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新人公演プレイバック(花組2016〜2019)

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雪組 『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』新人公演(東京)について考えていたら、新公のことを色々思い返したり。

私が新人公演を観るようになったのは、2015年雪組『るろうに剣心』が皮切りでした。

ですから、ここ4〜5年のことです。
実際に生観劇できた作品を振り返ってみます。
()は宝塚大劇場での上演年です。

それでは、花組からスタート。


1)ME and MY GIRL(2016)

・本公演
明日海りお(89期)
花乃まりあ(96期)

・新人公演
優波慧(96期)/綺城ひか理(97期)
城妃美伶(97期)/音くり寿(100期)

変則的な主演&ヒロイン。
2組の主演コンビが1幕と2幕を分け合って上演。
宝塚では1幕を優波&城妃、2幕を綺城&音。
東京では、その逆。

音くり寿が銀橋を渡りながら歌う『あごで受け止めて』の朗々とした響きが素晴らしかった。

優波&城妃の食堂でのタップシーンも達者でした。

綺城ひか理は上背があり、立ってるだけで絵になりました。

ジャッキーとジェラルドも、帆純まひろと聖乃あすかが宝塚と東京で役替わり。
宝塚ではジャッキーを帆純、ジェラルドを聖乃。
東京はその逆でした。

宝塚のカーテンコールで、帆純ジャッキーは男役のお辞儀をしてて、頭を上げてからハッとしてて。
2度目のカーテンコールでは華麗な娘役のお辞儀を。
この時まだ研4でしたが、男役が染みついてたのね。


2)邪馬台国の風(2017)

・本公演
明日海りお(89期)
仙名彩世(94期)

・新人公演
飛龍つかさ(98期)
華 優希(100期)

喩えるなら、少年漫画のヒーローとヒロインのよう。

正義!友情!勝利!を絵に描いたような飛龍つかさのタケヒコ。

可憐でたおやかながら、芯の強いマナを体現した華優希。

野性味あふれる飛龍。
凛とした美を醸し出す華。
絵になるカップルでした。

ビジュアルのみならず、演技力も高い二人でした。

この時、2番手役のクコチヒコ(本役:芹香斗亜)を演じたのが聖乃あすか。
黒い役でしたが、線が細く、飛龍タケヒコに敗れるのも止む無し…と思えたものです。
ホントたくましくなったね、ほのかりん。


3)ポーの一族(2018)

・本公演
明日海りお(89期)
仙名彩世(94期)

・新人公演
聖乃あすか(100期)
城妃美伶(97期)

『エドガーはいた。
明日海りおである』

演出家・小池修一郎御大にそう言わしめ、原作者・萩尾望都先生を骨抜きにした明日海りお。

当て書きどころじゃない、「明日海ありき」の作品だった『ポーの一族』
新公初主演がエドガー役って、それ何の罰ゲーム?って気持ちになりそうなもの。

ところが、聖乃あすかは「儚げな永遠の少年」を体現。
体温を感じさせない…というのかな?
低体温で、絵画のように美しくて。

前作のクコチヒコ役ではマイナスに響いた線の細さが、幻想的な作風と役柄にマッチ。
己の持ち味を生かした役柄の一つでした。

城妃美伶も、シーラ役がピタリとハマりました。
華やぎと落ち着きを備え、重厚感すら感じる貴婦人でした。


4)MESSIAH(2018)

・本公演
明日海りお(89期)
仙名彩世(94期)

・新人公演
聖乃あすか(100期)
舞空 瞳(102期)

この新人公演は、聖乃あすかのターニング・ポイントになりました。
少なくとも、私はそう感じています。

荒くれ者の倭寇(海賊)から信仰の真髄へと到達し、真の自由を目指して人々を奮い立たせる天草四郎。

本公演も思い出すとグッと来ますが、新人公演も泣けてきます。
メインキャストはじめ、キャスト全員が一丸となり、本公演に勝るとも劣らぬ一夜の夢を紡ぎ出しました。

聖乃あすか(天草四郎)と一之瀬航季(リノ:本役・柚香光)の同期ワンツーは敵対と友情を濃密にみせてくれました。

聖乃四郎の激しさ、熱さ、鋭さ。
一之瀬リノの穏やかな包容力。
単体としても、ワンツーとしても、絶妙なバランス。

舞空瞳はデキるヒロインぶりを披露。
さらに羽ばたく可能性を感じさせました。


5)CASANOVA(2019)

・本公演
明日海りお(89期)
仙名彩世(94期)

・新人公演
帆純まひろ(99期)
華 優希(100期)

美しい主演コンビでした。
帆純くんの美丈夫ぶり。
華ちゃんの溌剌としたヒロイン。

まさに眼福。
見ているだけで、うっとり。
絵に描いたような、THE 宝塚なカップルでした。

個人的に、コンデュルメル夫妻が本役・新公共にツボでした。
頭が切れるはずなのに、どこか抜けてる夫(本役:柚香光/新公:聖乃あすか)
夫の愛を得たいのに空回りして、黒魔術にハマる妻(本役:鳳月杏/新公:舞空瞳)

聖乃コンデュルメルのヘナチョコぶり。
舞空ロザリア(だったかな?)の威厳。
どちらも、本役さんに寄せまくってました。
美貌とお笑いのコラボレーションは最強やね。(個人的に)


6)A Fairy Tale ー青い薔薇の精ー

・本公演
明日海りお(89期)
華 優希(100期)

・新人公演
聖乃あすか(100期)
都姫ここ(104期)

本公演はビジュアルと芝居力が最強コンビ。
夢のように美しい主演コンビ。
これぞ宝塚…!なカップルでした。

聖乃あすかはつくづく、人外のお役に縁がありますね。
本公演で白薔薇の精、新公で青薔薇の精。
でも、全然ちがいました、雰囲気が。
白薔薇さんはあくまでも優しく、穏やかに、美しく。
過去の幻想、幻影。

青薔薇さんは妖精とはいえ、かなり規格外。
激しい感情に揺さぶられ、アグレッシブ。

白薔薇さんが青薔薇さんになる…双方とも同じ妖精・エリュですが、えらく違うものだなと。
本公演と新公で『エリュ』を演じ分けていました。

都姫ここは研2での抜擢。
経年変化の演じ分けが必要な難しい役なので、苦戦していました。
その経験が今後に生きる事でしょう。


…以上、新人公演プレイバック花組編でした。

明日海りお体制では、芝居に対する姿勢が半端なく真摯でした。
新人公演にも、その影響がまざまざと映し出されています。
作品を追うごとに成長していく姿が頼もしく、眩しいかぎり。

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