宙組『オーシャンズ11』を宝塚大劇場で観てきました。
2011年11月星組で初演(柚希礼音主演)
2013年2月花組で再演(蘭寿とむ主演)
そして 2019年4月再々演は、宙組にて真風涼帆主演。
最初から最後まで「イケメン祭」でした。
以下はネタバレ含んだ感想です。
★真風涼帆(92期・研14)
ダニー・オーシャン
愛するテス(星風まどか)の為、詐欺を働き、刑務所へ。
仮釈放中に仲間を集め、ホテル王・ベネディクトからテスとお金を奪還。
銀橋の登場シーンが最初の見せ場。
囚人服から一瞬で、スーツ姿に変身して
「きゃー!カッコイイ!」
……のはずが、囚人服で現れた時点で、すでにカッコイイ真風。
ダニーは「ちょいワル」設定。
でも、意外と浮ついてなくて、どっしり構えた安定感すら感じます。
真風ダニーは、詐欺師とは思えない真面目さが漂っています。
「詐欺師に見えない」「誠実さを感じる」…って、詐欺師として才能があるとも言えます。
めぼしい人材を見つけ、協力者にしていく上でも、ダニーの安定感が説得力として作用していました。
テス(星風)とは年齢差がある設定なんですね。
体格差・学年差が生きる設定。
テスは10cm以上あろうピンヒールを履いていてなお、余裕の身長差。
身長も高いけど、女子力も高いんだよね…と、その落差に毎度驚く真風くんです。
(カフェブレイクで、確か愛月ひかるが「我がトップスターの意外な一面」で話してた記憶が)
フィナーレのデュエット・ダンスでは ひざまずいて、星風まどかの手の甲にうやうやしくキス。
リアルメンズ感がハンパないと思っていた真風くんですが、ちと違いました。
真風くんはリアル男子ではなく、タカラジェンヌでした。
こんな夢のような事を照れずにできる王子様、日本では宝塚でしかお目にかかれそうにありません。
なお、真風くんは初演の星組『オーシャンズ11』では本公演でライナスを演じ、新人公演で主演を務めました。
その時の新公・ラスティー役は、芹香斗亜。
奇しくも7年半後、本公演でタッグを組むとは。
二人とも別々に組替したのにね。
つくづく、深いご縁です。
★芹香斗亜(93期・研13)
ダニー(真風)の相棒・ラスティー・ライアン。
明るいお調子者で、ダニーの計画の片棒を担ぐ。
恋人のポーラ(遥羽らら)と、その祖父リカルド(松風輝)の為に一肌脱ぐ、優しい一面も。
父親を超えられない劣等感に苦しむライナス(和希そら)をその気にさせたり、人を巻き込むパワー満載。
ダニーよりチャラ男っぽく、その余裕が魅力のラスティー。
芹香ラスティーは、長い前髪にパーマをかけて流しています。
その髪型が素敵に似合っています。
風情も、仕草も、フィナーレのダンスに至るまで、「抜け感」を徹底。
その抜け感が、チャラいけどやる時はやる、大人の自信と余裕に感じられました。
警察に捕まりかけた リヴィングストン(瑠風輝)を救出に来た際は、花組時代の主演作『MY HERO』の音楽と決めポーズで登場。
小池先生の遊び心でしょうか?
キキちゃんは勿論、花組時代を知るファンにも、嬉しいプレゼントですよね。
もちろん知らなくても楽しめます。
単にカッコイイだけだから。
なお、キキちゃんは再演の花組『オーシャンズ11』本公演でライナスを演じ、新人公演では主演を務めました。
卑屈なライナス(和希そら)を「お前は飛べるんだ!」と励ます『JUMP!』を歌うキキちゃん。
その姿に「ライナス……立派になって」と胸が熱くなった方もいらっしゃる事でしょう。
★星風まどか(100期・研6)
ダニーの妻で、クラブ歌手のテス・オーシャン。
ホテル王・ベネディクトの支援で、新しく建設するホテルのショースターに抜擢予定。
学生時代から、エコロジーに興味を持っている歌姫。
人妻といっても、ダニーとは学生時代に出会い、年の差婚の模様。
エコロジー・プリンセスの冠が似合うのも納得。
歌が上手で、若く美しいテス。
雪組『ファントム』のクリスティーヌ(真彩希帆)に続き、歌姫役がリアルに歌姫。
決して技術至上主義ではありませんが、リアリティと説得力があるキャスティング。
テスが劇中で履いているハイヒールは、ルブタン多め。
「あれ一足で、SS席9回くらい観れそう」とチケットに換算する小市民なワタシ。
★純矢ちとせ(89期・研17)
ホテルPARADISOの歌姫で、ベネディクト(桜木みなと)の愛人・クイーン・ダイアナ。
すごい存在感でした。
ビジュアルも、演技も、獰猛なメスライオン。
テスの可憐さを、より引き立たせるダイアナ。
加えて歌唱力はじめ、芸の確かさがあります。
単なるイロモノキャラではない、ギリギリのラインで鮮烈な役作りが出来る純矢さん。
本作で退団されますが、手放すには惜しい人財。
幅広い表現力を備えた、実力派の女役さんです。
★桜木みなと(95期・研11)
ラスベガスのホテル王・テリー・ベネディクト。
ギャンブル好きの父親のせいで苦労した結果、カジノを経営し、お金を搾り取る側にのし上がる。
ベネディクトの過去を知ると、歪んだ原因がさもありなん…で、そんなに悪人とは感じられなくて。
花組版のベネディクト(望海風斗)が濃厚な悪党としてベネディクトを演じ、印象的でした。
凄絶な過去の告白も、切なかったですね。
対して、桜木ベネディクトは、ソフトな印象。
テスが「いい人だな」と丸め込まれても不思議ではない紳士。
それだけに、紳士の仮面が外れた時の、テスが受けた衝撃は大きいでしょう。
本作では、2番手が相棒を務めていますが。本来なら2番手が務めるであろう敵役。
とても大きな役であり、ずんちゃんにとって今までにない濃厚な役。
大きなチャレンジですね。
過去のベネディクト役のイメージに囚われず、桜木みなとならではの、柔和で紳士的なベネディクトは大いにアリだと思います。
豹変ぶりとの落差をさらに強調できれば、逆に悪魔的な魅力を強めそう。
おそらく、公演期間中に変化していきそうな予感がします。
期待しています、ずんちゃん。
★和希そら(96期・研10)
地下鉄で財布をする、ライナス・コールドウェル。
天才的なスリを父親に持ち、父を超えられない劣等感に苛まれている。
ライナスのテーマソング『MR.PICK POCKET』を和希そらが歌い出した第一声から、かっこよさにビックリ。
硬質な色気のある声で、テクニシャンだと一発で伝わる歌い方。
ある意味、父親に劣等感持ってる男の子が歌ってるとは思えない、余裕に溢れていました。
和希そらの歌とダンス中心のバウ公演、今更ながら観たかった、と思いました。
ハイレベルな歌唱力に加え、ダンスも優雅でシャープ。
前・宙組トップスター朝夏まなとのスカステ番組に起用され、いじられ愛されキャラとして認知されながら、舞台ではあくまでも正統派を目指して来た和希そら。
小柄ながら、メイク等も工夫して、シュッとした風情を醸し出したり、努力の人だと思います。
96期である事が、今更ながら惜しまれます。
★瑠風輝(98期・研8)
天才ハッカーのリヴィングストン。
ユーチューバーにも見えますね…って、ヒカキン氏のイメージかい。
古くは、C-C-B というバンドに似た人がいました。
瑠風くんは知らないと思います、きっと。
ハッカーとしては有能なわりに、警察にあっさり捕まりかけたり。
専門分野には強いが、脇が甘いオタク青年。
ハッキングの善悪はともかく、コンピュータが好きなんだろうな、と。
軽快にイヤミなく、オタク青年を演じています。
何なら、ストリート系オシャレ小僧。
瑠風くんのスタイルの良さのおかげですね。
★優希しおん(100期・研6)
★鷹翔千空(101期・研5)
デジタル映像作成が得意なモロイ兄弟。
新公学年の将来有望な若手が起用されました。
花組版でも、モロイ兄弟はチップ&デールみたいでしたが、こちらもそんな感じ?
花組版では、水美舞斗&柚香光の95期生が抜擢。
まだ研5だったんですね。
花組マイれいは同期ゆえか、兄弟の遠慮ない雰囲気がリアルでした。
しおん君とこってぃも、もっと はっちゃけても良いかもしれませんね。
モロイ兄弟は普段のストリート系ファッションと、黒スーツ姿のボディガードに変身した時の落差萌えもポイント。
台詞はないけど、ソール(寿つかさ)の背後に兄弟そろって付き随う姿がカッコイイですね。
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