雪組『ファントム』感想つづきです。
宝塚歌劇では4回目の上演となる『ファントム』
過去作品をご覧になった方々にとっては、過去上演作品との違いも大きな驚きの一つかと思います。
私は中抜け期間でしたので、過去分は観ていません。
宙組(和央ようか & 花總まり)も、花組1(春野寿美礼 & 桜乃彩音)も、花組2(蘭寿とむ & 蘭乃はな)も。
…なので、過去作品をご覧になった方々に伺った話なのですが。
いろいろ変化している中でも、とりわけ違いを感じた箇所は『従者』…のようですね?(シエスタ調べの限りですが)
ある御方曰く、「従者が黒天使化している」と。
黒天使といえば、『エリザベート』に登場する、黄泉の帝王・トート閣下の分身。
『ファントム』の従者は、エリックが拾った浮浪者たち。
共通点は、衣装が黒っぽい(おいおい)
常に無言で、歩いたり、踊ったり、大道具や小道具をさりげなくセッティングしたり。
おぉ、似てる、似てる。
……ただ、「踊ったり」という点。
この点は、今回の大きな相違点なのだそう。
そうなのです、従者たちは踊りまくるのです。
振付は KAZUMI BOY先生(拍手)
プログラムを開くと、従者たちが登場する場には、ことごとく『振付:KAZUMI BOY』のクレジット。
はっきり言って、めっちゃカッコイイです…!
流れるように動いたり、激しく踊ったり、まさにファントム版・黒天使…!
どおりで、ダンサー系を揃えているはずです。
従者はこの6名
沙月愛奈(89期・研16/娘役)
笙乃茅桜(92期・研13/娘役)
鳳華はるな(98期・研7)
諏訪さき(99期・研6)
眞ノ宮るい(100期・研5)
縣千(101期・研4)
娘役が混ざっている点も、大きな変化なのだとか。
小柄で軽量な娘役ダンサーがいるからか、アクロバティックな振付も一部お目見え。
銀橋上手で、あゆみさん(沙月愛奈)を男役二人(縣千と誰か…私の席からは背中しか見えず)で支えてて、おおっ?!と。
あんな狭いところで大丈夫なのか?!…とハラハラしましたが、さすがの安定感。
『Gato Bonito』のタンゴで組み、超絶技巧を披露した縣君とあゆみさん。
わずかな絡みでしたが、この二人(と、もうお一方)が組む姿を見れて嬉しかったです。
従者さん達、普段はエリックと共にオペラ座の地下に潜んでいる訳ですが。
その地下アジト(違)にババーンと登場するとき、エリック(望海風斗)はセットの高いところに。
従者5名は、セット下の板の上に登場。
……ん? 5名?
一人足りなくない?
そう、一人だけ望海さんと同じセットの上手側に現れるんです。
誰や、それ?……って、縣くん?!
エリック様と同じ高みにいるとは、頭が高い~~!控えおろ~~!!
(…って、水戸黄門じゃないよ)
そんな畏れ多いケースは、その時くらい。
基本的には下手袖から現れ、下手端で踊っている事が多かったです。
エリックや従者たちは時折、秘密の通路を利用してオペラ座館内にあらわれ、人々をビビらせます。
解任された元・オベラ座支配人キャリエール(彩風咲奈)が「オペラ座の幽霊」に触れるも、一笑に付す後任のアラン・ショレとその妻カルロッタ(舞咲りん)
その後まもなく、カルロッタは何者かに悪戯されて、大騒ぎ。
この悪戯っ子は、縣くん。
背後から忍び寄り、カルロッタのスカートをめくります。
しかも、背中越しにカルロッタを抱きかかえる「俺じゃダメか?」抱きで、腕を伸ばし、スカートの前側をめくるんですよ。
おいおい、小学生か!(爆笑)
小学生にしては、腕が長すぎるけと。
…あ、「俺じゃダメか?」は、25年ほど前、『あすなろ白書』という青春ドラマで、鳥居くん(木村拓哉)ヒロインを背中越しに抱きしめて言ったセリフ。
これで、木村拓哉はブレイクしたのでした。
鳥居君はメガネ男子でしてね?
その点もツボでした。
余談ですが、本日11月13日は木村君の誕生日です、そういえば。
おめでとう、木村君。
それはさておき、従者さん達ですよ。
エリックによって連れ去られたクリスティーヌをそっと抱きあげ、ベッドに寝かせたり…って、お姫様だっこ~~!
望海エリックがまず、倒れかけた真彩クリスティーヌをお姫様抱っこで楽屋から連れ出します。
舟にのせて、地下の世界へ。
そして、到着したクリスティーヌをそっと抱き上げ、ベッドに寝かせる従者。
この従者が、縣くんでした。
もし間違ってたら、それは私の願望がみせてくれたphantomね、きっと。(←おいおい)
憧れのお姫様だっこ。
のぞ様も、縣くんも、真彩ちゃんを…軽々と抱き上げちゃうので、余計クラッと。
(わたしは重量オーバー&リア不充分で、一生無縁であろうがな)
(…って、誰も聞いてないよ)
目覚めたクリスティーヌは、エリックに森へいざなわれます。
地下とは思えぬ、美しい森。
鳥のさえずりと共に、鳥さん役が登場。
ふわっと飛び上がり、あっという間にはけていきました。
はい、ここでも縣くん…!
鳥を演じる、縣くん…!!
過去2回、ファントムに出演したのぞ様が、1回目の出演でやはり従者、そして鳥を演じられたとか。
奇しくも、今の縣くんと同じく研4で。
トップさんが演じられた役をさせて頂けるなんて、有難いというか、何というか…。
縣くんは、髪形を鳥のようにセットしています。
オカメインコやオウムの「とさか」みたいな感じ?
動きの軽やかさ、ジャンプの高さも、鳥のようでした。
ほんとうに羽根がついてるのかもしれません。
鳥をイメージしてるんでしょうね。
(明日海さんが鳥の縣くんと遭遇したら、一目散に逃げそう…)
(願わくば、その場に居合わせたい…)
(鳥を『鳥さん』と呼ぶカラダになったのは、明日海さんの影響です)
フィナーレのショーでも、髪形はずっと一緒。
一つ一つの場ごとに髪型をアレンジしてたGATO BONITO と対照的。
今回、ロケットセンターを務めてます、縣くん。
衣装は全員同じですが、真ん中で一人ぐるんぐるん、フェッテ、フェッテ。
ウィンクや投げキッスしたり。
やたらと笑顔と色気を振りまく、大柄なひとがいましたよ…!
いいぞ、いいぞ!!
技術的にも巧みなんですが、それより何より、楽しそうに踊るよね。
いつもそうなんですが、縣くんは。
楽しくて楽しくてたまらない!
…という気持ちが溢れ出てます、縣くんのダンスから。
大階段男役群舞は、雪組では久々の正統派黒燕尾。
フォーメーションは複雑に変化し、振付は斬新。
スピード感にあふれて、カッコイイ。
これまた、KAZUMI BOY先生の振付。
先生の群舞、ハイ・クオリティでなかった試しなし…!
2幕物としては ショー部分が長めで、見応えがあります。
だいきほデュエットダンスは、『HOME』の調べにのせて。
最初だけですが、デュエダンでものぞ様の美声を聴けてびっくり。
ここでも、また聴けるとは…!!
リフトもある本格的で夢のようなデュエットダンスでした。
…おっと、従者の話から気がつけば、だいきほの話になりました。
ファントムはまだ話し足りないので、また…!
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