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花組新人公演『CASANOVA』感想③舞空瞳、音くり寿、愛乃一真、一之瀬航季

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2019年2月26日(火)宝塚大劇場にて、花組新人公演『CASANOVA』観劇感想つづき。

★コンデュルメル夫人
舞空 瞳(102期・研3)
本役:鳳月 杏(92期・研13)

本役が魅力的かつ繊細に演じている、コンデュルメル夫人。
高いハードルに挑んだ舞空瞳。
さすがに本役を超えたり、肩を並べるには至らぬとはいえ、充分すぎる大健闘。

『黒蜥蜴』の緑川夫人を彷彿とさせるテイストも含め、大人っぽく妖しくゴージャスなコンデュルメル夫人をクールに熱演。
安定した歌唱、威厳ある風情など、出来すぎてて怖いくらい。

ただ、驚いたのが、ちなつさん(鳳月杏)演じるコンデュルメル夫人の方が「可愛く弱い女」の顔を覗かせていたこと。
これは意外な発見でした。
瞳ちゃんは一貫して「大人の女」を演じていましたね。

瞳ちゃんは充分巧かったと思います。
それだけ、ちなつさんの役創りが重層構造だという事。
新人公演を観て、あらためて鳳月杏の凄さを感じるとは。
もちろん、舞空さんのコンデュルメル夫人も秀逸でした。
本役と新公キャストが共にハイレベルで、なんとも贅沢。

本作『CASANOVA』を最後に、鳳月杏・舞空瞳という貴重な人財を手放してしまうのね…。
返すがえすも残念でなりません。
ちなつさんはせめて、明日海さんを見送ってから月に返してほしかった…!

瞳ちゃんはもしかして、星の王子様に嫁ぐのかな…?
もしそうなら、スーパーテクニシャン・コンビ誕生の予感がしますね。


★ダニエラ
音くり寿(100期・研5)
本役:桜咲彩花(93期・研12)

花組の歌姫といえば、くり寿ちゃんがまず浮かびます。
くり寿ちゃんは、魂が洗われるような歌声の持ち主。

『ハンナのお花屋さん』のアナベラなど、演技力にも長けているくり寿ちゃん。
ベビーフェイスで損をしがちですが、ダニエラのような落ち着いた役も難なくこなしていました。
声質も滑舌も良く、台詞も聴き取りやすい。

先ほど舞空瞳をかなり褒めましたが、くり寿ちゃんの実力も遜色ありません。
歌唱力は花娘で一、二を争う実力でしょう。
ダンスも軽やかで上手。
演技力も高く、コメディからシリアスまで幅広く対応。
とりわけ、ひたむきな役柄を演じた時は、観る人の感情を引き寄せる力を持っています。

ダニエラは優しく穏やかな侍女。
ベアトリーチェに親身に尽くします。
桜咲彩花にマッチした役ですが、くり寿ちゃんもベアトリーチェに寄り添うダニエラを好演。
落ち着いたお姉さんのような役も、すんなりモノにしていました。

ある場で、ある人物が出るべき場で出そびれた(と思われた)時、くり寿ちゃんは力技でフォロー(というかスルー?)して乗り切りました。
台詞や進行を変える事なく、よく頑張った…というか何というか、お疲れ様でした。
内心ドッキンドッキンだった事でしょう。  


★バルビ神父
愛乃一真(101期・研4)
本役:水美舞斗(95期・研10)

本役さんをよく研究しているな、と思いました。
表情・仕草・動きなど、本役のテイストを滲ませていました。

愛乃くん本人も、すらりとしたイケメン。
カサノヴァ(帆純まひろ)とのコンビもマッチしていました。
愛乃くんは歌が得意なイメージがあります。
ラップも軽々こなしてました。
よく通る声で、滑舌も良く、台詞も聴き取りやすかったです。

主演との絡みが多く、実質3番手役と思われる重要なお役。
東京公演では更にブラッシュアップし、悔いなく演じ切れますように。


★ミケーレ伯爵
一之瀬航季(100期・研5)
本役:夏美よう(専科)

一之瀬くんが老け役に挑戦。
おおらかで温かい持ち味を生かし、鷹揚で茶目っ気のある伯爵を好演。
ローマ法王として現れた時も、ガタイの良さも相まって、存在感がありました。

ミケーレ伯爵は出番が限られているので、群舞・モブ・声の出演(パラリス神)など、多岐にわたって活躍していました。

一之瀬くんは本公演でも、様々な場に登場しています。
ふんわりあったかオーラと笑顔で癒してくれる一之瀬くん。
芝居心もある人なので、一之瀬くんが新公で0番ポジションに立つ日を待望しつつ…!


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