基本的に「正式発表を待つ」スタンスを取りたい派ですが、明日海りおさんを敬愛する者として、さっくりと。
あくまでも私見ですので、「そういう見方もあるのね」と読み流して下さい。
2018年お正月公演として、元旦から華々しく開演した花組『ポーの一族』
学生時代から、小池修一郎先生が胸に宿してきた夢の結実。
『ポーの一族』舞台化のために演出家を目指した小池青年。
のちに、喫茶店で偶然居合わせた萩尾望都先生に『ポーの一族』舞台化を願い出た若き演出家・小池さん。
すみれコードの都合で触れずにきたけど、逆算したらちょうど明日海さんがこの世に生まれた頃でした。
萩尾望都さんは、一般読者はもちろん、クリエイターにもファンが多く、多くの作品が舞台化されています。
私もそれらを観てきましたが、萩尾望都の代表作といえば、『ポーの一族』と『トーマの心臓』が双璧だと思います。
舞台化と再演が繰り返されてきた『トーマの心臓』シリーズ(トーマの心臓、11月のギムナジウム、訪問者など)と異なり、『ポーの一族』はついぞ舞台化されず。
それは不思議でもあり、納得できる事でもありました。
『ポーの一族』は「この世のものであり、この世のものでない」存在が描かれています。
幽玄と言い切るにはリアルな存在感をもつエドガーは、表現に困る魅力に溢れています。
明日海りおは、その何ともいえぬ感覚を三次元に映し出し、動き、他の登場人物とも関わり……何とも言えぬ、不思議な存在でした。
儚げな少年でありながら、老成している。
思慮深いのに、投げやり。
エドガーの苦悩や葛藤、多面性を繊細に表現していました。
もともと宝塚歌劇は、生々しさがありません。
濃厚なラブシーンでさえ、乱暴を働く場でさえ、ひたすら美しい。
萩尾望都ワールドを体現するにあたり、こんなにピッタリのフィールドはない、と思いました。
STUDIO LIFE版の『トーマの心臓』シリーズも、あれはあれでアリだと思っています。
笠原オスカーは、オスカー・ライザーのイメージにフィットしていました…って、10年以上前の記憶ですが。
小池先生は外部で、早霧せいな主演『るろうに剣心』を企画・上演されました。
もともと、外部でも演出家として辣腕をふるわれていますし、明日海さん退団後、『ポーの一族』を外部で上演する可能性は充分に想像できました。
私個人のスタンスとしては…
『ポーの一族』が上演されても、されなくても。
それが宝塚であっても、なくても。
受けとめて見守りたいと思います。
明日海りお去りし宝塚で再演されたとしても。
新たに外部で、明日海りお主演で上演するとしても。
どちらでも、観に行くことでしょう。
企画するのは関係者の方々ですし。
それがどんなものか、実際に観てみないと分かりませんし。
ありがたく受けとめ、味あわせて頂きたいと思っています。
味の感想は、それからです。
以上が、萩尾望都、そして明日海りおという表現者を敬愛している私の個人的な思いです。
▽小池先生は?(セルフツッコミ)

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