Welcme to TAKARAZUKA-雪と月と花と-』


坂東玉三郎 監修

植田紳爾 作・演出

珠城りょう(94期・研13)&美園さくら(99期・研8)主演


西洋のクラシック音楽と、和物ショーの見事な融合。


鮮やかな衣装。

大掛かりな舞台装置。

大々的な人海戦術。


宝塚なればこその技を駆使し、華やかな舞台を構築。


トップスター珠城りょうと2番手の月城かなとがそれぞれ、大きな見せ場を受け持ち、バトンタッチの準備としても意義あるショー。


専科・松本悠里の見せ場もふんだんに。

初々しさ、愛らしさを保つ舞台姿で、有終の美を飾られました。



1位 花組 『DANCE OLYMPIA』


稲葉太地 作・演出

柚香光(95期・上演時は研11)、華優希(100期・上演時は研6)主演


バリエーション豊かなダンスの数々。

それだけで、舞台空間と公演時間を埋め尽くす。

それは、どれほどの気力・体力・胆力が必要だったことか。


1幕のタイムスリップ物は、芝居仕立てのダンス・パフォーマンス。


多少のモノローグは挟むものの、台詞に頼らないミュージカルのよう。


2幕は、オムニバス形式のダンスショー。


まさかのマイティ(水美舞斗/95期・上演時は研11)の女装にはビックリ。


しかも、トップ娘役(華優希)と張り合ってる設定だし。


華ちゃんが負けてないのがまた、紅緒さんだわ〜(違います)


雪組から組替してきて、花組一作目の永久輝せあ(97期・上演時は研9)

花組の御曹司・聖乃あすか(100期・上演時は研6)と男女デュエットダンスを披露。


ひとこちゃん(永久輝)がサロメ。

ほのかちゃん(聖乃)がヨカナーン。


妖しく耽美なエロティシズムと、激しい闘争が混ざり合うデュエットダンスでした。

これは男役同士になるよね。


…というように、トップコンビ以外にも見せ場を用意。


でも、やはり、柚香光の各種パフォーマンスが圧巻でした。


生で観たかった…!

空気が震えたでしょうね。

映画館のスクリーン越しにも、響いてくるようでした。




そして、あくまでも私個人の…ですが。


2020年・年間総合1位


専科+雪組 『PASSION D'AMOUR』


岡田敬二 作・演出

凪七瑠海(89期・研18)主演


どの作品も甲乙つけ難い秀作揃いの2020年。

…ですが、年間ベストワンは迷いなくこれ。


「これぞ宝塚」と心震える舞台でした。


懐かしい味わいの THE 宝塚。

でも、カビ臭さは一切なく。


むしろ、時を経てなお、宝塚の魅力を発揮する作品群にトキメキました。


こういう舞台を観たかった…!


それは、岡田敬二先生にもお伝えしました。

偶然、バウホール前でお目にかかれたので。


お写真そのまま、粋でお洒落な岡田先生。

気さくでお茶目な紳士でした。


そんな岡田先生が手掛けた、正統派ロマンティック・レビュー。


貴公子然とした凪七瑠海との親和性は高かったです。


また、雪組下級生たちの活躍も、特筆に値します。


全ての生徒たちが少人数口やソロで、歌やダンスを披露。


歌唱力がある生徒は、のびのびと歌い上げ、喝采を浴びました。


歌が苦手な生徒は、芝居仕立ての場でヒロインとして登用。


適材適所を実現し、生徒にとっても、観客にとっても、ストレスフリーな舞台でした。


ただ、育成の側面もあるため、トップ路線の若手・縣千は得意のダンスも、苦手の歌も、がっつりトライしていました。


トークコーナーでは、下級生達が話しやすい空気を作っていた、かちゃ(凪七)


芸事のみならず、カンパニーのまとめ方、下級生との接し方なども、身をもって伝授した事でしょう。


同じ組なら、年月を重ねる中で、自然と秩序や協力態勢を育む面があるでしょう。


専科は、いわば外様。

かちゃにとって、雪組は元いた組でもなく。


壬生義士伝に出演はしたものの、『PASSION D’AMOUR』共演者は、ほぼ初めましてに近いメンバーかと。


千風カレン副組長以外は、学年が離れてますものね。


そういったメンバーと短期間で信頼関係を創り上げていました。

少なくとも、観客にはそう見えました。


フリートークで、かちゃは出演者を「うちの子達は可愛い」みたいな事を口走ってて。


そんなかちゃを見守るメンバーも、程よい緊張感の中にも、リラックスした笑顔で。


専科さんへの尊敬と、リーダーへの敬愛と信頼が感じられて。


「宝塚は愛に溢れた、温かい場所です」


…と、かちゃは挨拶で述べていましたが、本心なんやろな、と。


少なくとも、この舞台・このカンパニーでは紛れもない事実なんだ…と思わせる熱を孕んでいました。


歴史や伝統を大切にしつつ、新たな息吹を吹き込み、変転・進化していく。


「温故知新」という言葉を実感した作品です。


作品や公演の規模は小ぶりですが、宝塚歌劇の原点に立ち返った、何度でも観たくなる秀作です。


凪七瑠海に次いで、また別のメンバーで再演してみても面白いかもしれませんね。


例えば2番手を務めた縣千が、次は主演に昇格して、新たな舞台を創るとか。


その場合、歌の支えと副官の意味も込めて、彩海せらを2番手に登用希望。


縣くん自身もさらに努力するでしょうけどね。

本人比は成長してるので。


縣千と彩海せらは個性が被らず、相互に補完関係にあります。


加えて、音楽学校の本科・予科時代から特別な繋がりもありますしね。


今の音楽学校では失われた伝統ですが。


それは良い面もあるでしょうけれど、残念な面もあるかもしれませんね。


…と、話が逸れましたね、ごめんなさい。


『PASSION D’AMOUR』は、次世代への夢も広がる舞台でした。


2020年のマイ・グランプリです。


…振り返ってみて、あらためて。

宝塚っていいですね。



▽それでは、良いお年を。

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