本日2020年3月9日(月)より宝塚歌劇団は公演を再開。
まずは本日、本拠地(宝塚大劇場)にて、星組『眩耀の谷/RAY-星の光線-』千秋楽の舞台が上演されました。
10~12日は一旦お休み。
3月13日(金)より花組『はいからさんが通る』の上演が始まります。
東京宝塚劇場(日比谷)は明日3月10日(火)から『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』の上演が再開予定。
対して、東宝・松竹・劇団四季は3月15日(日)まで上演中止続行を発表。
これらの決断をジャッジするつもりはありません。
「判断の視点・基準が異なる」
という事だと解釈しています。
宝塚歌劇の千秋楽は、退団者がいる場合、大階段から降りてファン・観客・組子・関係者・客席にいるであろう近しい方々へご挨拶をする特別なセレモニーがあります。
在籍年数によっては大階段は使えない生徒もいますが。
タカラジェンヌとなった者が宝塚大劇場(と東京宝塚劇場)でピンスポットを浴び、0番センターに立ち、2,500人超(本拠地)に注目され、拍手をいただける日。
大劇場の舞台で、自分の言葉で感謝や様々な想いを伝えられる日。
特別な一日です。
その日にどうしても幕を開けたい。
それは劇団の親心だと感じました。
また、雪組はトップコンビが約半年後の退団を発表済。
限られた舞台姿を、できる限りお見せしたい。
観てもらいたい。
そういった気持ちだろうと思います。
正誤や善悪で判断したら、宝塚歌劇団は間違っているのかもしれない。
情に流されて、正しい判断力が鈍っているのかもしれない。
そんな風に断罪することは簡単です。
私には何の責任もとれないから、劇団の判断をいたずらに煽ることはできません。
でも、私には宝塚歌劇団と宝塚ファンの間に通い合う温かい何かを感じています。
それは『眩耀の谷』が上演され始めた頃から、感じていました。
誰に言われるでもなく、大劇場の多くの観客はトイレでは石鹸で丁寧に手を洗い、場内ではマスクをつけていました。
名古屋・御園座(月組『赤と黒』上演)でも、同じような光景が見られました。
これは私の推測ですが。
多くの宝塚ファンは2016年の雪組『るろうに剣心』会期中のインフルエンザ騒動を憶えているのでしょう。
「感染するまい」との行動は「出演者に感染させまい」という気持ちが源泉にあるように感じました。
少なくとも、私はそうです。
物事は正誤や善悪で判断すべき時もあります。
でも、何が正しくて、何が間違っているか、判断がつきかねる事の方が遥かに多い。
そういう時は、判断の基準をずらしてみる。
いろんな方向に。
そうすると、違う風景が見えてくる事もあると思います。
少なくとも一つ言えることは、宝塚歌劇団はおそらく「気持ち」を重視したんだと私は想像しています。
宝塚歌劇団は「できる努力はする」姿勢を見せています。
前例のない事態で、最初から100点満点の対応ができたら、天才でしょう。
批判を含めて、様々な意見や感じ方があって良いと思います。
それが何であれ、決断しない事には始まりません。
決断には勇気が伴います。
己の決断には、もれなく責任がついてきます。
責任を取る覚悟。
自身の立ち位置を明確にする勇気。
決断は、古いラテン語で「ドラマ」と言う…と聞いた事があります。
様々なドラマを紡ぎだしてきた宝塚歌劇団。
その宝塚が下したドラマ。
賛否両論あると思います。
私個人は、宝塚が決断した勇気に、エールを送りたいと思います。
▽決断の源に、愛が透けて見える気がする

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