雪組『ファントム』新人公演(2018/11/27宝塚大劇場)感想の続きです。
★羽織夕夏(100期・研5)
カルロッタ(本役:舞咲りん)
オペラ座の新支配人アラン・ショレの妻で、オペラ歌手。
羽織さんは『私立探偵ケイレブ・ハント』新公でも、歌手ポーリーンの役でしたね。
このポーリーンの役作りが濃くて、面白可愛かった羽織さん。
『ファントム』でも期待を裏切らず、ピカレスク・クイーンを熱演。
基本路線は本役と同じく、ドスの効いたコメディエンヌですが、きっちり個性も出して来て、笑いを誘いました。
オペラ座の女帝・カルロッタ。
張りぼての女王様なんですけどね。
フェイクな味も出しつつ、アントワネットやお蝶夫人に通じる、高慢と紙一重の高貴さも感じられました。
歌もアレンジしてコミカルに歌ったり、盛り上げてくれました。
従者にイタズラされ、大騒ぎする場は声のみで表現したり、カルロッタの悪だくみソングは短縮版に。
2幕物を短縮する制限があるため致し方ないのですが、ちと残念。
★彩海せら(102期・研3)
フィリップ・ドゥ・シャンドン伯爵(本役:彩凪翔/朝美絢)
爽やかイケメン役を、颯爽と演じた彩海くん。
シャンドン伯爵のソロナンバーも 短縮版ながら、軽快に歌い上げていました。
シャンドン伯爵は、最初から最後まで登場場面が多く、見せ場も複数あります。
少々プレイボーイ風味ながら、おおむね好印象で、とても美味しいお役と申せましょう。
研1の時から、新公では役名や台詞のある役を演じてきた彩海くん。
彩凪翔、朝美絢、永久輝せあ、縣千らが本役を務める役を演じてきました。
新公や外箱では今後も、中核メンバーとして活躍しそうな若手ホープのお一人ですね。
★陽向春輝(99期・研6)
アラン・ショレ(本役:彩凪翔/朝美絢)
ラテン系イケメン支配人。
尻に敷かれながらも、妻・カルロッタ(羽織)を熱愛。
損得勘定であっさり掌を返そうと、憎めなさを感じる人物。
アラン・ショレは、男役でありながら、娘役(カルロッタ)を立てる役どころ。
…という事を改めて気づかせてくれました。
イケメンオーラを振りまきつつ、客席を笑わせ、カルロッタを際立たせる…という、八面六臂の活躍ぶり。
そんな高度な業をやってのけた、陽向くん。
これからも楽しみな人なのに、本作をもっての退団が惜しまれます。
★鳳華はるな(98期・研7)
ジャン・クロード(本役:奏乃はると)
「…え? 奏乃さんが新公に出てらっしゃる?!」
…と目を疑うほど、本役さんそっくりのビジュアル。
メイクや立ち姿はもちろん、誠実さ・温かさといった雰囲気も、本役さんを熱心に研究した痕が伝わります。
すらりと美しい立ち姿で、髭も似合う鳳華さん。
大人の余裕・落ち着きなど、男役の魅力をさらに己のモノにされそうです。
★諏訪さき(99期・研6)
ルドゥ警部(本役:真那春人)
前回のゲシュタポ(凱旋門のシュナイダー)といい、今回の警部といい、諏訪さんは硬質の役が似合いますね。
キリッとした印象があります。
歌・ダンス・芝居と抜けのない実力の持ち主という事もあり、普段から隙のないイメージも。
諏訪さんには、どんな役割も安心して任せられそうな感じ。
ここ最近の新公では、任に合った渋めの役で舞台を締めている諏訪さん。
イメージから外れた、それこそ弾けまくった役もバッチリこなせそうな予感がしてなりません。
新公学年には見えない落ち着きを醸し出す諏訪さん。
来年度は、長の期なんですね。
99期雪組首席の諏訪さん。
来年度のカーテンコールでは、諏訪さんのご挨拶が聞けるんですね。
お手本になるようなご挨拶をされそうですが、意外とお茶目さんだったりして。
そんなギャップが見られる可能性を、秘かに楽しみにしています。
★有栖妃華(102期・研3)
ベラドーヴァ(本役:朝月希和)
可憐なビジュアルに、愛らしい声。
キャリエールが出会った音楽の天使・ベラドーヴァを好演。
最初は緊張気味のようでしたが、初恋に胸ときめかせる乙女、さらに恋破れて堕ち、授かった息子を慈しむ母性など、ごくごく短い時間枠で、様々な感情と姿を表現。
それらを水が流れて行くように、スムーズに演じ分けていたと思います。
★紗蘭令愛(103期・研2)
ジョルジュ(本役:叶ゆうり)
オペラ座の団員。
コメディエンヌ発見!
カルロッタを囲む人々の中に、なぜか英語を話してる人がいまして。
それだけでも、なんだか可笑しさを醸し出してるのに、カルロッタが「黙って!!」と一喝するや、「オーマイガッ…!」
オリジナルでありながら、本筋を邪魔せず、その場にそぐうアドリブ。
さじ加減が素晴らしい。
誰なんだーー??と調べてみましたら、紗蘭令愛くんだろうと。
「特技は英語」との事で、おそらく間違いないと思います。
(違ってたら、ごめんなさい)
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